糞ドロップ品、再び
「あ、そうだ」
鞄から今日のドロップ品を取り出す。
薬草以外の物と念じれば、薬草以外の品がポンポンと出てきた。
仕分けはまだだけれど、シャルがやみくもに拾って放り込んだ物のなかに宝箱もいくつかあったような気がする。
「あった」
3つある。
1つ目は指輪だ。すごい。この模様はたぶん防御力が30は上がるものだ。鑑定結果によってはもっと効果があるかも。金貨1枚はするかも!
次はネックレス。魔法効果を高める系だ。石の大きさからすると中の下といったところだろうか。それでも銀貨30枚は最低でもすると思う。
って、いいものが出てもダメなのだ。
糞、糞、糞宝箱!
パカリと最後の宝箱をあげる。
「出た!」
通称糞と呼ばれるもの。だけれど、味噌と明らかに色が違う。
それに、匂いもなんだか……。
【カレールー(中辛):美味しいカレーが作れる】
カレールーって何?
その横のカッコ、中辛って、中の辛さってこと?美味しいカレーが作れるっていうことは、食べられるってことだよね?
とりあえず行平鍋で煮ているものに、カレールーを1匙入れる。
【薄いカレー】
薄いのか。
もう少し居れればいいのかな。
【カレースープ】
あ、表示が変わった。カレーができるってなってたけれど、カレースープでいいのかな?
コップにカレースープを少し入れて、カレールーをもう少し入れて混ぜてみる。【カレー:ライスやナンと一緒に食べると美味しい】
表示が変わった。
ライスやナン……って、何?
それにしてもすごい匂い。
「うお、なんだ?ずいぶん高価なスパイスの匂いがするな?」
サージスさんとシャルが息の根が止まった鹿とともに目の前に現れた。
「何、この黄色っぽい茶色の、シチュー?スパイスどうしたの?そんなにお金稼げてるとは思えないけど」
はい。稼げてないです。
もしかして、横領とかしたとか思われた?
ううん、違うよね。シャルはきっと私がとっておきを使ってお金がないのに無理してるんじゃないかって心配してくれたんだよね?
「大丈夫です、あの、ドロップ品なので……えーっと、お口に合うかどうか……」
また、通称糞だし。
って、味見してないのを勧めちゃった……。
まず、私が毒味するべきだったよっ!どんな味が分からないんだし。たぶん食べても大丈夫な物ということくらいしかわかってないのに……。
「おう、早速食べていいか?あー、肉はまずはこれ、鹿肉は後な」
渡された肉を焼き始める。
「肉ばかりで満足するのはサージスさんくらいでしょ」
シャルが、鞄の中からパンを取り出して私に差し出す。
シャルの鞄も収納鞄なんだろうなぁ。
時間停止もついてるのかな。まるで焼きたてのふわふわなパンが出てきた。
固い持ち運び用のパンじゃない。
お、い、し、い、よ
信じるのじゃ。ジャパニーズアイを!
と、思った人は、挙手!
中辛にしたのは、激辛だと色が赤くなりそうなのと、甘口だとサージスさんとかなんじゃこりゃって言いそうだから。
応援ありがとうございます!
きっと、みんなが幸せを祈る素敵な世界になるはずです!
らららら~