動き出す影
フランは揺れる背中の上で目が覚めた。
その背中は暖かく少し汗の匂いがする。
「…目、覚めたか?」
フランをおんぶしていた愼弥が優しく問いかけながらゆっくりとフランを背中から降ろす。
次第に覚めていく頭の中で何が起こったのかを思い出し顔が真っ青になる。
「ぁ…わた、し……」
大ちゃんを、傷つけてしまった。そう言おうとしたのだろう。
先を読むように愼弥は撫でながら言った。
「大丈夫、恋翼が何とかする。」
何とかする、何が出来るというんだろうか。
「でもっ……」
言おうとすると愼弥に無言で抱きしめられる。
「大丈夫…俺らを信じろ。…な?」
優しく微笑みながら囁く。
「何なら、泣いてもいいんだぞ?」
子供扱いでもしているのだろうか。自身の姉を思い出してしまいつき飛ばしてしまう。
「泣かないもん!」
そう言って1人で飛んでいってしまった。
「…おーおーフランは強がりだな。さて、俺も帰るか」
愼弥はションボリとしながら帰路についた。
同時刻、紅魔館ではとある外来人がレミリアにまわりくどいアピールしていた。
「レミリア〜、いつもの茶葉持ってきたぞ」
彼の名は刹那。白玉楼で十年前からお世話になってる少年だ。
5歳の時に幻想入りして一時期紅魔館でお世話になったからかレミリアに夢中らしい。だが、まわりくどい。くどい(2回目)
好意に気づいているのか気づいていないのか。
レミリアは嬉しそうに羽をパタパタと動かし笑顔で
「ホント?やった♪」
そう言いながら目を輝かせる。刹那はにへらと笑い返す
「紅茶、入れてきますね。」
空気を読んだのか部屋から出ていこうとする咲夜を引き止めて
「あ、ケーキ持ってきたんだ。あのちびメイドに渡したぜ。」
と、あやの禁句をしれっとした顔で言う。
「わかったわ。あと、その禁句もあやに伝えておくわ。」
「うそだろ…撤回するわ。」
クスリと笑いながら咲夜は部屋を出ていく。
「そういやフランは?」
「まだ散歩に言ってるはず…。少し、心配なのよ」
「じゃあ俺が」
迎えに行こうか、そう言い終わらないうちにフランが帰って来る。
「……ただいま」
俯いていて表情は読み取れない。ただ、なにかあったのかは丸わかりだ。
「どうした?何かあったのか?」
「…何でもないよ、でもしばらく外には出ない」
そう言って地下にある部屋に閉じこもってしまった。
ちらっと見えた目には涙が溜まっていた。
「…あや、しばらくフランのそばにいてあげて」
「かしこまりました。」
偶然通りかかったあやにレミリアはそう命令してからため息をつく。
「…いやな予感がまだ続いてるわね……」
そこに恋翼と愼弥が同時に帰ってくる。
恋翼は心なしか青ざめている。それに皆は気付かず、おかえりと言う。
「「話がある」」
恋翼と愼弥は真剣な眼差しで言うので、レミリアはフランとあやを除く全員を呼び出した。
〜フランの部屋〜
暗い部屋で何かがつぶやきながら手を差し伸べる。
「友達を守る為に抑えるための力をあげる…」
その瞳は愉しさと何かを推し量るかの様な、何かが渦巻きながら爛々と輝く。
フランは涙を拭い息をのんでその手を伸ばす。
その瞬間、黒い何かに覆われて倒れる。
そしてフランと何かは微笑んだ。
なぜか私になぞの編集者が就きました。
地上げ屋みたいなんですけど…(っ˘ω˘c )
あと、借金取り…?
7日からある程度低浮上です