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72.安全と冒険

レス番自動振り分け、あのあとChatGptくんに色々聞いて実現しました!


最終的にはjavascriptでサクラエディタ用のマクロ作って、

「選択範囲内の行頭に『[数字] :』があった場合、[数字]部分を任意の連番数字に振り直す」

ってところに落ち着きましたが、これで次回以降は楽出来るはず!


「――風流フールさーん!」


 俺の名前を呼ぶ声に顔をあげると、そこには久しぶりに見た朔の笑顔があった。



 ――彼女の名前は、宇津木うづき さく



 いつも俺を支えてくれているパーティメンバーにして、探索者界隈全てを覗いても、彼女の右に出る者はいないであろうという、凄腕の「すごいです係」。


「な、なんだか、久しぶりだとちょっと照れちゃいますね」

「そう、だな」


 彼女と会うのは、実に一週間ぶり。

 それまでは毎日一回、朔と一緒にダンジョンを制覇していたことを考えると、たった七日会わないだけでどこか不思議な感じがした。


 俺たちがしばらくダンジョン探索を休んでいたのには、理由がある。


 まず、朔が通っている冒険者学校に〈冒険者技能考査〉という試験があったから。

 あとはその、うん。


 なぜか、「突如として複数のダンジョンが凍りつく」という不幸な事故が、ちょうど俺たちが探索する予定だったダンジョンの付近で起こったせいで、活動を自粛せざるを得なかったのだ。


(ま、まあ。そろそろほとぼりも冷めたよな?)


 ただ、今はもう近くのダンジョン封鎖も解け、事件自体も「突発的なダンジョンの異常現象」という結論で騒動も終息に向かっている。


 今なら、俺たちが協会に向かっても犯人だとバレ……いや、事件に巻き込まれる危険はないはずだ。


「お、おじゃましまーす」


 意味もなく小声でそうつぶやきながら、冒険者協会の近代的な内装の建物に足を踏み入れる。


 それからちらり、と受付を窺うと、そこに座っていたのはいつもの受付嬢さんではなかった。

 なんとなくホッとして朔の方を見ると、彼女も俺と全く同じ表情をしていた。


 くすり、と笑い合って、さっきよりも大胆な足取りで俺たちは受付に向かった。


 今日の目的は、協会が出している「依頼」だ。


 一週間時間を置いたとはいえ、まだ「ダンジョン丸ごと氷漬け事件」の影響は色濃い。

 ダンジョンの探索は行いたいけれど、あまり目立つようなことは慎みたいというのが二人の共通の認識だった。


 ただ、それで格下のダンジョンを回るだけでは、流石に芸がなさすぎる。

 そこで目を付けたのが、協会の「依頼」だ。


 よくある中世ファンタジーもののように、あからさまな冒険者ギルドや、民間のクエストみたいなものはないが、ダンジョン協会に相談するとちょっとした「仕事」を割り振ってくれるシステム自体はあるらしい。


 ならばダメで元々と、俺たちはダンジョン協会前に待ち合わせ、協会の仕事がないかを尋ねることにしたのだった。


「冒険者協会、シンジュク支部へようこそ! 本日はどういったご用件ですか?」


 俺たちが受付の前まで来ると、初めて見るその受付嬢さんは、愛想よく口を開いた。


「実は……」


 それにちょっと気後れしながらも、俺たちは今日の用件を話して……。



 ※ ※ ※



「――わたしは、反対です」


 手にした依頼票を前に、朔は、はっきりと首を横に振った。


 いつだって俺の味方をして、どんな時も親身になってくれていた彼女が、今回ばかりは俺を止めようとしていた。



《――だったら、お二人にちょうどいい依頼がありますよ》



 俺たちの応対をしてくれた受付嬢さんは、俺たちがBランクの冒険者だということにひとしきり驚いたあと、一つの依頼を提示してきた。


 俺としてはすっかり受けるつもりで依頼票を受け取ってしまったのだが、そこで朔から待ったがかかったのだ。


「風流さんのすごさは、わたしが一番よく分かってます。でも……いえ、だからこそ、止めさせてもらいます!」


 いつも笑顔の彼女は、けれど今ばかりはこわばった顔で、必死に俺に訴えかける。


「だって……。だってこれは、いくらなんでも無謀すぎます!」

「朔……」


 その表情に、心を動かされる。

 朔が言っていることも、確かに理解は出来た。


「……無謀なのは、分かってるよ」

「だったら!!」


 でも……。



「――挑戦、したいんだ」



 俺の言葉に、朔は息を飲む。


 ……俺だって、自分がバカなことをしようとしているのは分かっている。

 これが、あえて火中の栗を拾うような暴挙だということも、自覚している。


(それでも……!)


 今まで出来なかったこと、やれなかったことに、挑戦する。

 それが「冒険者」だと思うから。


 だから!!


「俺は、今度こそ――」


 決意と共に、俺が握りしめた依頼票。

 そこには……。




「――索敵魔法で魔物を殺さずに、調査をしてみせる!!」




 大きな文字で「Dランクダンジョン生態調査」と書かれていた。

Dランクモンスター VS 絶対魔物殺す索敵魔法

ファイッ!!






皆さんにだけこっそり教えますが、これ実は十四話ぶりの主人公視点です!!

いや脱線しすぎィ!

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成長率底辺のゲームキャラになった主人公が、裏技を使って英雄になっていく話です
主人公じゃない!

書籍二巻、コミック二巻ともに発売中!
二巻
― 新着の感想 ―
おいおい鬼門に自ら飛び込むとはコイツ漢だな。
[一言] 全部倒して「魔物は一匹たりとも居りませんでした!」と言う他に出来る事はないだろう?
[一言] スレッドが一番つまらない作者は楽だよねストーリーに1番無駄 87話中スレッド回約1割無駄無駄無駄作品をつまらなくしている物
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