表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
満月の日に、秘密を。  作者: 彩夏
序章
1/3

《プロローグ》開店準備

月宮(つきみや) ホシノ。クラスメイトに聞くと、10人に9人がこう答えるだろう。『地味で、目立たない』と。

それほど、ホシノは存在感の薄い女の子だった。髪は後ろでひとつに編んだだけ。長い前髪が、彼女の表情を隠している。


そんなホシノには、ある秘密があった。


「ただいま・・・」


家に帰ってきたホシノは、家の離れの前に看板を出した。そこには『open(オープン)heart(ハート) 心のひとりごと、お聞きいたします』と書かれている。

ホシノは離れの中に入った。中はアンティーク調の家具で統一されており、どこか安心できる雰囲気がある。


奥にあるテーブルに座ると、ホシノは編んでいた色素の薄い茶髪をほどき、前髪をピンでとめた。綺麗な琥珀色の瞳は優しげな光を纏い、唇はふんわりと笑みを浮かべる。ベージュのワンピースを着ると、最後にお守りのように星の形をした鍵を首にかけた。


ここは『open・heart』。美味しい飲み物と共に、どんな話でも聞いてくれる"魔女"の店だ。


――――そう。ホシノは魔女だった。


とはいっても、満月の日限定の魔女。まだ未熟なため、不思議な力が満ちる満月の日にしか力が使えないからだ。


そして、ホシノが魔女になる満月の日。月に2日あるこの日に、『open・heart』は開店する。話を聞いてほしい人や悩んでいる人、時には精霊もこの店を訪れる。それは、今日も―――


夕方になり、もうすぐで日が落ちる、という頃。店のドアがノックされた。「どうぞ」とホシノが声をかけると、大学生ぐらいの少女が顔を覗かせる。


今宵も、お客様がやって来た。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ