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10.冒険の始まり

お待たせしました!

新章開幕です!


 ついに俺の冒険者としての初陣の日がやってきた。


「悪いな。オレは長期の探索があるから、ちょっと付き合えないんだ。でもまあ、話は通ってるから大丈夫だろ」


 昨日ジュライさんに話をしたらそうやって謝られたが、ここまで面倒を見てもらっただけで十分すぎるくらいだ。


 どうせ今日行くのは、最高でもレベル十のモンスターまでしか出ない、シンジュク区屈指の初心者用のダンジョン。

 状態異常を使ってくるモンスターもいないらしいし、おそらくは大丈夫だろう。


「……行ってきます」


 玄関で一人そうつぶやいて、ケツイをみなぎらせながら俺は街に出た。

 目指すは冒険者協会だ。


「……ここ、かな」


 冒険者協会、なんて言うとファンタジーの酒場と一体化したような、荒くれ者がたむろするイメージがあるが、現代日本における冒険者協会は小奇麗で開かれたデザインの事務所だった。

 冒険者ギルドというよりは、市役所か銀行の窓口のようなイメージだ。


 そこのダンジョン攻略申請窓口に並び、初めてのダンジョンアタックの申し込みをする。

 ファンタジーの冒険物と違い、現実のダンジョンにはクエストだのなんだのというものはない。


 ただ、ダンジョンは一応国が管理しているものであるし、ダンジョンの攻略に臨むには、安全のためにも一度協会を通して申請を出すように推奨されているのだ。

 俺が少し緊張して初心者用ダンジョンの攻略申請とステータスカードを出すと、窓口の人はあら、と口元を押さえた。


「篠塚様ですね。ジュライさんから話は伺っています。案内人の方ももういらしてますよ」

「案内人?」

「ジュライさんから伺っていませんか? 冒険者支援の一環で、未成年者の最初のダンジョンアタックには、見届け人として先輩冒険者の方がつく、という制度があるんです。あまり一般の方には知られていないので、ご存知ではない方も多いのですが……」


 完全に初耳だった。


(ジュライさん。さては知ってて黙ってたな)


 思い返すと、俺が今日の話をした時、どこかにやついていたような気がした。

 やってくれたなぁ、と俺が思っていると、後ろから声がした。


「ちっ。やっと来たのかよ」


 そうして振り返った先、そこには戦士風の格好をした不機嫌そうな少女が立っていたのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ケツイをみなぎらせながら 凄い変な意味に見える()
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