第11話 破壊と創造の力
ラフィンが仲間になった後、ハルカが女王を起こす。
「起きた!女王様!」
「…来ないで!」
女王からまた闇の力が溢れ始めた。
「そ、それは…!?」
「これは、お母様から受け継いだ、忌まわしき破壊の力…」
破壊の力とは、その名の通り何でも破壊できる力である。
(なんでそんなもの受け継いだのかな…)
ハルカは思ったが、口に出さない事にした。
「この力をなくす薬草が無くなってしまい、こんな事に…」
「じゃあ、私達が取って来ます!」
ハルカ達は山に薬草を取りに行った。
「薬草を作る神様が女王様のお父さんなんだね」
「神様がパパってびっくり」
「じゃあ、お母さんも神様なのかな?」
ハルカ達が楽しそうに喋りながら、山道を登る。
山の中腹辺りで、大きな鳥に出くわした。
「道開けて~」
鳥は道を塞いでいる。
「プラテナリクテンダ!」
ハルカが容赦無く鳥に魔法で攻撃した。
「コケーッ!」
鳥が道を開けてくれた。
「鶏かよ!」
ツッコみながら、頂上まで山道を進む。
頂上に着いた。
一番高い所に、一つだけ草が生えていた。
「これが薬草…!」
「ただの雑草みたい…!」
ハルカが摘み取る。
薬草を持ち帰り、女王に渡した。
「ありがとうございます!」
女王が薬草をそのまま食べた。
(そのまま食べるんだ…)
お礼に女王が部屋を貸してくれるそうだ。
「広ーい!」
「こんな所…本当にいいのかな」
中は凄く豪華で、凄くすごかった。
まるで一つの家のようだった。
「さー寝よ!」
ラフィンがベッドにダイブする。
ラフィンは全員に言われた。
「まだ夕方だよ」
「もう夕方だよ!」
女王の過去を知る者は居ない。
女王は過去を誰にも話さないからだ。
テルカ、それは女王の名前。
父が付けてくれた、縁起の良い名前だ。
数万年前、テルカは不老不死の神の子として産まれた。
テルカは両親にとても可愛いがられ、優しい子に育った。
だが、戦争によってテルカは両親と引き裂かれてしまった。
その戦争で滅んだ王国の名は、プレテキテラ。
テルカは父から受け継いだ力で王国を造った。
その王国は、今も多くの民が暮らしている。