第10話 永遠
地獄の訓練から一ヶ月。
ハルカ達は女王に会う為、王国に現れたモンスターを倒していた。
「バルデニテンステンス!」
地獄の業火がモンスターを焼き尽くす。
「センテンバリ!」
ミリアも負けずに攻撃する。
「キリがないな…」
突然、すべてのモンスターが王国の外へ歩きだした。
「な、何が起こってるの!?」
「誰かが操ってるのかも…」
「やっぱり魔王とか?」
誰が操っているのか予想しながら、三人は城へ急ぐ。
「女王様!」
女王は倒れていた。
「嘘でしょ、女王様、女王様!」
ハルカが涙目になりながら叫ぶ。
「やっほー」
ラフィンが悪い顔で現れた。
「ラフィン…あなたがやったの?」
「違う違う、女王さまが自分でやったの」
ハルカとミリアは衝撃を受けた。
「そんな…なんで…」
(あの優しい女王様が、自分から…)
「どうして、そんな事を…」
隙を突いて、ラフィンが襲いかかる。
「ラフィン…今度こそ、うちの仲間に入れてやる!」
「エイサヌースラエイベー!」
ハルカが覚えた魔法を早速使う。
「私の妨害が、効かない…!?」
(ちゃんと効いて良かった…)
「バンデミンヴェルディ!」
ラフィンが毒で出来たドラゴンを召喚した。
「サクランダンサイレンケン!」
そのドラゴンを、レイアが美しい連撃で切り刻む。
「ああっ!私のドラゴンが!」
「バルデニテンステンス!」
ハルカがラフィンを燃やした。
「熱い!」
(このままじゃ…私、死んじゃう!?やだやだ、そんなのやだ~!)
「大丈夫?」
「え…?」
炎の中で、少女が一人立っていた。
その顔は仮面を付け、どのような表情なのかは分からなかった。
「ワタシが、助けてあげる」
少女の力で、ラフィンを燃やす炎は消えた。
「ありがとう…あなたは…?」
「ワタシはプレテキテラの民」
プレテキテラ、聞いた事がある。
だが、どこにあるのか、そもそも地名なのかも分からない。
「じゃあ、頑張ってね」
少女は消えた。
それと同時に、ハルカの声が聞こえてきた。
「ラフィン!生きてる!?」
ハルカがラフィンを心配していた。
「う、うん…」
どうしてそんな事を聞くのだろう、と思いながらラフィンは返事をする。
「ラフィン、私達の仲間にならない?」
「え!?」
今まで酷い事をしたのに、なぜか仲間になろうと言ってくる。
「えっと、良いよ…」
ラフィンが仲間になった。
「ありがとう!」
「よろしく、ラフィン」
暗闇で、マントの男は言う。
「こんな事がずっと続くといいね。でも、次はそんな簡単にはいかない。」
「永遠の王国と言われたプレテキテラは、数万年前の戦いで、滅んだ。永遠は、いつか崩れる。」
「でもハルカ達には、ずっと元気でいて貰いたいね」