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15話

 お金……。

 まさか、思いもよらない金額が手に入ってしまった。

 フューゴさんありがとうございます。

 10分の1だと思っていたら、のこりの10分の1を貯めていてくれたなんて、本当に親切だなぁ。

 巾着に入ったお金を見る。

 あれ?それにしても、少し多すぎない?

 そういえば、ハルお姉さんが計算してくれたんだけど、どういう計算だったのかな?4人で頭割りで計算したの?

 ……あれ?これ、もしかして、僕が運んだ分のほかに、マイルズ君とかパーティーのメンバーが運んだ分まで計算されてない?どうしよう……。

 もらい過ぎだよ。

 返さないと。でも、手元にお金持っていると、使い過ぎて返せなくなったりしたら……どうしよう。とりあえず、お父さんとお母さんに送金したら、お金は……。

 背中に背負っている収納鞄を思い出す。

「そうだ、物に替えておけば、お金を間違えて使い過ぎることはないよ。役に立つものにしておいて、返す段階で売るか、品物を渡すかすれば……」

 簡単にお金を数えて覚えている限りで計算しなおす。

 なんと、余分なお金は金貨2枚!どうしよう!大金だ!

 よかった気が付いて。

 まずは家に送金手続き。冒険者ギルドの隣の商業ギルドで手続き。お金も預かってくれればいいんだけれど、本人が死んじゃうと預けたお金は家族や知人でも引き出せなくなるんだよね。だから、フューゴさんに返すべきお金を預けておくわけにはいかないんだ。あ、そうだ。私が死んだら身に着けている品物はフューゴさんに。お金は家族にって遺言をギルドカードに書いておいた方がいいよね。

「うわぁー、何を買おう」

 金貨2枚なんて大金で買い物をしたことがない。

 冒険者じゃないから、武器や防具もそろえたことがなかった。まぁ、お金もなかったんだけれど。

 荷運者とはいえ、戦闘能力がある者の方が重宝がられるのは知ってるんだけれど。

 荷物を持ったうえで戦うことなんてただでさえ非力な私にはできそうにない。せめて邪魔にならないように自分の身は自分で守るというのが得策……とすると、武器じゃなくて防具にして持ち歩こうかな。

 と、防具屋へ足を運ぶ。

 立派な構えの店に入ると、体の大きな冒険者たちが店主から話を聞きながら防具を選んでいる。

「いらっしゃい、何をお探しで?」

 店員の一人が店に入ってきた私に声をかけてきた。20代半ばの細身の店員だ。

「あの、よくわからないんですけど、軽くて動きやすくて邪魔にならない、何か防具を……」

 店員がちょっと顔をひきつらせた。


いつもありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 被覆面積が小さいほど(肌の露出面積が大きいほど)防御力が増大するという「ビキニアーマー」!(笑) スキルじゃない天性として瞬間記憶・絶対記憶(基本的には映像記憶らしいですね)という超絶能…
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