98話
なんかいろいろ分からない言葉が並んでいるのは謎だけど。山芋とあるから、芋であることは間違いない。はたしてねばねばが美味いっていうのはどうなのかと、疑問は残るけれど。
「この下、根の部分が芋です」
「おう、じゃぁ、掘るぞ」
ガルモさんが荷物を下ろして地面を掘って芋を収穫してくれる。
「これとこれとこれ、あとこれもお願いします」
近くに自然薯と表示されている葉っぱをいくつか指さす。
「おう、坊主見つけるのうまいな」
その間に私は別の物。
【ゴボウ:ちゃんこ鍋の具になる】
ゴボウって、豚汁だっけ?あの時にも使ったやつだ。木の根みたいなやつだよね。どうしようか。木の根を食わせる気かって言われるだろうか。
でも、ちゃんこ鍋ってよくわからないけれど、山芋にも出てたし、一緒に入れるといいってことだよね?
形さえなくなれば木の根だなんてばれないよね。よし。やっぱり持って行こう。
ゴボウをよいしょと引っこ抜く。途中でちぎれちゃったりしたけど、あたりにいくつか生えてたからそこそこの量が取れる。ガルモさんにも見られないうちにいそいで収納袋へ。
【ショウガ:ちゃんこ鍋にいれる鶏肉団子に混ぜると美味】
また、ちゃんこ鍋って出てる。なんで?ちゃんこ鍋とか知らないけど、作れってこと?
「坊主、いや、いつまでも坊主じゃあれだな。俺はガルモだ、お前の名はなんていうんだ?」
「あ、リオです」
ガルモさんの顔に文字が浮かぶ。
【ごっつぁんです。どすこいどすこい】
何?ますます意味が分からない。
「なが細い変わった形の芋だな?」
【自然薯:手がかぶれることがあるので取り扱い注意】
えええっ!早く言ってよ!
「ガ、ガルモさん、食べられる芋だけれど、触ってるとかぶれることがあるんで、か、鞄の中に」
収納鞄の口を開くと、ガルモさんが6本の自然薯を入れた。
「かぶれるのか。だからあまり知られていないのか。って、これ収納鞄か?こいつも入るか?」
ガルモさんが荷物を私に差し出した。
「はい。たぶん」
ガルモさんの持っていた大量の荷物が吸い込まれるように鞄の中に入る。
「おー、スゲーな。収納鞄……ちょっと高くてもこりゃ買った方がよさそうだな」
買うか。
うん。私も頑張ってお金貯めて買おう。今はギルドから借りてるだけだから。
「手が空いたし、いっちょ食料調達するかな。リオ、ちょっと待ってろ」
ガルモさんが上を見上げ、木のみのなっている木を見つけて、ドンッと手の平で叩いた。木が揺れて実を落とす。右手、左手と、ガルモさんが繰り返す。
【突っ張り】
なんか訳が分からないけれど、とにかく落ちてきた実をかき集める。皮をむかなくても食べられる赤い実だ。
「拾っててくれ、その間に狩りをしてくるよ。肉もいるだろう?」
ガルモさんがその場を去った。
おおう、もうすぐ100話だねー。話がすすまなーい。
さてと。今日も読んでいただきありがとうございます。
どすこい、どすこい!
100話記念になんか番外編でも載せようかな?
読みたい番外編とかありますか?
え?特にない?