第1部 体育祭の終わり
俺達が借り物競争に出て、少し経ち七瀬の顔も普通に戻った。
それから仮装リレーがあったり、クラス担任対抗リレーなんかもあったりした。
と言うか何故担任対抗なんだ?
副担任はどうした?
なんて声が上がった。
そしてやって来た、騎馬戦。
この騎馬戦は全学年総取りなので勝てるかは微妙だ。
「レスリング部の山田。山下。山城。すまないがもう少し耐えてくれ。これが終わればお前達は、うんと休めるぞ」
俺がそう言うと
『おう。楽しみにしてる』
『あぁ。』
『俺もぷすぷすほしい』
と帰ってきた。
そして始まった、騎馬戦。
俺は勝てるのかな?
・・・・・・・・※・・・・・・・・
俺はとりあえず、鉢巻きを奪って行った。
力の逃がし方なら嫌と言うほど合気道でやって来たからな。
そして次に向かって来たのは、相撲部同好会だった。
『さっきの借りを返しに来たぜ』
と騎馬の前に居る名前も知らない部員
『それにレスリング部にも勝ったら俺達は万々歳だ』
と騎馬の右後ろの知らない部員
『俺達は足の裏以外は地面についたらダメな競技で戦ってんだ。負けられん!なぁ小結!!!』
と副部長の人が
『そんなのどうでもいい!俺は神楽の唇を奪う!!!』
と部長なのに小結と言う名の男が叫んだ。
その瞬間他の生徒や先生。俺の家族とシャロさんが物を投げ出した。
そして周りの皆は
『帰れ!』
『お前なんかに神楽の唇を奪わせてたまるか!』
『不純同姓交遊だ』
と言っていて
ウチの家族は俺達と相撲部同好会の間に入ってきて
お父さんが
『ウチの息子の唇を奪うだと?アイツ殺されたいようだな』
と見たこともない顔で怒り
お母さんが
『ふふふふふふ…。つっくんの唇は私の物よ。他の誰にも渡さないわ』
とまるでヤンデレの様に笑い
兄が
『我が弟の唇を奪うだと?その前に逮捕してやる』
と言いながら手錠を出し
姉が
『キス出来ないように手術してやろうかしら』
と言いながら針と糸を出し
弟が
『兄上を傷付ける者は全て敵だー!叩き斬ってやる』
と言いながら抜刀し
妹が
『お兄さま。私がこの塵を排除しますからどこか遠くに』
と言いながらどこから出したかわからないがハルバートを出した。
そして小結は
『例え神楽の家族でも俺の邪魔をするなら容赦はしない!お前達突っ込め!』
と言って俺の事をそっちのけで激しいバトルを繰り広げ始めた。
手錠をかけても腕力で潰したり、そのままツッパリして兄を倒す。後ろの後ろの二人がお父さんと弟の攻撃を止めて、前の一人がハルバートを止めていた。
あの空間だけ異世界か何かじゃないだろうか?
俺はとりあえずこっそり小結の鉢巻きを奪って去った。
そして俺はパルクール部と対戦していた。
パルクールとは建物から建物へと飛び写ったり、高いところへ登ったり、高いところから飛び降りたりする競技だ。
パルクール部の上の人は基本跳び跳ねていた。
地面につかなければ何でもありなのか?
『さっきは相撲部同好会のあれが大変だったな』
「あぁ。流石に気持ち悪かった」
『そんなコンディションでも俺は手を抜かないぜ』
そう言って勝負を開始した。
相手はほぼ空中なので、中々捉えられない。
しかも騎馬を狙っても3人はバラバラに動くからちゃんと狙えない。
「山城。山下。お前達は一人ずつあっちの騎馬に着いてくれ」
『わかった』
『褒美は俺にもぷすぷすな』
「山田。頼むぞ」
『任せろ』
俺は山田にしがみついて相手が着地するのを待った。
『お前がそいつだけになっても同じだ!俺は上からいぎゅー』
俺は相手選手の顔面を踏みつけた。
何をしたかと言うと、相手が跳ねた時に、山田を踏み台にしたのだ。
だから山田には安定するように相手の最後の選手を捕まえて貰った。
そして相手の鉢巻きを足で奪い俺は山城に着地した。
そして
『ぷすぷす人形を待ってるぞ。出来れば文化祭までに』
と言われた。
そこまで欲しいのか?
確かにぷすぷすは可愛いけどな。
そして最後の対決が始まった。
残ったのは俺と七瀬のチームである。
ちなみに相撲部同好会と俺の家族はお母さんが何かして、さっき終わった。
何をしたか全然見えなかったがとりあえず倒してくれた。
・・・・・・・・※・・・・・・・・
『さぁ。月夜!一騎討ちだ』
「あぁ。そうだな」
と話していると
『さぁ!やっと一騎討ちになります。まさか残ったのは1ーAの女神こと、神楽月夜くんと同じく1ーAの天使こと、七色七瀬くんだー!!!』
とアナウンスが聞こえた。
もしかしてずっと実況してたのか?
『しかも騎馬はあの綱引きの名勝負を繰り出した、レスリング部!!!先程の相撲部同好会の小結とか言われる塵はもう居ない!心おきなく楽しめるぅぅぅ!』
すると周りの皆は
『『『『『『いぇーーい!!!』』』』』』
と叫んでいた。
『それでは始めて頂きましょう。女神Vs天使。試合開始です!』
と言われて七瀬は突っ込んできた。
俺は七瀬の両手をつかんで、力比べをした。
『ほほう。力比べか』
「同じジムで鍛えてる通しその方が面白いだろ?」
『確かに面白いが負けてられないからやだ!』
と言うと山城が七瀬に
『俺が勝って、神楽からぷすぷすを貰うんだぁー!!!』
と叫びながら突っ込んだ。
「山田。山下。俺は山城の上に行くから二人は後ろへ」
と言うと二人は俺を投げて移動した。
『おーっと!これはパルクール部に見せたアクロバットだー!だが天使も負けては居ない!』
とアナウンスが鳴っていた頃。
『ぷすぷすは渡さない』
『お前には感謝してる。ぷすぷすを産んでくれてありがとう。だが…!!!……ぷすぷすは俺の物だぁ!』
と激しい戦いを繰り広げていた。
俺はその隙に鉢巻きを取ろうとするが、向こうの騎馬に邪魔をされる。
『そう簡単にはやられないのだよ』
『ナナの為にもやらないとね』
『俺はこれに勝って………。うん。勝っても何もないや…。』
と一人落ち込んでいたが気にしない。
『全く。月夜は油断ならないね』
「それをかわした騎馬にお礼を言っとけよ」
『あぁ。皆ありがわぁと!月夜!いきなり危ない』
「今言うなよ。後で言え!そうじゃないとお前の奪うぞ」
するとまた七瀬は顔を真っ赤にした。
そしてアナウンスが
『おーっと!!!女神が飛んだと思った天使を攻撃するが馬がかわした!更に女神の馬が変形した!!!』
と実況していた。
「七瀬。お前、また熱が出てきたのか?」
『大丈夫だ。だからやろうか』
「わかった。俺が満足するまでやめないからな」
『そんな事言って、俺より早くバテるなよ?』
「ふん。俺はまだまだ余裕だ!さぁ2回戦と行こうじゃないか」
『大丈夫。2回戦だけじゃ止まらないから』
俺と七瀬はそう言って、騎馬戦を再開した。
俺と七瀬の言葉を聞いて一部の観客がテントに向かって行ったがどういう事だ?
まぁ。良い。今は七瀬だ。
俺と七瀬が攻防を繰り返していると下から山城が腕を伸ばす。
俺はある程度奪い合ってから七瀬に話す。
「おい。山城とばっかりじゃなく、俺も見ろ」
『ずっと月夜しか見てないよ』
「本当か?」
『本当さ。うぉっと…』
七瀬が答えようとすると山城が鉢巻きを奪おうとする。
そして俺は山城から手を離して、山田と山下に後ろへ少しずつ下がってもらう。
「やっぱり山城を観るんだな…」
『おい。月夜。何故離れるんだ?』
「七瀬が山城ばっかり見るからだ」
『見てないよ。俺は月夜以外見てない』
七瀬がそう言ってると山城が奪おうとしていた。
俺は近づいて貰って
「じゃあ、信じるからもお俺以外見るなよ」
『俺は月夜以外見ない。約束する
「ほんと?」
と甘える様に七瀬に言うと
(『本当だ。俺は月夜以外絶対見ない。約束するよ』
「次、俺以外を見たら消えるからね」
と言った瞬間、七瀬は山城に邪魔されて目を隠された。
俺はその瞬間に、山下に投げてもらい。鉢巻きを奪い、山田にキャッチしてもらった。
そして
「だから言っただろ?次、目を離したら消えるって」
俺はそう言って、騎馬戦に勝った。
そしてアナウンスは
『凄い!凄すぎる!暴れる馬を手放して、忠実な馬を使い宣言通り天使から隠れて鉢巻きを奪ったー!そして勝者は1ーAの女神の神楽月夜くんだぁーーー!!!皆様。神楽くんや七色くんにそして騎馬のレスリング部の山田くん。山下くん。山城くん。川畑くん。川田くん。川越くん。に大きな拍手を~』
と言っていた。
と言うか、レスリング部の6人は川と山しか居ないのか?
そして七瀬は
『はぁ~。負けちゃった…』
「俺は言ったはずだぞ?次、目を離したら消えるって」
『言ったけどさ~。しかも負けたからぷすぷすも奪われるしな』
「別に奪われはしないぞ」
『でもぷすぷすの為にって山城は行ってたぞ』
「山城は文化祭までに新しいぷすぷすが欲しいと言っていただけだ。だからあのぷすぷすは七瀬の物だよ」
『やったぁ♪』
「さぁ。戻って水分でも取って最後の種目だ。」
『今度は一緒にだね♪』
「あぁ。もう敵じゃないさ」
俺はぷすぷすを抱いてる七瀬の頭を撫でてあげた。
・・・・・・・・※・・・・・・・・
次は棒倒しだ。
「とりあえず、レスリング部は防御。他は攻めるぞ」
『俺の月夜は疲れてるからギリギリまで走りはしない。ただし、必ずあの棒は倒す』
俺と七瀬がそう言うと皆が応援してくれた。
それから難なく決勝まで進めたが、決勝にはまた、アイツが現れた。
『やぁ。神楽!今度こそ俺はお前の唇を奪う!!!』
と指を指してきた。
それに怒ったのは七瀬だ。
『おい!名前負け!月夜の唇は絶対渡さないぞ』
『ふん。天使には興味はないんだ。嫉妬するなよ。俺は女神しか愛せないのさ』
『いや、嫉妬なんてしてないよ。ねぇ月Y?えっ月夜!?どこ?』
俺は小結が話し掛けてきて七瀬と話してる間に、本陣へ行き、仁王立ちしていた。
少し怒ってるのである。
何故俺がよく知らない奴にキスだなんだ言われなきゃならないのか。
そして七瀬が気付いてやって来た。
『月夜。ビックリしたよ。目を離すと居なくなっちゃうから』
「だから言ってるでしょ?せめて今日だけは目を離さないでって。あんな奴ばっか見て!いい加減拗ねるんだからね」
それを言うと周り頑張りますキャーキャー言ってた。
「とりあえず棒を倒す。それだけだ」
『月夜…?怒ってる?』
「少しね。一瞬で片を付けてくるよ」
俺はそう七瀬に言い、棒倒しが始まると、走り去り、小結を踏み台ににし、一気に棒のてっぺんを蹴り飛ばした。
イライラでパワーアップなのである。
開始20秒で終わってしまった。
「俺の唇を奪う?ふふ、きっと奪えないよ。だって君如きが届く物じゃないからね」
俺は唇に指を当て、ウインクしながらそう言うと、また周りがキャーキャー言ってた。
そしてアナウンスが
『あの塵はいつの間にか現れて踏み台にされたぁ!!そして女神様の怒りの1蹴りが棒を吹っ飛ばしたぁぁぁ!!!更に最後の冷たく笑って[君如き]って私も言われたいぃぃ!!!』
俺が自分のブルーシートに戻ろうとすると
『俺は諦めないぞ。絶対お前の唇を…』
「煩いよ。せめて奪うって言うなら横綱になってからだね。それから奪いにおいで!それでも簡単には奪わせないけどね」
そしてブルーシートに戻ると
七瀬に
『月夜。もう今日だけは目を離さないでずっと見てるから怒らないでー』
とぷすぷすを抱きながら引っ付いてきた。
雫は
『久々に怒ってる月夜を見たわ。やっぱり怖い』
と怯えられ
光希に
『月夜くん。その冷たい目、とても素敵だわ。普段の優しい目も良いけどたまにはその目で見られたい』
と近づいてきた。
佑香は
『月夜くん。まぁ。怒らないで。クールダウンよ。それにあの塵はここには居ないわ
となでめられ。
山田は
『流石、合気道・ジークンドー・ソバットの世界王者だ。やっと思い出せたぞ。ワハハハ』
と言われて皆に驚かれた。
当たり前である。
そんな世界王者が居るなんて中々思わないからな。
そして山田は
『いつか、手合わせしてみたいものだ。それに神楽の家族とも。全員と手合わせすればきっと面白いだろう!ワハハハハハハ』
と陽気に言い、笑っていた。
そしてその後も、順調に勝っては居たが決勝で負けた。
レスリング部3年とボクシング部3年とパルクール部3年が揃ってるチーム何ぞに勝てるわけがない。
・・・・・・・・※・・・・・・・・
そして、最後の種目。
男女混合リレーが始まろうとしていた。
その頃には俺も普通に戻り、
『月夜。後はこれだけだよ。さぁ1位で終わろっ♪』
と七瀬が
『月夜。私頑張るから後で撫でてほしい』
と雫が
『えっ?ズルい!私も』
と佑香が言う。
俺はまぁなでなでくらいなら良いかと思った。
そして始まったリレーは佑香が走るも陸上部には勝てずに3位で七瀬に渡した。
「佑香。お疲れ様♪よく頑張ったね」
と言いながら頭を撫でた。
すると
『はわぁ~はわわっはわぁ~えへへ』
と驚きながら照れ始めた。
そして七瀬は2位で帰ってきた。
そして頭を出してきたので
「ちゃんと約束通り見てたんだね。嬉しいよ七瀬 」
と言いながら頭を撫でた。
すると
『んにゅ~。えへへ♪』
と笑っていた。
そして雫だがそのまま2位だった。
「お疲れ!後は任せて」
『わかった』
話はそれだけで、そのまま走った。
何故アンカーは3周なんだ?2周で良くないか?
俺はそう思いながら走る。
その時アナウンスは
『おーっと!女神様が爆走しておられます。今まで2位だったのにどんどん1位だった、2ーAを突き放して行く!』
『女神様今や爆走ぅぅ!ドベの1ーDを周回遅れにしましたぁーーー!!!』
『女神様がとうとう、最終lapに到達したぁーーー!!!そして現在、2ーAと2ーBと3ーB以外は周回遅R…3ーBも周回遅れにしたぁーーー!!!果たして女神様はどれだけスピードをあげるのかぁぁぁぁ!!!』
『おっと!女神様がまたスピードを上げた!とうとう、決めるのかぁぁぁ!?』
『そして女神様がついにゴォォァーーーーールッ!れはす凄い!2ーAと2ーB以外は全て周回遅れにしてゴールしたぁーーー!!!』
と言っていた。
そして俺は軽く歩いて雫の所に行き
「ほら、雫。約束の」
と言いながら頭を撫でた。
すると
『あわぁわぁわゎわ』
と言っていた。
そして表彰式には雫に出て貰った。
俺は七瀬に膝枕されて拘束されていた。
『もお、アナタは無茶ばかりして、少しここで休むまで許さないんだからね』
「いや、大丈夫なんだけど」
『大丈夫じゃありません。さぁ頭を乗っけて』
「いや、恥ずかしいぞ」
『これは俺からの御褒美なんだから素直に受け取ること。わかった?』
「いや、でも」
『わかった?』
「俺『わかった?』は…」
『……。』
「や『逃がさない。さぁ素直に寝るの』うぅ…わかった」
『よろしい』
そうして俺は現在、色んな人に見られながら膝枕されている。
俺は恥ずかしいくて七瀬の体の方に顔を向けた。
そして撫でられてる内に寝てしまったのだ。
♂・・・・・・・・※・・・・・・・・♂
side七瀬
月夜は今日頑張ったからお礼に無理矢理膝枕して上げた。
さっき頭を撫でてくれたからね。
しばらく撫でていると、月夜は寝ちゃった。
とても可愛い寝顔をしている。
あれ?月夜ってウィッグつけてるのかな?
やっぱりこれはウィッグだ。
地毛の色が違うからつけてるんだな。
見てみたい。
今度、こっそり見してもらおう。
今はゆっくり寝かさないとね。
わぁ。月夜の肌って凄いモチモチすべすべだ。
それに寝顔が可愛すぎるでしょ。
こらこら月夜はそんなにグリグリしない。
一体どんな夢を見てるの?
そんな事思ってると。
『あら~つっくん寝ちゃったのね』
『ほんとだわ。月夜寝てるわ』
と言いながらお母さんズがやって来た。
『そう言えば最近仕事が忙しくて中々寝れないって言ってたっけ』
とリサさんが言ってた。
『ダメじゃない!ちゃんと寝かさないと…って今は寝てるか』
と母さんが
「そう言えば月夜の仕事って?」
と俺が答えると母さんが
『あなたと一緒よ。まぁ個人でやってるけど会社は一緒よ。でも写真はないわね』
と言ってくれた。
母さんの言葉の意味は、俺と同じ芸能人。
俺はバンドを組んでるから個人ではないが、月夜はソロって事か。
しかも俺はモデルもやってるから写真はある。
ただ、月夜はそれをやってないらしい。
『ちなみにつっくんはもう世界を狙えると思うわよ。夏休みにチャンスがあったからね』
とリサさんが言ってた。
月夜は何したの?スタントって言ってたけど…
『とりあえず、月夜を起こして、リサの所と今日はご飯食べに行くわよ』
と母さんが言ったので、俺は月夜を起こした。
♂・・・・・・・・※・・・・・・・・♂
side月夜
俺は起きると、お母さんとシャロさんが居た。
どうやら寝てたらしい。
「七瀬。すまん。気持ちよくて寝てたらしい」
『いいよ。休めって言ったのは俺だからね』
「ありがとう。それでなんで俺の家族と七瀬の家族が俺のウチに向かってんだ?」
『えっ?こっちって月夜の家の方なの?俺の家もこっちだよ』
「そうなのか。案外近くかも知れないな」
と言っていたら、
「俺はこのマンションをぶち抜いて住んでいる」
『俺はその隣のマンションだよ』
「何階なんだ?」
『6階だよ。一番上の角なんだ。これで家からでも話せるね♪』
「そうか。七瀬は椿の部屋の真上に住んでるのか」
『そうそう。椿ちゃんの部屋の上なんだ………っえ?椿ちゃんってあの椿ちゃん?俺らの担任の?』
「そうだぞ。俺はここの7階に住んでるからたまに見えるし椿も俺の家は知ってる」
『マジで?と言うか椿ちゃんの事名前で…』
「あぁ。学校外まで先生でいられると疲れるだろ?だから椿には学校外じゃ普通の女の子として生活してもらってる」
『そうなんだ。仕事の事とかは言ったりしてるの?』
「それはしてないな。あまり広めたくないし、仕事の事だけは皆に嘘ついてるさ。まぁ同じ事務所の七瀬にはつかなくても良いけどな」
『知ってたの?』
「今日言われたからな」
『なんだ、俺と一緒か』
俺と七瀬はそう言ってウチに入ったのだ。
『月夜の家って大きいね。しかも入口は5回にあるなんて』
「あぁ。色々作業するからな。広いんだ」
そして俺は七瀬を風呂場に連れていき、
「お母さん。俺と七瀬は少し風呂に入ってくるから料理とかお願い」
『わかったわ。と言うか私たちは今から帰るのよ。あなた達が寄り道しないか見張ってただけだから』
「そうなの?じゃあ今日はバイバイだね」
『えぇ。明日もどのみち会うんだから寂しがらないでよね』
「それは自分に言ってるの?」
『もぉ…私には意地悪なんだから』
と言って、皆が出ていった。
「さぁ七瀬。それじゃあ一緒に入ろうか?風呂は洗ってるから溜めるだけだしね」
『えぇ?一緒に入るの?』
俺は聞かれながら湯の準備をしていた。
「別に男通しだから良いだろ?まぁ俺も親しくない奴とは入りたくないが、七瀬はどうなんだ?」
『そりゃ、俺もそうだけど、恥ずかしいって言うか…』
「なら、入ることだな。さっきの膝枕の仕返しだ」
と言うと七瀬は折れた。
・・・・・・・・※・・・・・・・・
そしてシャワーを浴びて一緒に浴槽に入っていると
『月夜の髪ってそんな色だったのか』
「あぁ。人間離れしてる色だからな。隠してるんだ」
『今の時代、その色でも人間だよ。それに髪がいつもより長いから不思議だ』
「それはそうだ。仕事じゃこれくらいの長さの方がミステリアスでバレないからな」
『そうなんだ。俺はそろそろバレそうだよ』
「そう言えば七瀬はどんな仕事をしてるんだ?」
『デザイナーとバンドだよ。パープルムーンってバンドのヴォーカルやってるんだ』
「って事は一緒に仕事したことがあるな」
『ほんとに!?いつ?』
「去年の新人の音楽祭に出てただろ?」
『あぁ。俺達はそれで優勝したんだ』
「俺はその時審査員席に居たからな」
『え!?マジで?』
「あぁ。俺は春野紅葉って名前で芸能界活動をしてる」
『あの大作家でシンガーソングライターの?マジで?あの人が月夜なの?女の人だと思ってた…』
「だから言っただろ?このくらいの髪の長さの方がミステリアスだって」
『そう言う事だったのか』
それから俺達は風呂を出て、ご飯を食べた。
・・・・・・・・※・・・・・・・・
『ご飯まで御馳走してくれてありがとう』
「いいよ。作るの好きだしな」
『いいなぁ。俺は作れないから』
「ああいうのは慣れだよ」
『そうなのかな?』
「そうさ」
『そう言えば明日はリサさんと一緒に仕事なの?』
「あぁ。明日と明後日は映画の仕事だ」
『月夜映画に出るの?』
「あぁ。夏休みにちょろっとな。しかも主題歌も歌わせて貰った」
『凄いねぇ。って事はスタントマンはしてないの?』
「1シーンだけしたぞ」
『どんな?』
「前言った通りバイクだ」
『いいなぁ。見てみたいなぁ』
「じゃあ見に来るか?」
『見に行けるの?』
「映画の上映試写会のチケットだ」
『凄いね。本当に貰っていいの?』
「あげるやつが居なかったからな…」
『あっ!秘密にしてるもんね』
「あぁ。だが楽しみにしてろよ」
『もちろんさ』
俺はそう言って七瀬にチケットを渡した。




