103話
肉をつぶす?もうわかんないから、肉もショウガも細かく切って、混ぜて丸めよう。それ以上のことはできない。
肉をすごく細かく切ってショウガと混ぜると、粘り気が出てきた。
「ああ、これなら団子の形になりそう。でもちょっと柔らかいから、崩れる、すぐに鍋に入れてみる?鍋の中でボロボロになる?」
試しに1つ入れると、熱湯に入れられた鶏肉団子の表面が白く変色し、団子の形状を保ったまま鍋の中で踊りだした。
「そうか、火が通ると肉は固くなるし、それで団子の状態をキープできるんだ。よしよし」
肉団子を次々に鍋の中に落としていく。
「うまそうだな」
ガルモさんが鍋を覗き込んだ。
うまそうに見えるんだ。ならよかった。ハズレドロップ品を使うとは思われてなさそう……。
「ああ、鍋はあるが、皿がねぇな。ああ、あの辺の木の実を半分に割れば器代わりになるか。ちょっと取って来るが、大丈夫か?」
「前にも言いましたけれど、いざとなればこれで」
と、通信できる腕輪を見せる。
「じゃぁ、ちょっと取って来るな。ああ、肉はまだ血抜きが終わってない、もう少しかかる」
「はい、気を付けて行ってください」
よく考えたら、ガルモさんにすっかり手伝わせちゃってるよね……いい人だなぁ。
そうだ、ガルモさんに美味しく食べて欲しいし、合わせ味噌……で作ったちゃんこ鍋輾転ちゃんと味見してから食べてもらわないと。
収納鞄にぶら下げたいつものカップに……あれ。
いつもなら、雪平鍋を傾ければ中身を入れることはできたんだけど、ガルモさんから借りてる鍋は、両手で輪っかを作るよりも大きなサイズの鍋だ。
鍋を持ち上げて傾けて中身を移すなんてできない……となると。
カップを洗って、カップでそのまま鍋の中身を救いあげる。
あー、器に移すのも、こうしてカップ使った方がよさそうかな。
少しの汁とそれから謎のショウガを使った肉団子。
まずは汁を飲む。
「あ、おいしい……赤だし味噌よりも少し甘い。いや、しょっぱい系の味なんだけど、不思議と甘い……」
それから肉団子を口にいれた。
「え……?」
肉なのにふわふわしている。一度細かく切ったからだろうか。口の中でほどけていく感じだ。それに、ショウガ……の風味が。すっきりとしていて肉の臭みを消して肉のうまみを引き出している。
「すごく、美味しい」
今度は口に肉団子を残したまま汁も口に入れる。
合う。
合うとしか言いようがない。肉に合わせ味噌のしょっぱさと甘味とが絡んで、なんて美味しいんだろう。
これなら、ガルモさんも満足してくれると思う。……ばれなきゃ。
ドォーンという音が聞こえてきた。
ガルモさんが向かった先で木が揺れているのが見えた。
【突っ張り】
また出た。
でもあの揺れてる木が、ガルモさんが揺らしているというのが分かった。そういえば器になる木の実をって言ってたから、木を揺らして落としてるってことだよね。
ガサリと、ガルモさんが向かった森とは反対側の木が揺れる音がして振り返る。
ところで、タイトルの数字……
あれですね、ゴロ合わせとかしちゃうのはジャパニーズアイ。
103だとなんとゴロ合わせしますか?
とみ
ひまさ
あいます
……これ、得意な世代っているよね。
さて。えーっと、ノベルズムってば相変わらず動きが無くてやる気がなくなるので、ちょっとばかりあとがきに「ハルお姉さん小話」https://novelism.jp/novel/mwDIb1pHT_SgJCjvuWOBag/ 39話から入れてみた。本編とは全然影響ないから見ても見なくても関係ないです。暇つぶしが欲しい方はよろしければどうぞ。本当に短い小話です。
味噌と言えば、寒くなってくると、名古屋では暖かい味噌関係が本領発揮です。
味噌おでん!
味噌おでんって、味噌をかける系と、味噌で煮込む系の二系統あるんですよ。
コンビニではほとんど味噌掛ける系……なのは味噌じゃないのも食べる人用ですよね。
ところが、一部ファミリーマートでは「当店オリジナルおでん」として、味噌で煮込む系のも作ってるとこもあるみたいで。
煮込む系で私の中で絶品だったのは、もう今はないんですけど「駄菓子屋のおでん」
継ぎ足し継ぎ足し、七輪の上でずーっと長年味噌おでん。
なんていうのか、これ、再現不能!って味で、すごくおいしかった想い出。
今はもう、駄菓子屋も少なくなってるし、おでんとか置いてある駄菓子屋なんて存在してないかもしれないですね……お好み焼きや焼きそばもあったなぁ。
あと、瓶のジュース。
懐かしや……。
ん?駄菓子……
麩菓子も、ハズレドロップ品になりませんかね?伝わるかな、黒糖?かなんかのあれ……ほら、見た目がハズレっぽいやつ