第1部 体育祭の始まりは家族紹介
そして体育祭当日、俺はいつも通り弁当を作り学校へ向かう。
とりあえず今日は仕事用の携帯は家に置いてきた。
久美さん(社長)と春佳さん(マネージャー)には許可をもらってある。
いつもと違うのは上がTシャツで下が体操着ってところだ。
それに鉢巻きを巻いている。
俺が学校へ着くとすでに段幕が貼られていた。
ぷすぷすが風に揺られてゆらゆらしていた。
あれは可愛いな。
つい、ぷすぷすを見て微笑んでいると
『お兄さま~♪』
と言いながらが妹の雷華が走ってきた。
そのまま俺に飛び込んで来るので少し痛かったがキャッチした
「雷華。今から体育祭なのに怪我をする所だったぞ」
『ごめんなさい。お兄さま。でもお兄さまを見つけたのでつい抱きしめたくなって』
「それでなんでここに?」
『もちろん。お兄さまの応援ですわ』
「それはありがとう。見てみろ。俺のクラスのマスコットキャラのぷすぷすだ。可愛いだろ?」
俺はそう言って段幕のぷすぷすを見るように指差した。
『確かに可愛いですね。お兄さまが描かれたのですか?』
「いや、俺じゃなく七瀬と言う友達と二人でだ。」
『お二人で考えられたのですか?』
「あぁ。俺のクラスのコンセプトが【月夜×七瀬】とか言う不思議な理由らしいからな」
『そうなんですか…。1度その七瀬さんともお会いしたいですね』
雷華がそう言った時に七瀬が現れた。
『俺の事を読んだか?』
「おう。七瀬。おはよう。こっちは妹の雷華だ。実はな、雷華がぷすぷすを可愛いと言ってくれてな」
『そうか。やっぱりぷすぷすは可愛いか。初めまして。俺の名前は七色七瀬。よろしく』
『こちらこそお初にお目にかかりますわ。私は神楽雷華と申します。よろしくお願いいたします。それとこれからもお兄さまをよろしくお願いいたします』
『あぁ。月夜は俺と同じ悩みを持ってた仲間だからな』
『同じ悩み?ですか?』
『あぁ。月夜が赤い眼で嫌なめに合っていたように、俺もこの紫の眼で嫌なめに合っていたのさ』
『綺麗な眼ですのに可笑しいですわよね』
と言っていると集合時間になったので、俺達は移動した。
・・・・・・・・※・・・・・・・・
俺と七瀬が自分のクラスのブルーシートに行くと
『おはよう~』
『今日は勝つよ~』
やら言われた。
俺も負ける気はないので
「油断せずに楽しく行こう♪」
と少し微笑みながら首を傾け言うと
『オォー!俺はやるぞー!』
『ヤバい可愛い…』
『最近、神楽とナナが可愛い件について。』
と男子が
『ヤバいわ…あの可愛さ』
『眼鏡を取ってから神楽くんのイメージが変わった気がするよ』
『神楽くんって大人な所もいいけどあんな風に甘えて来るのも最高ね』
と女子が
騒いでいた。
すると七瀬が
『おーい。月夜。あそこに俺の家族が居るんだ。後で紹介するから来てくれよ』
「おっ?そうなのか?それは行こう。……っあっ?七瀬の家族の隣は俺の家族が陣取ってるな」
『マジで?なら俺も後で挨拶をちゃんとせねば…。そう言えばあれ持ってきたか?』
「勿論だ。鞄の中に…。ほら、ぷすぷすのぬいぐるみだ。1つは七瀬のな」
『ありがとう。やっぱりぷすぷすは可愛いな』
「どういたしまして。七瀬のデザインが良かったんだよ」
『違うよ。月夜の色の決め方が良かったんだよ』
「それを言うなら七瀬の尻尾の色の決め方が良かったんだよ」
『尻尾の形はアナタが決めたでしょ♪』
「全く。七瀬には敵わないな」
と二人でじゃれあってると
『ヤバい、またあんなにくっついてる…』
『しかもリアルぷすぷすプレゼントなんて』
『本当にラブラブだよね~』
『雫から聞いたんだけど、二人って入学からの友達だったらしいよ』
『しかも二人とも自分の眼の色で昔から酷い事されてたって聞いたわ』
『共通点が多いからこそあんなに信頼しあってるのね』
『北欧系の王子さま風の神楽くんと南米系の王子さま風のナナ…。最高だわ』
『二人ならお姫様も出来ると思うわ。それだけ綺麗な顔をしてるし』
『『『『『確かに~』』』』
と騒いでいた。
そして…………。
『ただ今より、吟醸小町高等学校の体育祭が始まります。在校生はグラウンド中央に集まって下さい』
とアナウンスがなった。
・・・・・・・・※・・・・・・・・
俺達はラジオ体操をして、宣誓の言葉を聞いた。
そして1度家族の元へ向かった。
「あれ?お母さんまで居るの?仕事は大丈夫?」
『大丈夫よ。それにあそこを見て』
俺は隣の家族の方を見ると
「シャロさん!?って事は七瀬のお母さんってシャロさんなんだ」
『あらナナくんの事知ってるの?そう言えば同じ服を着てるわね』
「同じクラスでね。入学してからの友達さ。同じ眼の色の悩みを持っていてジムも一緒なんだよ」
『そうだったの。でもそれだけじゃないわよ。シャロの息子って事は所属事務所も一緒よ』
「マジで?それは驚きだよ」
と話して居ると
『月夜。俺の家族を紹介するからおいで~』
と七瀬から声がかかった。
「わかった~」
「と言うことで言ってくるね」
と家族に言い俺は七瀬の所に向かう。
まぁブルーシートを跨げば七瀬の所なのだが
『とりあえずこっちが父さんの七色宝生だよ』
『七色宝生だ。君の事は妻と君のお父上からよく聞いてたよ』
「そうなんですか?ちゃんと自己紹介しますね。俺は神楽月夜です。よろしくお願いいたします」
『そしてこっちは母さんだ。まさか知り合いなんて驚いたぞ』
『ハーイ!月夜。少し前以来ね』
「あれからまだ1ヶ月経ってないからね」
『そしてこの人は俺のお姉ちゃんだ』
『七色七華です。弟がお世話になってます。弟やママが言うように可愛い顔をしてるわね』
「七瀬も充分可愛い顔をしてますよ♪」
『そしてこっちが弟の一夏だ』
『初めまして。兄をよろしくお願いしますね』
「逆に俺の方がよろしくされてるよ」
『そしてこっちが妹の苺だ』
『わぁ。お兄さまと違うパターンの美形ですわ』
「そう言われると嬉しいけど恥ずかしいな」
『そしてこの子が末の弟の四月一日』
『七色四月一日と言います。兄や姉達は自由な人達ですが悪い人ではありませんので僕を含めよろしくしてあげてください』
「俺からもよろしくね♪」
と七色家に紹介された後、俺は七瀬に自分の家族を改めて紹介した。
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俺と七瀬は自分のクラスのブルーシートに戻ってみると雫が居た。
雫は生徒会で開会式が終わるまで戻ってこれなかったのだ。
『月夜。ナナ。おはよう』
「おはよう雫」
『おはよう松下さん』
『月夜もナナもどこに行ってたの?』
「家族の所さ」
『自分の家族にお互いの家族を紹介してたんだ』
『そうなの。皆仲良く出来そう?』
「元々お互いの親が知り合い通しだったらしいからね」
『それに1つ下の妹と弟はクラスが一緒で元々友達だったって聞いたよ』
『そこまで一緒だったのね』
「俺も驚きさ」
『それに隣に陣取ってたのも驚いた』
『そうだったの』
「ほら、あそこの目立つ集団がそうだよ」
『こっからでも目立つって相当だよね。少し恥ずかしいや』
と雫・俺・七瀬の順番で話していた。
『それではただ今より障害物競争を開始します。選手の皆さんは入場してください』
とアナウンスがなった。
「さぁ。今日は勝ちに行くよ」
『えぇ。私達なら余裕よ』
『ぷすぷすの為に頑張るぞー』
と言いながら俺達の体育祭は始まった。




