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43話

「さぁ、ついたぞ、あの扉の奥がボス部屋だ。ボス部屋に入ったら」

 と、サージスさんがボス部屋について説明しようとしたのを制止する。

「本で読んだよ。この階層も他と同じで、ボス部屋ではボス以外のモンスターは出ない。ボスはビッグキングスライムマム。特徴は……」

 ふっとサージスさんが笑って私の頭をなでる。

「そうだった。お前は勉強熱心だったな。行くと決まってから数時間を無駄に過ごすはずないか。ってわけで、部屋に入ったらマムから離れた場所でシャルと二人でおとなしくしてれば何も問題ないからな。行くぞ」

 ダンジョンの中には時々両開きのドアが付いた場所がある。ボス部屋もそうだし、宝箱が設置してある部屋もそうだけれど、罠もある。

 シャルがドアを開いて、サージスさんが勢いよく飛び込んだ。そのあとにシャルに引っ張られるようにしてボス部屋に入る。

 サージスさんがビックキングスライムをさらにでっかくしたマムを光速で切り付けている。

 マムは、再生能力が高く、切り付けてもすぐに傷がふさがってしまうので倒しにくいと書いてあった。サージスさんは回復するよりも早く、同じ場所を何度も切り付けている。そうして、少しずつ傷が深くなり、とうとう核と呼ばれる心臓に当たる部分を傷つけた。

「すご……」

 本当なら仲間と協力しながら、1か所を集中して攻撃するんだよね?連携がうまくいかずに攻撃に間が開くと駄目で、かなり苦戦も覚悟しなければならないと……書いてあったんだけれど……。

 大げさに書いてたのか、サージスさんがすごいのか。

 サージスさんはなんのスキル持ちなんだろう。剣士系かな?戦士系?能力向上系?

「ほい、いっちょあがり。さ、帰るか」

 ジュグッっという今までと違う音が、核を破壊した合図なのか、サージスさんが光速で繰り出していた剣を止めて、鞘にもどした。

 マムを背に、私たちの元へと歩いてくる。

 マムの巨体がゆっくりと崩れ落ちていく。そして、金色に光って消えて行った。

「金だ!すごいドロップ品が!いったいどんな品なの?」

 思わず身を乗り出すと、ロープでつながれたシャルの手をグイッと引いてしまう。

「何?勉強したんじゃないの?」

 シャルがあきれた声を出す。

「ここはハズレボスって呼ばれてる」

「知ってる。倒してもドロップ品が出ないって。でも、今、金色に光ったんだよ?モンスターだって、毎回ドロップ品を出すものとたまにしか出さないものがいるから、きっと、ハズレボスって呼ばれるくらいずっと何もドロップしなかったけれど、今回は運よく100回とか1000回とか何回かに一度のドロップ品が」

 どんなものなのか早く見たくてシャルの手をぐいぐいと引っ張るようにしてサージスさんの方に向かっていく。


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