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「そういえば、シェリーヌ様も、ドロップ品に詳しいけれど自分では鑑定せずに、鑑定スキル持ちにお願いしてるって言ってました」
鑑定スキルがあれば、それを生かした仕事ができる。でも、適したスキルが無くても、適したスキルを持っている人に手伝ってもらってどんな仕事だってできるっていうことなのかな。
スキルがすべてじゃない……。なんだか、ずっと自分が無能スキルしなかいからと思っていて見えなかったことがあったみたい。
黒目になるだけのジャパニーズアイが役に立つって分かって、無能スキルだって思わなくたっていいんだって思えて。
スキルだけがすべてじゃないって。
ふと、ロードグリのフューゴさんを思い出す。上級剣士スキル。すごいスキルだ。
剣士スキル持ちは1000人に1人位はいる。上級剣士スキルとなると、剣士スキル持ちの中でさら10000人に1人と言われる。
つまり、上級剣士スキルを持っている人は、10000000人に1人。百万人に1人しかいないすごいスキルだ。
すごいスキルだけれど。フューゴさんはC級冒険者だった。冒険者としては、中の中。スキルがすべてではない……のかもしれない。
今頃何をしているんだろう。まだほんの数日前に分かれたばかりだから、何も変わっていないかな。
「そう、若いときに詳細な鑑定をお願いしていた人とね、今はこうして店をしているんだよ。実は私の妻でしてね」
声を潜めてセーバスさんが教えてくれる。
「わぁ、素敵ですね!」
「ふふふ。ですね」
「防御力が23しかないけどレアだからこの値段?金貨10枚って、安くならないの?」
シャルがジンギスカン鍋を指さす。確かに、値段は金貨10枚になっている。でも、レア物では普通の値段だよ。コレクターもいるし。寧ろ、世界に一つっていうなら安いよね。
「それがですね、防御力は23しかありませんが、条件補正値が1万あるんですよ」
「え?条件補正値って、女性が身に着けた場合に防御力がプラス100になり、男性が身に着けると防御力がマイナス10になるみたいな?」
「よくご存じですね。防具の中でもビキニアーマーと呼ばれるものがそれですね」
「他にも、雨の日には防御力がプラス100になり、直射日光を長時間浴びていると防御力がどんどん下がってしまうとか」
「ええ、蛙型モンスターのレアドロップ品には天候条件による補正値が付いた物がありますね。ダンジョンの中で直射日光を浴びることはありませんから、雨の日にはとても有効な防具でしょう」
すごいすごい。当たり前なんだけど、セーバスさん何でも知ってる!
「1万って……すごい補正値、それだけの補正値がつけば金貨10枚なんて安すぎる。まさかよほどその条件が厳しいとか?」
ご覧いただきありがとうございます。
コロナのあおりを受け、お外執筆用作品の執筆が滞っております。
(注*家で書く作品と外でしか書けない作品があります。分かる人にはこの感じは分かると思うんですが……作品世界への入り方みたいなのがですね……)
てなわけで、少し更新に間が開きます。あー、とりあえず2週間……スイマセン。
別の作品を書いてるから書けないわけじゃないんです。飲食店を利用するのが怖いんです。単純に。
せっかく、スガキヤのラーメン1年間無料券が当選して、6月1日から利用できるっていうのに、おちおちスガキヤにも行けないっ!むきー!