表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

97/209

97話

本日2話目

「いま、あそこでダンジョンから出てきたモンスターを討伐するために冒険者さんたちが戦っています。僕はよわっちぃから一緒に戦うことはできないけれど……ご飯を作ることはできます。お腹がすいたら力がでないって聞いたから、だから、ご飯を作って助けられたらって思って。だから、その、大きな鍋でいっぱいご飯を作ってあげたいので、鍋を貸してもらえたらと」

 ガルモさんが、荷物を地面に置いた。

 そして、大きな手で私の頭をがしっとつかんで上に向ける。

「坊主、自分をよわっちぃなんて言うな。お前は強い」

 私が、強い?

「モンスターが出ていたら、誰も逃げたくなる。それなのに、戦っている人たちを助けたいと、わざわざ危険な場所に近づこうとするんだ。お前の心は強い。本当によわっちぃ奴は、心が弱いやつだ」

 心が、強い?

「大丈夫だ、坊主。心が強いやつはな、成長できる。どんどん強くなれるさ。強さっていうのは、力じゃないぞ。いいか、力じゃない。力だけじゃ乗り越えられないことが世の中にはたくさんあるからな。間違えるな」

 強さは力じゃない?

 力だけじゃ乗り越えられないこと?

「よし、気に入った坊主。鍋を貸してやる。それから料理も手伝ってやるぞ」

「うわぁっ」

 ガルモさんに持ち上げられ、肩に乗せられた。

 ひえー、高い。っていうか、この年で肩車された。成人前で子供といえば子供だけど、もうすぐ成人するからほぼ大人ですけどっ!っていうか、そういえばシャルもやけに私を子供扱いするし、私って、そんなに子供っぽいの?

 ガルモさんが地面に置いた荷物を持ち上げた。

「よし、行くぞ。振り落とされないようにしっかりつかまっていろ」

 へ?行く?

 鍋を運んでくれるっていうこと?確かに、私の力じゃその大きな金属の鍋は運べなさそうに見えるけど、収納鞄に入れれば大丈夫だと……と説明したかったけれど、上下にがこがこ揺れるので口を開けば下を噛みそうだ。

 肩車されてるし、こんな高い位置から落っこちたら怖いしで、必死にガルモさんの頭にしがみつく。

【スキルジャパニーズアイ発動】

 意図せず片目がふさがったりして、王都を抜けて森に入る。モンスターが出ている場所はこの森を抜けた先。

【スキルジャパニーズアイ発動:二重】

「あっ!」

 バンバンとガルモさんの頭を叩く。

「どうした?坊主?」

 ガルモさんが足を止めてくれた。

「ちょっと食料を調達しながら行きたいです。あそこにあるので」

「食料?あそこ?どこだ?」

 指さしたところに見える文字。

【自然薯:栄養価の高い山芋。ちゃんこ鍋の具になる。とろとろねばねばで美味しい】


約束の2話目。

ところで、珍しく、全話は本文の誤字を2カ所修正して更新したのですよ。

……結果、あとがきで誤字っているという。えへ。

ご愛敬。


さ、出てきました。

ジャパニーズアイをお持ちの皆様の予想通りの、ちゃ、ん、こ、な、べ。


まずは自然薯。

とろろとして食べるだけじゃなく、火を通しても美味しゅうございますのよ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ぽややん善人モノか……。 いいね。 [気になる点] なんやと?! ジャガイモも毒芋ネタは多いよ! [一言] 皆に内緒で料理にク○を入れて美味しい!って言われることに喜びと後悔を得、発覚…
[一言] わーい!でましたちゃんこ!味付けは味噌かな?味噌はビタミン豊富で体にいいので最適ですね!!
[一言] >これは鍋なのか。湯あみをするタライよりも大きな鍋だ。 タライと言われると、どうしてもドリフターズのアレを思い出してしまう…… (本物のタライだと下手すると頸椎骨折とかするので、特注品(軽…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ