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「リオはさ、ドロップ品馬鹿だから、荷運者やめてシェリーヌんとこで働けばいいよ」

 なんで、なんで、そんなこと言うの。

 シェリーヌさんがこの子ちょうだいって言った時に、大事だから駄目だって言ってくれたのに。

「シャル……や……だ……」

 ドロップ品馬鹿、きっとそれはシャルが私を褒めてくれてる言葉。

 私を最大限に認めてくれてるって証。

 無能スキルしかないんじゃない。

 私にはドロップ品に少しは詳しいっていう能力があるって……自信を持てって最後に言ってくれて……。

 あ!

 ドロップ品!

「シャルっ、僕、ドロップ品にはちょっと詳しいっ!ねぇ、そうでしょ?僕を認めてくれてるんでしょ?」

 はっと気が付きシャルのポケットに手を突っ込む。

 あった。

「何を?リオ?」

「これ使ってないよね?」

 シャルのポケットからドロップ品のボタンを取り出しシャルに見せる。

「準備が整ったわ。スキル発動まであと5秒」

 シャルが般蛇に触れるために走り出す。

 その手を、私はつかんで一緒に走り出した。

「リオ」

「僕は、いつもシャルのことは信じてる。だから、シャルも私のことを信じてっ!」

 シャルと私の手にはさまれる形で、ドロップ品の小さなボタンは握られている。

 触れればドロップ品の効果が出るはずだ。腕輪の宝石に触れて会話するように。

「馬鹿、リオ……」

 シャルの目から涙が一筋流れるのが見える。

「5,4,3――」

 シェリーヌさんのカウントが聞こえる。

 手を伸ばせば届くところに般蛇の蛇の胴体がある。

 私の手を振り払おうとするシャルの手をさらに強く握り、腰に抱き着いた。

 ぱっと、いつものように視界が切り替わる。

 高い場所にいた。

 いくつか先の山の上に突き出ていた木の上だ。遠くに王都がかすんで見える。

 もう、シェリーヌさんのカウントは聞こえないけれど、ぱぁっととても目を開いていられないような閃光がはしったことで、シェリーヌさんのスキルが発動したことが分かった。

 頭上に大きな渦巻く炎が現れる。

「スキルを1回多く使えるボタン……。信じて、飛んで……」

 炎に包まれる前に、シャルの耳元で囁く。

 ドロップ品馬鹿の私が言うんだから。

 鑑定スキルが無いから信じられないかもしれないけど。見間違いじゃないはずなんだ。

「リオ、馬鹿……」

 背後で爆音とともに、真っ赤な炎の竜巻が般蛇を包み込んでいた。

「うわー、シェリーヌさんのスキルすごい……」

 これは確かに、山1つくらい消し飛ぶ……。

「何言ってんの、リオ、馬鹿なの?ねぇ、馬鹿だよね?スキルが1回増えるボタンって、あー、確かに渡されてたの忘れてた僕も悪いけど、もっと早く思い出して伝えてくれれば」

 ぶにぃーと、シャルに鼻をつままれた。

「ご、ごめんにゃさ……」

 シャルがぎゅっと私を抱きしめる。

 その腕は小刻みに震えていた。


ども。

何人がこのアイテムのこと覚えてたのかしらね?

すごいよね。あの時に伏線入れてたんだと思った人は手をあげてください。


……いえ、あの時は何も考えずに適当にアイテムの性能を考えて出しただけです。

それを、うまいこと使っただけです。

プロット立てないわりに、なんか上手にアイテム使うよね。

あ、もちろん、伏線やフラグとして一生懸命コツコツ書き入れてるものもあります。

というわけで、シャルは退場とはなりませんでした。

(*'ω'*)あっはー。そうだと思ったよと思いましたよね。


引き続きよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] すっかり忘れてたけど、せっかくだからこの赤いボタンを推すぜ!
[一言] とまとさん!大好き〜〜!! もちろん、しっかり…すっかり…忘れてました…… m(__)m
[一言] (; ´ ▽ ` )へ あ、あの時は確かにシャルの能力に使うんだろうなとは思っていましたが、今回までは覚えていませんでした(ーー;) と言うかあんなチマッと紹介しておいて、その後一切出…
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