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「い、いえ違います。あの、珍しいきのこです。なかなかその、取れないもので、えーっと、は、灰になったあの、シェリーヌ様が灰にしてくださったおかげで、発見できたというか……」
嘘はついてないので問題ない。
「あら?そうなの?珍しいきのこ?肉に見えますけれど?」
シャリーア様がサージさんの前に突き刺してある串に目を止めた。
「細かくして肉にふりかけてあります」
「へぇ。一ついただくわね」
シェリーヌ様が串を1本手に取る。
「「あっ」」
私とサージスさんが同時に声を上げる。
シェリーヌ様にも、アレにしか見えないものを食べさせたと言われ……ああ、罪がどんどん……。
「俺のだ、返せシェリーヌ」
「あら、いいじゃないの。む、な、何、はぁー、食べたことのない味だわ。いえ、味なの?この香りが食欲を……」
うっとりとした表情を見せるシェリーヌ様。
えーっと、ま、満足してくださっているなら、いいかな……いいかな……。ぐす。どうしよう。知られたら、嫌われてしまうよね……。ぐすっ。
「まだ、あるのね?」
肉を食べ終わったシェリーヌ様が火にくべている肉に目を止め足を進める。
「うわー、だめ、だめだ、あれは俺の、俺のだからな、シェリーヌっ!」
サージスさんがスタッと立ち上がり、ジャンプ。あっというまにシェリーヌ様の頭上を飛び越え、肉の前に両手を広げて立ちはだかった。
「いいわよ、肉はあげる」
シェリーヌ様がにこりとほほ笑む。真っ赤な唇が綺麗な弧を描いた。美しい。
「その代わりリオちゃんを私にちょうだい」
シェリーヌ様がぎゅっと私を抱きしめた。
うわー、いい香り。食べ物じゃなくて、花のような甘い香りだ。
「ねぇ、リオちゃん、私においしいお肉を焼いて」
にこりとほほ笑まれ、心臓がバクバクする。
「あの、ご、ごめんなさい」
ぺこりと頭を下げる。それを見てサージスさんがふふんと勝ち誇ったように鼻を鳴らした。
「残念だな、シェリーヌ、お前に食べさせる肉はないってよ、リオは俺のために肉を焼いてくれるんだよなー」
というサージスさんにも頭を下げた。
「ごめんなさいサージスさんにも焼けません」
ガーンという音が聞こえそうなほど激しく動揺するサージスさん。
「えっと、その、もう肉がなくて……」
鹿の食べられそうな部位はすでに焼き尽くした。
サージスさんが残骸となった鹿を見る。
「それに、その、もう味付けに使っためずらしいきのこもなくて……」
ガーン。っていう表情をサージスさんは崩さない。
「あの、山椒なら、少し探せば見つかると思うので、山椒味でよければ……」
私の言葉に、サージスさんの表情がガーンから、犬耳スタイルに変わる【漫画的表現】はい。幻の耳としっぽです。ジャパニーズアイが見せているのです。
「山椒って何のことかしら?」
いつもありがとうございます。
トリュフ1こじゃね、すぐになくなるよね。
……あの辺にもっとあっただろうけれど、シャルに邪魔されて収穫できなかったからね。
ところで、あれ?前に書いたっけかな?
トリュフって日本のその辺の公園とかでも見つかるってよ。
ネットで調べてみて。
情報出て来るから。
でもって、勝手に収穫していいかどうかも公園管理してるところに確認して頂戴ね。私はよくわからないので。(勝手に持って行ったらダメとかなんかで見た気がするんで)
→勉強不足でスイマセン、情報いただきました。
トリュフっぽい毒キノコがあるそうなので、素人判断で探して食べちゃダメ!だそうです。
私の見た記事でもちゃんと専門家と一緒に採取に行っていましたが、その点は書かれていなかったのでお気を付けください。