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58.勝負の行方

グラボ3070にしたから調子に乗って画質上げまくってレイトレーシングまで付けてバイ〇やったら、画面ガックガクになってゲームにならなくなったので更新再開です!

 電光掲示板に映る無慈悲な「0」の数字に、俺はガックリと膝を落とした。


(――速すぎた、のか)


 俺の全力の一撃は確かに的を破壊したのだから、どんなに低くても「0」点はありえない。

 だが、おそらくは的がダメージを検知する前に、ダメージを計測する仕組み自体が壊れてしまったのだろう。


 ……策士、策に溺れる。

 速度を求めすぎたゆえの失敗だった。


 これなら普通に撃てばよかった、というネガティブな思考が一瞬だけ頭をよぎるが、それも結果論だ。

 それに、単純に的を壊しただけでは月の「99999」点を超える見込みはなかっただろう。


 つまり……。



「――俺の、負けだ」



 悔しさの中にも、すがすがしさの残る気持ちで俺は宣言した。

 のだが、


「い、いや、いやいやいやいや! 何勝手に終わった感じ出しているんですか! 何もかもおかしいじゃないですか今の!!」


 そこで、なぜか勝利者の方から物言いが入る。

 負けた俺よりも混乱している様子の月は、さっきまでの余裕の表情が嘘のように取り乱していた。


「え、というかもしかして、引き分け狙ってたんじゃなくてまさか勝つつもりだったんですか? 私、的を完全に壊して最大ダメージ出しましたよね?」


 どうやったって勝てないじゃないですか、と視線で訴えてくる月に、首を振る。


「いや、的の時間を止めてその間に最大ダメージ以上の魔法を叩き込めば勝てるかなって」

「????」


 俺の言葉に、ちょっと何言ってるか分からないですね、という顔をする月。

 ま、まあ口に出すとなんかちょっと変なことを言っているようにも聞こえてしまうが、筋道立てて考えれば極普通の思考なのだと主張しておきたい。


 だがそこで、ハッと何かに気付いたかのように、月は目を見開いた。

 そして、声を潜めるようにして尋ねてくる。


「時間を止める、って、まさか、今のは時空魔法ってことですか? それならAランクモンスターを倒せることにも納得が……」

「いや、ただの氷魔法だけど」

「????」


 ふたたび、何言ってんだこいつ、という顔をする月。

 しばらくその顔でフリーズしていたが、我に返るとさっき以上の剣幕で俺に詰め寄ってきた。


「おかしいでしょ! なんで氷魔法で時間が止められるんですか!」

「それは……〈氷神覚醒〉ってそういうものだから、としか」

「なる、ほど? つまりその〈氷神覚醒〉というのは時間を止める強力な単体魔法を使えるようになるスキル……と?」

「いや、好きな氷魔法を撃てるスキルって感じかな」

「????」


 俺の言葉に、こいつほんとに同じ人類かな、という顔をする月。

 薄々勘づいてはいたが、もしかすると俺と月は若干価値観がズレているのかもしれない。


「そもそも詠唱がなかったような……。それに、あんな威力の魔法なのに発動が早すぎ……」


 とかそれからもブツブツとつぶやいているのを聞いて、俺は焦って口を開いた。


「と、とにかく! 俺の負けだよ、負け! やっぱりA級冒険者は格が違った」


 これ以上は不毛だろう。

 俺は説明をあきらめ、とりあえずこの場を収めようとそう言い切ったのだが、



「――そんなの、認められません!!」



 なぜか勝ったはずの月の方が、激昂して叫んだ。


「そ、そんなこと言われてもな。実際負けたのは俺だし」

「いいえ! 私にだってプライドくらいあります! あんなにあっさりと的を破壊されて、それで勝ちなどと言われても納得出来ません! 貴方の魔法の方が威力があったのは明らかなのだから、勝負は貴方の勝ちです!」


 飄々としているようでいて、彼女はやっぱり根っこの部分ではまっすぐというか、熱い人間らしい。

 あくまで自分が負けたと言い張る彼女に、諭すように言う。


「だけど、『魔法決闘は掲示板に表示された数字の大きさで競う』って事前に言ってただろ。だったら魔法の威力がどうあれ、勝負としてはそっちの勝ちってのは揺らがないはずだ」

「そ、それは……」


 グッと言葉に詰まった月は、だがそこで何かに気付いたように、「にやぁ~」といやらしく唇を歪めた。


「ふ、ふふふ。い、いいんですか? 私がほんとーに勝ちを認めてしまったら、パーティ募集は取り下げ! つまり、貴方はぼっち確定です!! それが嫌だったら素直に自分の勝ちを認めて……」

「いや、あのさ」


 勝ちを認めるってなんだよ、と思いながらも、自慢げにしゃべり続ける月を制して俺は口をはさむ。




「――そもそも俺、もうパーティメンバー見つけてるんだけど」

「……へ?」




 すると、あまりに予想外の言葉を聞いたとばかりに月は、今日一番の間抜け面でぽかーんと口を開けたのだった。

人の話を聞かなかったものの末路!



次回、第∞話

「エターナル! 俺たちの冒険はまだ始まったばかりだ!」

を、お楽しみに!





いえ、ここから連休中は毎日更新する予定ではあるんですが、エタ回避率を上げるためにまたここらで感想とか評価とか投げつけてもらえると嬉しいです!

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成長率底辺のゲームキャラになった主人公が、裏技を使って英雄になっていく話です
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― 新着の感想 ―
あー普通に時間を停めたほうだったかー。
[良い点] エタらないなんて、すごいです!
[一言] あのAランクモンスターを一撃で倒す氷結さんに決闘で勝つなんてすごいです! だったらAランクダンジョンなんて一人で楽勝ですよね! 行ってらっしゃい!
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