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うわっ!
サージスさんが素早く起き上がると、私の手から肉の串を奪い取ると、大きな口で2口3口で平らげた。
「なんだ、これ、うまい、うまい、うまい!」
なんだこれと言われてはっと気が付く。
黒トリュフというきのこを使っているんですが……あー、また味見せずに渡してしまった。
サージスさんが実験台みたいになっちゃった。ううう、やばい。やばい。あれっぽい見た目の黒トリュフ……。
「ああー。なんだろう。肉しか食べてないはずなのに、肉の脂とは違う野菜の甘味を感じるような。そんなはずはないんだが、香りがそう思わせるのか。コクがある。濃厚な味わいになっている」
サージスさんのやつれた顔が、みるみるつやつやしてきた。
すごい、黒トリュフなんかすごいよ。
ポーションみたいに回復効果があったりして(注*ない、単にサージスさんだからだ)。
「おかわり!リオ、お代わりをくれっ!」
ばーんと食べ終わった串を差し出すサージスさん。
「はい」
慌てて焼けた肉を手にサージスさんのもとに戻る。
1本手渡し、4本地面に突き刺しておく。
それから、小さめの肉を一つ。
味見をしないと。私も、食べます。サージスさんだけにあの見た目の食べさせたわけじゃないって言わないと……。
サージスさががつっと肉にかぶりつくのと同時に、肉を口に含む。
ふわぁーっと、鼻からうま味が抜ける感覚。
黒トリュフは辛いわけでも苦いわけでも甘いわけでもない。どんな味かと言われると、答え方が分からないけれど……。
香りが、サージスさんの言うように、香りが肉のうま味を引き立てている。熟成された肉のような、野菜のうま味をしみこませたような、不思議と奥深い味を感じる。
おいしい。
香りが、美味しい。ほんのひと振りしただけなのに、肉に塩しかないのに、ごちそうを食べているようなこの満足感。
さすが、最高級きのこ。
【黒トリュフ:発見しずらく、入手困難。それゆえ値もはる】
え?入手困難?
確かに、なんか、地面に埋もれるようにして生えていたというか転がっていたというか……。
焼きつくされた地面だったから見つけられたけれど、確かに下草が生えてたら分からないし、落ち葉に隠れていたら分からない?
それとも、そもそも珍しい?
地面を見渡してみる。
ジャパニーズアイの文字は自然薯だとか山椒だとか文字でその存在を教えてくれた。今まで黒トリュフと見たことはなかったし、このあたりにもない。あー、やっぱり発見も難しいっていうより、生えてる場所がそんなにないってことか……。
「うまいっ!なぁ、リオ、これ何を使ったんだ?なぁ?またなんか珍しいドロップ品か?」
しゅびーんと、赤いワンピースのすそをなびかせてシェリーヌ様が飛んできた。
「何?珍しいドロップ品ですって?」
あ、やばい。やばい。
えっと、味噌のこととか根掘り葉掘り聞かれるとヤバイ。
うわーっ!3月が終わった。
4月になった。
うわー、更新予約してない!
うわー、うわー、なんかわかんないけど、うわー、ってなってる。
(´・ω・`)……落ち着け、自分。
さて。あ、あと数話ストックはあるのです。予約してないのです。
そんでもって、3月半ばくらいから全然どの作品も手を付けてない。
ストック消費状態。あ、唯一書いたのは、ハズポだ。久しぶりに更新したんだ。
なんか、バタバタしてます。うぎゅー。
小説じゃない私生活の方ね。バタバタしてるの。
私も、こう見えても(見えないけど)小説だけ書いて生きてるわけじゃないので。