57話
「その収納鞄ならある程度の量は入るはずだからそのまま持っていて。入らなくなったら、サージスさんが何とかしてくれるわ」
サージスさんの顔を見る。
「いらないものはダンジョンの中で捨てればいい」
ニカッとサージスさんが笑った。
「あれ、何とかなるっていうんですか?」
そんなもったいないことできないです。
私の訴えにハルお姉さんが横を向いた。
「ほら、パーティーの責任者が所有権を放棄するっていうんだから、後々問題にならないわよ、うん……」
ハルお姉さんが視線を合わせてくれない……。
「ああ、違うな。もともとよほどのドロップ品じゃないかぎり拾う気ないから、俺がいらないってものはリオが好きにすればいい」
「何がいるもので何がいらないものなのか教えてください」
サージスさんが私の頭を撫でた。
「お前に任せるよ」
「え?」
「だから、リオに任せた」
サージスさんが問題ないと言い切る。
「ええ?」
「そうだね。リオなら間違っても、金に目がくらんでってこともないだろうし。それでいいんじゃない?」
シャルまでも異論を唱えない。
「ええええ?」
そんな。私に任せるって、だって、私からすれば、銀貨1枚の品だってとても価値があるし、そうすると……やっぱり、全部取っておかないとッてなっちゃうし……。
「ああ、でもボクは親切だからサージスさんが欲しい物を教えといてあげる」
シャルはやっぱり優しい。
「例の、美味しいやつ、あれだけ手元に残れば文句ないんじゃない?」
く、糞ドロップ品だけあればいいっていうの?
「あとは、まぁ高そうなものから順に残してけばいいんじゃない?ギルドでは買い取りしてもらえなくても、街なら買いたたかれるかもしれないけど買ってもらえるだろうから、邪魔なものは売ればいいよ。もう、リオの顔は街でも噂になってるだろうから、よほどのことがないかぎり買いたたかれることもないだろうし」
シャルがにやっと笑った。
「街で?あの、じゃぁ、早速売ってきます!それで、ちゃんとお金を分配しましょう!」
鞄の中にたくさんドロップ品を入れたまま動き回るなんて怖くてできない。
うっかり転んで中身をぶちまけてなくしてしまうかもしれないし。
うっかり鞄をどこかに置き忘れたりなんかしたらって考えると……眠れなくなっちゃうし。
もし、万が一、悪い人が現れて鞄を盗まれそうになっても、私は鞄を守り切る自信もない。
ギルドを飛び出し、街へ向かう。
って、飛び出したはいいんだけれど……。どこで買い取ってもらえるんだろう?武器は武器屋?防具は防具屋?……えーっと、あとは……?
あ、ちょっとそもそも鞄の中、把握しきれてない。
ダンジョンへ向かう森の中に向かう。人目がない場所を見つけて、鞄の中身を取り出して仕分けしていく。
「値段の分かる物なら、買う方も買いやすいよね……傷薬、禿げ薬、ハイポーション、それからこれは防御力をあげる腕輪……模様からすれば効果は防御力10あげるやつ。……あ、これは」
細くて使えないってサージスさんが言ってた剣だ。
ご覧いただきありがとうございます。
感想欄で色々なハズレドロップ品は実は……○○案をお寄せいただきありがとうございます。
何にしようかなーと、楽しくなってきておりますが、メインストーリーが進まないので、ハズレドロップ品を次々に出す!という野望は、ちょっとセーブしつつの更新になりますです。
ふへへへへ。
SNSやブログなどで宣伝してくださるのでしたら、ぜひ
「クソラノベすぎwww」とでも……ご紹介していただければ。
ええ。悪口にはなりませんよね?事実ですもん。という、変な小説目指してます。