53話
「【スキル発動初級鑑定】【スキル発動初級鑑定】【スキル発動初級鑑定】……、ぜ、全部……千年草です……」
立て続けにスキルを発動する言葉を口にする。
そうか。私のスキルジャパニーズアイは発動するとしばらくは効果が続いて、勝手に文字が浮かび上がるけれど、鑑定スキルは1つずつ鑑定したい物1つについ1回発動なんだ。
あれ?とすると、薬草から千年草を見つけるためにどれだけのスキルを使わないといけないんだろう。
いくら便利といっても大変じゃないのかな?スキルなんて使わなくても、見れば違いが分かるのに……。
「すごい、あれで6つだろう?さすがサージス様とシャル様だ」
「だよな。S級冒険者と、S級荷運者と言われるシャル様だ。俺たちがかなうわけないんだよ」
S級荷運者?荷運者には級はなかったと思うけれど……。
もしかして、二つ名としてS級荷運者ってシャルは言われてるのかな?
すごい、かっこいい。さすがシャル。
キラキラした目でシャルを見る。
「リオ、お前があいつらと同じ目でボクを見るとか、馬鹿なの?」
え?なんで?
「ふああああ、すごい、すごい、6つも、6つも……」
ハルお姉さんもほら、感動してるよ?
やぱりシャルとサージスさんはすごいんだよ!
「もういいだろ、十分注目も集まった。このまま1つずつ出しても時間がもったいねぇ」
サージスさんがシャルの頭をポンッと軽くたたく。
「ふっ。そうですね。茶番はそろそろやめにして、本番行きましょうかね。そのために100階層へ足を運んだわけですし」
え?そのために100階層?
千年草を採るために行ったんじゃないの?
というか、茶番?
え?
全然話が分からないです。
「はい、鑑定よろしく」
シャルが鞄から残りの千年草を取り出した。
軽く一山ある。およそ4~50本くらいかな?
「え?え?まさか、これ……」
「全部がてことはないよな……」
先ほどまでざわざわとしていた冒険者たちが息をのみ鎮まり返った。
「【スキル発動初級鑑定】……【スキル発動しょ……」
ただ、鑑定スキル持ちの職員さんの声だけが続く。
「こ、ここまで20本、全部千年草です」
途中震える声で職員がハルお姉さんに伝える。
「な、な、な……それは本当なの?どうして、まさか千年草だけを出すモンスターでも現れたとか?」
ハルお姉さんが信じられないといった顔をこちらに向ける。
「そんな都合のいいモンスターがいればいいけどね、分かるでしょ、そっちの薬草の山を見れば」
シャルがどーんと積みあがった薬草を示す。2階建ての建物くらい高く積みあがった薬草の、山。まさに、山。
「もう、きっちり仕分けして持ってきてくれたっていうこと?でも、あれだけの量を鑑定するには、最低でも一晩ほどかかるんじゃ……そもそもスキル発動回数制限に阻まれてとてもじゃないけれど……何人で行えば……あ」
ハルお姉さんが私の顔を見る。
「リオ……あなたが……」
ご覧いただきありがとうございます。
さて、実はですねー、いろいろと必須キャラクター……今後のストーリーに絡んでくる人が、
何人か登場しております。
「え?この人、必要があって出てきてたんだ?!マジか!ただのモブじゃなくて、必要な脇役だったのか……」みたいなのが、何人か。
さて、誰かな誰かな。ふふふ。
感想ありがとうございます。大変励みになっております。
なかなか返信返せなくてごめんなさい。
それでは引き続きよろしくお願いいたします!
るるるーん。