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21.上位種の爪痕

今度こそ第三章クライマックスなので、連続投稿です!


(……ええと、つまり、こういうことか)


 確かに、この初心者ダンジョンには乱入モンスターであるゴブリンキングが出現していた。


 大抵の乱入モンスターは、ダンジョンに出現する魔物のせいぜい一個上の等級のものがほとんどだから、明らかに二回り以上強いモンスターが出てきた今回のケースは、レア中のレア、と言えるようなものだったのだろう。

 実際、お供である大量のホブゴブリンを引き連れていたことも思うと、初心者ダンジョンの難易度を数倍、下手をすると数十倍にも引き上げていたことは想像に難くない。


 ……ただし。


 そのゴブリンキングもホブゴブリンたちも、俺が入り口で放った氷魔法の巻き添えで、一匹残らず殺されてしまっていたらしい。


「か、考えてみたら、ダンジョンのモンスターは全滅したって通知があったんだよな。そりゃ、ゴブリンキングがいたって死んでるか。は、はは、ははははは……」


 上滑りした俺の言葉は空しくダンジョンの壁に反響する。


 頼りになるはずの相方は、もう何も言ってはくれない。

 どうやら、先の緊張状態に加えて、ゴブリンキングの首級を見たことで、完全にジュンの精神は限界を迎えてしまったらしい。


 ダンジョンの端で体育座りをしたジュンは、一言。



「――もうヤダ。おうちかえうぅ」



 とつぶやいたのだった。

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