♢ 第三章 訪問者 ♢
「これは石像?」
そこにあったのは天井まで届きそうなくらいに高い彫像。
ちょうど、月の光があたり、よく見える。
しばらく誰もきていないのか、ところどころに埃と蜘蛛の巣。
「これって…。」
台座の部分を見つめるマリア。
「アリア、ここ照らしてもらえる?」
「よっと。」
松明を台座に近づけるあたし。
「何か書いてある…。」
「えっと。」
指で文字の埃を拭うマリア。
「大天使、ミカ…エ…ル。」
「えっ。それって。」
「ミカエル様?」
「でも、なんでこんなところに?」
「さぁ?」
「でも、もしかしたら、大昔は地上に住んでたのかもね。」
「ミカエル様、長生きだし。」
そう付け加えるマリア。
「とりあえず、ひと段落したら、掃除しましょ。」
「しばらくここにいることになりそうだし。」
「そうしよっか。」
それに、ミカエル様といえば天界でも有名。
まだ、会ったこともないけど…。
いつか…。
逢えたらいいな。
☆☆☆
コトコト。
おおっきなお鍋で具材を煮込んでいくあたし。
ちなみに干し肉とジャガイモ、調味料は天界から持ってきたやつだけど。
後の具材は地上のもの。
その辺のよくわからない雑草とかじゃないので安心してほしい。
ちゃんと、天界にあるものと同じか、確認してから入れたし。
問題ナッシング。
バカでかいへらでかき回しながら、親指をグッジョブするあたし。
「アリア、そこに誰かいるの?」
苦笑いするマリア。
「てへっ。」
そうこうしているうちにスープからはとってもいい匂いが。
「そろそろかな?」
ぐつぐつと煮え立つスープをちょっと味見。
「あちちちちちっ。」
ちょっと熱いけど、でもおいしい。
そして窓からの光。
「あっ。」
朝がやって来たみたいだった。