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頭のおかしい人がもう1人いる。

 頭が混乱している。この人は何を言ってるんだろう。ここが三途なのはギリギリ許容範囲内だったけど、この人は天使?翼も生えてないのに?あまり神々しくもないのに?普通の女の子にしか見えないのに?


「あの…失礼かとは思うんですが、コスプレとかですよね…?」


「はぁ?!バカにしてるの?!本当よっ!私は天使見習いのティア=ユステフよっ!!嘘じゃないわっ!」


 この後に及んで信じられない僕はもう一度聞き返した。


「本…物……??」


 もう一度疑問を投げかける僕に彼女は言った。


「本っ物よっ!!!!!何度言わせるのよ!!」


 とうとう怒らせてしまった。


「うっ…ごめん。信じられなくて…。」


 彼女は「はぁ…」とため息をはいてからの何秒かの沈黙がすごく長く感じた。

 「あっあの!」沈黙に耐えられずに僕は声を上げた。


 「ぼ、僕記憶喪失だからよく分からないんだよ…。だから…ごめん…」


「まぁ、いいわ。」


 彼女は続けて言った。


「あなた現実世界に戻りたいと思う??」


「現実世界……えっとまぁ…戻りたいかな?」


「なんで疑問系なのよ!」


 僕のハッキリとしない返答にツッコまれた。


「記憶が無いから、戻っても意味あるのかなって思って。戻ったとしても辛いだけなんじゃないかと思ってさ…。」


「そう。なら記憶を戻しましょうか!」


 彼女の言った言葉でまた僕は混乱した。


「戻せるの?!本当に!?」


「ええ、あなたの10倍以上は頭のおかしい同僚が真実の鏡を持ってるわ。その真実の鏡をあなた自身が覗くと記憶が戻るわ。」


 情報が多くて何から聞けばいいか分からない。とりあえず僕はおかしくないと思ったからツッコんだ。


「僕はおかしくないよ!?」


「充分おかしいわ。」


「ええっ?!」


 こんなやり取りをしていた時後ろから


「ラ〜ララ〜ラ〜ラ〜ラ〜♪」


「「うわぁぁ!!!」」僕と彼女は声を上げた。


 ティアと同じような服装をした目の下にペイントしている女の人がいる。


「うわぁぁ!ビックリした!いきなり声上げないでよぉ〜!心臓が止まるかと思ったじゃないかぁ〜!」


 そんな事を言いながら突然来た女の人はティアの肩を叩いた。


「……おい。」


 ティアの 低い声だ。


『ん?なんだい?』


女の人が聞き返す。


「今までどこに行ってたのかしら?」


 怒りの感情が込められていること僕ですら分かった。


「道草食べてた。」


 呆れ果てたティアは


「あぁ…そ…いつも通りね…」


 僕ははティアの呆れ果てるそんな姿を見ていたら女の人と目があった。軽く会釈した。


「ん…この人は…あぁ!結城海斗君じゃないか!???!」


「え?あぁそうですけど。」


「ティア!やったよ!見つけたよ!早く戻して今日は飲もう!?」


 戻す…?現実世界に僕をって事か…。じゃあつまりこの女の人も天使なのか。


「あたしはあんたが来るずっと前から見つけてたけどね。あ、そういえば海斗に紹介し忘れてたわね。こいつはキリ=ストあたしと同じ天使見習いよ。」


『あと名前に深い意味はないわ。』


『あ、天使さんどうも。海斗です。』


また軽く会釈する。


『あぁどうもどうも。最近の若い子は偉いねぇ』


キリ=ストは呑気だ。会って何分も経ってないのに分かる。


『キリ=スト、あんた真実の鏡持ってたわよね?早く出して海斗の記憶戻すわよ。』


『え…?真実の鏡?あぁあれね!あれどっかに落としてきた!』


 は?キリ=ストは何を言ってるんだろう。天使(見習い)のくせに。僕の目にはティアがキリ=ストに襲いかかってるのが見えたが、面倒くさいので僕は目を逸らした。

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