プロローグ
街づくり系のストーリーにハマってしまったので、自分でも書いてみました。初投稿ですので、色々とご意見をお願いいたします。
起きるとそこは薄暗かった。
だが、まったく何も見えないほどではない。
声から男性だと判断できる人物が近くにいて何か話しているのも分かる。しかし、何を言っているのかは分からない。
『言語解析スタート』
理解できない言語だと認識した瞬間、頭の中に声が響く。しかし、男性には聞こえていないのだろう、変わらず話し続けている。
『解析完了』
しばらくすると、また頭の中に声が響く。
「...その時は技術の粋を集めたお前の能力を見せてやれ。では、頼んだぞ。」
少し遅かったようで、男性の話は終わってしまい大切なことはなにも分からなかった。
しかし、こちらの返事は期待していないようで、反応も見ずに脇を抜けて後ろに行ってしまった。
もし返事を待ってもらっても、もう一度始めから話し直して欲しいとリクエストする以外何もできなかっただろうし、それは失礼なことなのでどのみち止めていただろう。
ただ、聞きとれた限りでは、彼がこちらを信用して大切な仕事を任せてくれている上司的な立場の人なのだと推測できる。上司を怒らすのは良くない。
それに、私が彼の言語を理解できていないことを知らなかったので、もしかすると別の人に話しかけているつもりだったのかもしれない。いろいろと疑問が湧いてくるが、とりあえず保留としておく。
それよりも重要な問題があったからだ。
彼がどこに行ったのか見たかったのだが、そちらに向くことができないのだ。それどころかどの方向にも向けないし、声を出すことも、体を動かすこともできない。
何もすることがなく、音もしない、薄暗い部屋の中を見ながら、どうしてこうなったのか記憶を遡る。
ご意見、アドバイス等お待ちしております。