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「お腹すいてるんでしょう?」
『がるるるるる』
ゆっくりと、何かを探すように木々の間から出てくる餓鬼。
厄災なの?鬼が……?それとも、もうすでにどこかで厄災……不作が続いて人がたくさん飢えてなくなっているの?
それで、餓鬼になっちゃったてるの?
「食べていいよ」
差し出した器。
【ちゃんこ】
という表示が代わる。
【施餓鬼】
意味は分からないけれど、なんで表示が代わったんだろう?中身はずっと同じちゃんこ鍋なのに。
……でもまぁ、シャルとかサージスさんに表示される文字もいろいろ変わるから、それと一緒?
ふっと器が軽くなり驚いてみると中身が空になっていた。
「あれ?もしかして、離れていても食べられるの?」
原因は餓鬼だろうと顔を上げる。
ふと、笑ったような気がする。
「あの、もっと食べる?お代わり持ってくるね」
と、慌てて鍋から器にちゃんこをよそって戻ると、すでに餓鬼の姿はなかった。
あれ?1杯で満足したのかな?
……それとも……。
ずっと何も食べられなかったから、急にはたくさん食べられないのかな。……急にたくさん食べたら逆に体に悪いんだっけ?
あれ、ちゃんこ鍋って……お腹大丈夫かな?野菜と温かい汁……うん、大丈夫。肉より胃に優しそうだ。
ガサリと、先ほどの餓鬼が現れた場所に、別の餓鬼が現れた。
別のだと分かったのは、今度の餓鬼は、背丈が低い。
子供のころに亡くなって餓鬼になってしまったのだろうか。
胸の奥がずきんと激しく痛む。
「お腹が空いて辛かったね……。これでよければ食べて」
【施餓鬼】
あ。
よく見れば、10歳くらいの背丈の餓鬼の後ろに、もっと幼い餓鬼が何人かいた。
兄弟だったのかな。
実家の弟たちの姿を思い浮かべる。
「みんな食べて!すぐに準備するよ。あ、でも熱いから気を付けて食べるんだよ」
木の実の器にちゃんこをついで、地面に置く。
そこが丸いため、少し地面に埋め込むようにして安定させて置いていく。
「好きなだけ食べて」
5つ、10……と、地面に並べていくと、次々と空になっていく。
ふえ、早い!サージスさん以上に食べるの皆早いよっ!
顔を上げると、子供の餓鬼の後ろにも餓鬼がたくさんいた。
……えーっと、足りるかな?
木の実の器を先に地面に並べていく。ちょこっと地面に押し付ければ丸くても転がらない。
そこに、雪平鍋で、大鍋のちゃんこを救って、どんどんと入れていく。
「あれ?消えない?」
新しく準備したちゃんこは消えなかった。
もう、餓鬼はいなくなった?
顔を上げるとがるるると唸りながらこちらへと進んでくる餓鬼の姿が見える。
ご覧いただきありがとうございます。
予約投稿に切り替わり1週間がたちましたが、いかがお過ごしでしょうか。
……作者だけ孤独感に見舞われているのかな。
感想楽しみにしております!
さて、今日の夕飯は麻婆豆腐です。
そそう、麻婆豆腐にひき肉入れるんですけど、何使ってます?
うちは、鶏が多いです。
今日は、でも、豚ひき肉が半額だったんで、豚入れて麻婆豆腐作りました。
うーん。豆腐は、出てこないかな、ジャパニーズアイ。
胡麻豆腐ならワンチャン?
いやいや、麻婆豆腐作れないからそれじゃぁ……