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「そうよね、陛下に支払ってもらえばいい。そういえば厄災に備えて1000年規模でお金をプールしている国もあるはずよ。コツコツと集めたレアドロップ品……何も厄災だからとサービスする必要もないかしら?ふふ、ふふふ」
なにかつぶやいているけれど、よく聞こえません。それよりも。
「ガルモさんっ!大丈夫ですか?あの、お肉焼けてます、食べますか?」
「ああ、この香りは山椒だな。ありがとうリオ。だが子供たちが心配だから戻るよ。あいつは無事に倒せたと聞いた」
サージスさんが立ち上がり、ガルモさんに手を差し出す。
「ガルモ、お前が蛇の尾を抑えていてくれたおかげで、街への被害も防げた。俺一人じゃどうにもならなかった。感謝する」
ガルモさんが、差し出されたサージスさんの手をぐっと握り締める。
「何を言う。助かったのはおいどんも同じだ。おいどん一人じゃどうにもならなかった。とはいえ、街へ近づかせないようにするのが精いっぱいだったが……」
ガルモさんもまた悔しそうな顔をした。
二人ともすごかったのに。
「僕、たくさんダンジョンに潜って、そして、火属性……ううんそれだけじゃなくて、いろいろな魔法属性の武器や防具を見つけますっ!ガルモさん、鬼には物理攻撃は効かないらしいんです。でも、逆に言えば、魔法なら効くってことでしょう?きっと、火魔法属性の腕輪とか付けたガルモさんのつっぱりなら一撃でやっつけられますよ」
ニコニコと笑って話をすると、同時にいろいろな声が耳に届いた。
「つっぱりって何?」
「リオ、なんで俺は一撃だって言ってくれないんだ」
「まずはサージスやガルモのような冒険者に優先的にアイテムを渡さないと」
「はは、リオの言う通りだな。むしろ弱点が分かりやすくて助かるってことか」
えっと、あれ?何に返事すれば。
つ、つっぱりって、ジャパニーズアイで出た言葉だ。うっかり口にしちゃった。聞こえなかったことにしよう。
サージスさんが泣きそうな顔をしている。
シェリーヌ様は続けて何か考え始めた。
ガルモさんは、大鍋や他の荷物をまとめ始めた。
そうだ。戻るって言っていた。
「じゃぁ、また」
ガルモさんが手を振る。
「はい。いろいろとありがとうございました!」
ぺこりと頭を下げてから、手を振った。
「ガルモさん、強いだけじゃなくて、すごくいいひとでしたね……」
別れるのが寂しくてぼそりとつぶやく。
サージスさんはさらに顔をゆがめた。
「リオ、俺は?俺は?」
ん?サージスさんが何?
「あの、僕だけだと2階層までしか行けないので、サージスさん、深層に連れて行ってくださいね!」
サージスさんがニヤッと笑う。
「ああ、任せとけ。宝探しは冒険者が冒険者出る最大の理由だからな!さぁ、腹もいっぱいになったし、さっそく宝探しに行くか!」
サージスさんが親指をぴっと立てた。
あ、そういえば何も文字が出てないな。もうジャパニーズアイ切れてるかな。
片目をつむる。【スキルジャパニーズアイ発動】
……できることはするって決めた。
役にたつか立たないか分からないけれど、まったく無駄って言うことはないはずだ。
厄災に対して役に立たなくたって、厄災に立ち向かうサージスさんたちにおいしいものを食べてもらうだけでも役に立つよね。
どうも。やっとこさ、無能スキルだと思っていたジャパニーズアイを受け入れ始めましたよ。
さて、般蛇+餓鬼編終了。次回から別展開。
いつもご覧いただきありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。
あ、全然どうでもいい話。前も書いたかな?
ク〇っぽい何かが色々出て来る作品書いてる影響で、本屋とかでう〇こドリルとか見るとつい「!!」って反応するようになrました。
Twitterではすでに写真までアップしたけれど、う〇こドリルのキャラクターのう〇こ先生?のしゃべるぬいぐるみを買ってしまった!
振動で「う〇こ」って渋い声で言うんだよ。
突然「石の上にも三年」とかことわざを言うんだけど、どうしても、頭のなかで
「石の上にもう〇こ」とか「千里の道もう〇こ」とかう〇こことわざに変換しちゃうの……。
本当、小学生男子みたいな脳みそになってきてる……。うううう( ノД`)シクシク…
何?そのしゃべるぬいぐるみ欲しいって?
ちなみに、激しくふるとラップみたいなリズムで「う〇こ、う〇こ、う〇こ……」って言うよ。
……すまん。もう、なんだか、すまん……