表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/89

16.初めてのダンジョン


 ひんやりとした地下鉄のホームの空気が、ほおを撫でる。

 無人のホームは独特の雰囲気を醸し出していたものの、ここがダンジョンだ、と言われなければ、とてもそんな風には思えなかっただろう。


「いいか? お前も事前に調べてきたとは思うが、確認するぞ」


 そんな中、流石に緊迫感のある顔をしたジュンが、俺を守るように前に立ち、辺りを警戒しながらも話し始める。


「このダンジョンは、地下鉄型。宝箱や罠は一切なく、出現モンスターも小鬼型……つまり、ゴブリンやコボルトしか出てこない。だから目的は、可能な限りのモンスターの討伐になる。……わっかりやすいだろ?」


 俺の緊張をほぐそうというように、ジュンがいたずらっぽく笑った。


「……っと、噂をすれば、だ。早速のお客さんだぜ」


 地下鉄の線路の奥。

 暗闇の中からヨタヨタと走る三つの小さな影。


「……ゴブリン。最弱とも言われてる小鬼モンスターだ。つってもステータスエフェクトがない一般人よりかはずっと強い。冒険者の試金石、ってところだな」


 その姿を認めると、ジュンはゴブリンを刺激しないようにそっと立ち位置を後ろに移す。


「このダンジョンは今日はアタシたちの貸し切りだし、ほんとにピンチの時にはアタシが助けてやる。だから……」


 そして、俺の背後にまで回ると、




「――存分に、暴れてこい!! あのジュライの奴が目をかけたって力、見せてみろよ!」




 そう言って、俺に発破をかけるように、俺の背中を押したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
成長率底辺のゲームキャラになった主人公が、裏技を使って英雄になっていく話です
主人公じゃない!

書籍二巻、コミック二巻ともに発売中!
二巻
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ