71話
本日3話目
「まて、まて、その空き部屋ってなんだ?」
「サージスさんと隣の部屋にならないために一部屋開けるためです」
「なんで、そんな必要が?」
「暑苦しさを軽減するために決まってます」
サージスさんとシャルが楽しそうにパーティーの拠点の話をし始めた。
本当に、私も一緒に住んでもいいのかな。
「なぁ、リオ、空き部屋なんていらないよな?すぐ隣の部屋でも、むしろ一緒の部屋だってリオは平気だよな?」
空き部屋?
一緒の部屋でも全然平気だけれど。
「空き部屋はいると思います」
と、きっぱりと答える。
シャルがふふんっと勝ち誇ったような顔をし、サージスさんがショックを受けた顔を見せる。
「えーっと、しばらくドロップ品の買い取り制限があるそうで、千年草が出現する間は他のドロップ品をギルドは買い取ってくれないので、倉庫代わりにえーっと、置いておける空き部屋が必要だと……」
サージスさんとシャルが私の顔を見た。
「ドロップ品のための部屋?あーなるほどな。確かに、リオのペースでドロップ品拾っていくと……必要か」
サージスさんがうーんと首をかしげる。
え?あれ?
シャルとサージスさんは、ドロップ品でも価値がありそうな物しか拾ってなかった。
もったいないとつい私は拾ってしまうけど……迷惑、迷惑かけてるよね。
「あ、いえ、だ、大丈夫です。えーっと、僕の部屋はいりません。僕は、倉庫で充分なんで」
シャルが私のほっぺをつかんでぶにーんと引っ張った。
「ドロップ品優先とか、ねぇ、確かこういう馬鹿いたね、サージスさんの知り合いにもいたね……自分の部屋」
「ああ、シェリーヌな……いや、馬鹿とかシェリーヌにいうなよ」
シェリーヌさんって、ドロップ大百科の作者の。そっか。そうだよね。あれだけの百科事典かきあげるにはどれほどのドロップ品を見てきたことか。
「ドロップ品に囲まれて生活していらっしゃるんですねぇ……」
うらやましいなと顔に出ていたのか。
ん?自分の手に文字が。
【ドロップ品オタク】
いや、だから、オタクって何?
「あのな、リオ、ドロップ品に囲まれたいなら、お前の部屋に好きなだけおけばいい。何もお前が倉庫に暮らす必要はないんだ」
ん?何が違うんだろう?
「サージスさん、リオが倉庫と部屋と何が違うんだって顔してる……」
シャルは私の心が読めるの?
「あ?なぜだ?」
「倉庫以下の宿に……いや、宿すら泊まれない生活してたからだと思うけど、もう二度とそんな生活させないから」
シャルが怒っている。
な、なんで怒ってるの?
【溺愛系ヤンデレ】
シャルにも謎の文字。
ども。2日目突入記念、3話目更新でーす。
さ、部屋割りはだいたいシャルの希望通りになりそうな。
リオもサージスさんも、あてにならないので。そして、もう一つ肝心なこととして、
必要な部屋だけで、余分な部屋は無し……つまり、これ以上メンバー増やす気もない。
「リオに近づく屑虫を増やすわけないでしょ!」
だそうです。わははは。
「部屋が足りないなら、僕と同じ部屋でも……あ、でも相手が迷惑かな……」
とかリオは言い出しそうですけどね……