表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

62/209

62話

 何、なんで怖いの私の方だよ。慣れてない買い取りだから失礼なことしちゃったのかと思ってるのに、なんで店員さんが震えてるの?

「ネース、いや、あはは、お前、もっと頑張れるだろ?銀貨120枚と言わずに、どんと、150枚くらい出すって言えよ、な?」

 店員さんが、ネースさんの背中をバンバンとたたいて後ずさるようにカウンターの奥へと引っ込んでいった。

 ネースさんが頭をぐんっと勢いよく下げる。

「申し訳ありません、さすがに銀貨150枚までは無理で、頑張って、ギリギリで125枚……で……」

 ええ?

「ま、まってください、頑張らなくていいです、あの、その、無理して、今度から買い取れないって言われても困るし、それに、その、買い取り価格は、ギルドだと銀貨80枚になるはずで、銀貨100枚でも十分あの、十分なんで」

 ネースさんが顔をあげた。

「え?えっと、えーっと」

「だから、銀貨120枚も、もらい過ぎですから、あの、銀貨100枚で……あ、でもこれ、僕だけのドロップ品じゃないから、えっと、でもネースさんに無理してもらいたくもないし、じゃ、じゃぁ、あの、銀貨100枚にその、頑張ってもらった分銀貨10枚で、銀貨110枚……で、お願いできないですか?」

 ネースさんがポカーンとして口を開いたままだ。

「ご、ごめんなさい無理なら、えっと、銀貨100枚で」

「いえ、全然無理ではないです、あ、ありがとうございます。あの、すぐお金を用意いたします」

 ネースさんが品物をまとめて持って行き、ものの1分で戻ってきた。

「ご確認ください、リオ様」

 差し出されたお金を数える。

「多いですよ、銀貨120枚あります」

 ネースさんが首を横に振った。

「適正価格です」

「……(本当かなぁ……)」

「無理していません」

「……本当に?あの、これからもギルドで買い取ってもらえないから、ちょこちょこと持ってこようと思っているんですけれど、無理しすぎて続かないと困るので……えっと……」

「武具以外の買い取りはどうするおつもりですか?」

「はい、あの、他のお店にお願いするつもりなんですけれど……」

「でしたら、私が系列のお店をご紹介いたしましょう。ご案内します」

「本当ですか?えっと、そこまでしていただいて」

「いえ。騙されるといけません。というか、騙されます。騙させません。ちゃんと私が、皆に説明させていただきます。ええ、リオ様を敵に回すとどのようなことになるのか、きちんと……説明を……」

 ぼそぼそとネースさんが何かつぶやいている。


ネースがリオの味方に付いた


チャッチャチャーン


信者獲得。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 客を見て商売をしたらいかんよ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ