78話
普通のどつきウサギじゃなくて、弱いどつきウサギ?
それとも……。
頭の上に載っている雪平鍋という名前の防具のおかげ?防御力が3上がるらしいけど、3上がっただけで、私は今までと比較して差が出るくらい防御力が上がったってこと?
え?
えーっと、それじゃぁ、私の防御力ってもともといくつだったの……。よわっちぃって言われても、まるっきり言い返せないどころか……思った以上によわっちぃですと、自己申告しなくちゃいけないレベルなんじゃ……。
って、ダンジョンの中でいろいろと考え込んでいては危険だ。
「どつきウサギ、糞してった……。どういうことだよ」
そう、ドロップ品にさっきから出ている文字。
スキルジャパニーズアイが発動している。
黒くてコロンコロンした、まるでウサギの糞のようなドロップ品。
紫色に光ったということは、それなりに価値があるものだという証拠なんだけど。でも、紫は紫でも【江戸紫】って……。
確か日本刀が出た時にも【江戸紫】って出てたような気がする。
【正露丸:止瀉薬、下痢止め】
え?
糞じゃなくて、薬?
えーっと、えーっと。
「なんだ?やっぱりさっきのでどっか痛めたのか?ポーションあるぞ」
遠くからサージスさんの声が届く。
顔を上げると、もうずいぶん先に進んでいるようだ。シャルが必死にドロップ品を拾い集めながら追いかけている。
「あ、大丈夫です、すぐ行きます!小さなドロップ品があったので、見てただけです」
迷っているひまなんてない。悩むのはダンジョンを出てから。
本当に薬なのかは分からない。どこまでジャパニーズアイを信じていいのかもわからない。
でも、とりあえず紫色に光ったってことは珍しいドロップ品で、そこそこ価値がある……と、それは間違いないはずだ。拾っておこう。小さな品だし、鞄がいっぱいになってもう入らないならあきらめるけど。
ぽろぽろと30粒ほど転がっているどつきウサギの糞改め正露丸を拾い集める。
「うぐっ、すごい匂い……」
これは他のドロップ品に匂いが移りそうだ。
「あ、そうだ」
ポケットの中には、マイルズ君がくれた丸薬が入った小瓶がある。丸薬の色は濃い緑だ。形は……そういえば、この正露丸とほとんど同じ。まん丸の小粒。……そうか、もともと薬ってこういう形だ。じゃぁ、本当に薬なのかも?
急いで瓶の中に正露丸を入れて蓋をしてポケットに入れる。
集中しなくちゃ。集中。
シャルが右側、私が左側に落ちてる物を拾い集める分業をしたはずだ。
シャルが、真ん中より少し左側のものも拾ってくれている。
ああ、駄目だ。ドロップ品を拾うのは私の仕事なのに。戦えないし、ろくに身も守れない上に、荷運び人としても役に立たなくなったら、私の存在価値はゼロだよっ。頑張る。
あ、そうか。
自分の役割……私が求められていることを頑張らないといけないんだ……。あれもこれもやみくもに頑張ったって、何もかもが中途半端になっちゃう。
急に、ぱぁーっと目の前に光が差したような気がした。
ども。糞ラノベです。
……いや、だって、ウサギ系のコロコロも見たかったでしょ?
ね?
さて、ここで、ちゃんと商標登録なのか、名前出しちゃっていいのか「正露丸」について調べたんですが、これ、薬の種類の名前であって、商品名ではないそうでございまして、なんかwikiに書いてあった。
まさか、出していい名称だとは思わなかったので、出してもいいと知った瞬間、にやりとしてしまいました。
さて、正露丸まで手にいれちゃったよ。ぐふふ。ジャパニーズアイ……。役に立ってる?
いや、使い道とか分かんないまま収集するリオってば……リオってば。
すごい匂いなのに、収拾しちゃうリオってばwwwww
さて、岐阜だっけかな。愛知県との県境あたりに、薬博物館があります。
楽しいですよ。そこで、丸薬を作る機材とかも展示してあります。
丸くするのは、ああいうのでこうして、それからそういうのでそうして、それから、こうすると同じサイズの丸いやつが作れるのです。……うん、見てきたけど、説明しろといわれるとそうなる('ω')ノ
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