2.日本
第一話、どうだったでしょうか
ここから気合いを入れて連続更新する予定なので感想などよろしくお願いします!
喧騒に、目を開く。
まぶたの間から覗いた、ネクストマーチではありえない光景に、俺は思わずこぶしを握りしめていた。
(帰ってきた! 俺は日本に帰ってきたんだ!!)
本当に、つらい日々だった。
意味も分からず、納得も出来ないまま、過酷な訓練に身を投じ。
一端の力を手に入れてからは、ただただ魔族を殺し、魔王を倒すために戦い続けてきた。
――それも全て、この瞬間のため。
異世界に行ってからの二年間。
この日のことだけを思って過酷な日々に耐え抜いてきたのだ。
(ああ、本当に懐かしい……)
異世界のものとは全く違う、アスファルトで作られた無機質な道路。
窮屈なほどに密集した建物に、天高くそびえる半壊したビル群。
それから壊れたビルの隙間から立ち上る煙……。
(……って、ビルから煙!?)
何かがおかしい。
いや、何もかもがおかしい。
異様に赤い空。
家の中のはずなのに、妙に風通しのいい空間だってそうだ。
(ここは、本当に……)
しかし、俺の思考を妨げるように、背後からぬうっと巨大な影が差した。
嫌な予感を感じて、振り返る。
「……は?」
口から、間抜けな声が漏れた。
振り向いた先にいたのは、現代日本には絶対にいない、いてはならないはずの存在。
「巨人……?」
ファンタジーの怪物としか言えないような、一つ目の巨人。
そいつがさも当たり前のようにそこにいて、俺を見下ろしていて……。
そして、次の瞬間、
「あ……」
――巨人が無造作に振るった人の身長よりも太いこん棒の一撃が、俺を跳ね飛ばした。