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9.もう一つの日本


 嬉しいことに、俺を発見したジュライさんが正式に後見人になってくれて、そのおかげか様々な物事がとんとん拍子に進んだ。

 あれよあれよという間に手続きが終了し、俺は無事に冒険者として認められ、ついでにシンジュク地区にある冒険者向けのアパートの一室を借りることが出来た。


 冒険者の支援とロストチャイルドの支援と合わせて格安の家賃だが、一人暮らしをするには快適すぎるほどの物件だ。

 ちなみに同じ建物の別の階には、ジュライさんもいる。


 召喚前は言わずもがな、勇者時代もなんだかんだで生活面では召喚された国におんぶにだっこだったので、一人暮らしをするに当たって最初から知り合いがいるのは正直助かるところだ。


 生活に慣れながら、少しずつこの世界についての情報を集めた。

 まず、ここはどうやら、ダンジョンのことを抜きにしても、俺が元いた世界とは別の世界らしい。


 俺の名前や両親の名前、それから俺が通っていた学校でネットを検索したが、全くヒットしなかったのだ。


(この世界にダンジョンが出来たのは、十年前。だけどそれ以前から、俺のいた日本とは違う分岐をたどった並行世界、って解釈すればいいのかね)


 地名や駅名くらいの大きな部分ではあまり違いはないようなのだが、それよりもう少し細かい部分、流行っていた歌やゲームの名前、などになると、わずかに元の世界と差異があるようなのだ。


 おかげで知らない漫画が読めて面白かったけれど、逆に続きが気になる漫画がもう二度と読めないと考えると、やっぱり元の世界に戻らなきゃ、という気分にはなる。


(ただ、パラドックスみたいなものが起きないってのはいいことなのかもな)


 最悪、この世界にも俺がいて、家族と平和に暮らしていたらどうしよう、なんて心配もしていたのだが、それは杞憂だったらしい。

 ならばもう、やるべきことはシンプルだ。


 ロストチャイルドに対する援助だって、無限にある訳じゃない。

 まずは冒険者として身を立てて、生活基盤を固める。


 それからレベルを上げて、余裕があったら元の世界に戻れるような手がかりを見つける。

 これで行こう。


 そうして、あっという間に二週間の時が過ぎ、いよいよ俺の冒険者としての活動が始まった。

次回から新章突入です!

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