69話
朝起きると、二人はまだ寝ていたので、机を借りて昨日ダンジョンのボス部屋の奥で見た本のタイトルを、覚えている限り書き出してみる。
ジャパニーズアイで文字が浮かんだとしても意味が分からないので、まったく無駄といえば無駄なんだけれど……。
「名刀百選ってあったなぁ。名刀……か」
収納鞄の中から、細い剣を取り出し、片目を覆う。
【スキルジャパニーズアイ発動】
【日本刀:名刀兼定】
名刀百選ってえーっと、日本刀っていう種類のなかの名刀?武器って種類の剣みたいなもの?いや、むしろ剣っていう中の名剣ってことかな?
ああ、そうか。名剣でなく名刀。
ってことは、すごい日本刀ってことだよね?
鞘からそっと刀を引き抜いてみる。
「軽い……」
剣に比べてなんという軽さなんだろう。これだけ軽ければ、私でも十分振り下ろせそう。
ちょっと両手で構えてみる。
上級剣士スキルを持ったフューゴの美しい剣の構えを思い出す。
「あれ?ちょっとなんか、違う。おかしいな、へっぴり腰……で、かっこ悪い」
鏡に映った自分の姿にがっかりする。
変だな。しっかりフューゴの構えは覚えてるんだけど、再現、できない。振ってみる?
えーい。……うっ。ますます、不格好。
「お!リオ!朝から剣の稽古か!いい心がけだ!」
え?
後ろからサージスさんの声が。
「いえ、ち、違うんです……」
しまった。見られた。
不格好に剣を……いえ、刀を振っている姿を見られたっ!
「この刀……あー、細い剣は軽いから、僕にでも使えるのかな……と、思って、試しただ……けで……」
「ああ、なるほどな。細くて使えねぇと思って無視したけど、そうか。細くて軽いことがメリットとなる者もいるということか。さすがだなぁリオは。ドロップ品の良し悪しを判断するのにお前以上の者はいないだろうな」
ほ、ほめ過ぎ。
でも、嬉しい。
まだまだだけど、でも、そう思ってもらえて……。もし、本当に少しでもそう思ってもらえているなら、私が女だってばれても……サージスさんならパーティーから追い出したりしないかな……?
「俺がちょっと稽古をつけてやろうか」
サージスさんが上半身裸になって、剣を手に取った。
うひー、待って、待って、ちょっと稽古をつけてやるって、S級冒険者がど素人の私に?
っていうか、どう見てもへっぴり腰で剣を構えている私が、恐れ多すぎないですか?
いや、でもチャンスかも。チャンスよね?チャンスだよ。
だって、1,2階層くらいなら自力で戻れるくらいの能力はあると言っても、モンスターからうまく逃げ回れるっていうだけだから。
モンスターを少しでも倒せるようになれば、1,2階層に自分で入ってモンスターを倒せるようになれば……。ハズレドロップ品の「糞」を自分で、誰にも見つからず、取ってこられる……。
「うわぁーーーっ、ちょっと、何してんの!なんでどうして、二人とも剣を構えてたりするの?」
唐突に部屋に響き渡るシャルの声。
いつもご覧いただきありがとうございまーす。
2日目にはいったよーーーーーっ!
番外編挟もうかと思ったけど、シャルサイドとか挟もうと思ったけど、
特にかくこともないからやめた。
だって、本編でシャルの心のうち駄々洩れだもん。
駄々洩れしてんのに、リオだけが気が付いてないだけだもん。
あえて書く必要ないよね?って思ったんだもん。
っていうか、本編書いてて楽しいので、楽しすぎて、だから、削らないと話が進まないのっ!
ぶっちゃけ、もう2つのシーンを削ってるよ。書いて「やばい、長くなりそう、これ、とりあえずなし無し」みたいなの……。
てなわけで、話は亀の進み方で申し訳ない。
少しずつリオも自信を取り戻すというか、自信満々なタイプにはどうしてもなれないけれど、ぐじぐじ言うよりやることやるタイプにはなっていきま~す。いい人との出会いが人を成長させるね。
さて、2日目に入った記念!(いやまて、ふつう、そんなことを記念しない……と、思うのね……)に今日はもう一話更新します。
2日目に入ったお祝いのお言葉、お待ちしております(だから、何なの、そのお祝い……)




