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エンドリア物語

「セトナ遺跡で」<エンドリア物語外伝16>

作者: あまみつ

 まいったなあ、せかさないでくれ。ここにはのんびりするために来たんだ。わかった、わかった。それなら今日はセトナ遺跡の話をしよう。セトナ遺跡なら君たちも耳にしたことがあるだろ。あの遺跡は、オレがいままでに訪れた遺跡で最も悲しい遺跡だった。

 セトナ遺跡がどこにあるかって?それは教えられない。知っているだろ。もう、あの遺跡は終わりの時を迎えたんだ。そっとしておいてあげてくれ。

 オレ達がセトナ遺跡に入ったのは、もちろん秘宝が目的だ。秘宝があるとわかっていても、未踏の遺跡にはトラップが多い。経験と腕のある冒険者パーティでも尻込みしてしまう気持ちもわかる。でも、オレ達は違う。セトナ遺跡の秘宝はオレ達が必ず手に入れる。願いではなく、確信だった。

 セトナ遺跡の入り口は石で作られていた。見ただけではわからないように魔法がかかっていたが相棒が簡単に見破ってくれた。中に入ると床も壁も天井も隙間なく石で組まれた長い通路が続いていた。オレは壁に手を触れて、トラップの気配がないから探りながら慎重に奥に進んだ。トラップが壁に触るだけでわかるのかって?わかるんだな、これが。トラップがあると振動の伝わり方が違うんだ。壁の後ろは土で埋まっている。トラップが壁や床にしかけられていると空洞ができて、伝わり方が微妙に違うんだ。トラップはわかるんだが、わからないもののある。いきなり、粘液状のモンスターが石の間から飛び出してきたときは驚いたね。身をかわしたオレの後ろから相棒の魔法を撃って、モンスターは蒸発。オレは思ったね。最高の相棒だと。



 話していたのは若い男だった。広い酒場の一角で椅子に腰掛け、酒の入ったグラスを揺らしながら周りに集まった人々に語りかけるように話していた。男の冒険談は長く続いた。やがて、話はクライマックスに突入。セトナ遺跡の祭壇の前で男は巨大モンスターと戦い、それを信頼する仲間が援護する。モンスターから深手を負わされても、心折れることなく戦う男。やがて、モンスターは倒れ、男は勝利する。秘宝を探し始める男と仲間達。記憶と話すことができる仲間が、女性の記憶と出会う。その記憶から2つの秘宝にまつわる物語が明らかなる。身分違いの悲しい恋。失われた命、女性はは絶望の中、最後の力を振り絞り、愛する男の為に秘宝を隠す。女の記憶が、男と仲間達に秘宝を託すところで話は終わった。

 男が話し終わると拍手喝采が起きた。聴衆には涙を浮かべている人もいる。

 オレも一生懸命拍手した。隣でムーもすごい勢いで拍手している。

 若い男はみんなに軽く手をあげると、椅子から立ち上がり、出口に向かって歩き出した。そのとき、オレ達の横を通った。

「おや、そこにいるのはレンフィールドさんじゃありませんか?」

 若い男がオレのいるテーブルにいる壮年の男に声をかけった。

 オレのいるテーブルには、魔法協会カセズ自治区支部長レンフィールドさん、オレ、ムー、シュデルの4人がいた。オレとムーはいつもの格好だが、シュデルだけは顔の下半分を布でぐるぐる巻きにして、フードを深くかぶっていた。

「美しい物語だった」

「喜んでいただけたようでよかったです。オレはレンフィールドさんがこられるとは思っても見ませんでした」

「今日は君たちに会いに来たんだ」

「オレ達に?」

 若い男の後ろに2つの人影。

「紹介した人物がいてね」

「もしかして、そこにいる3人ですか?」

「知っているのか?」

「いや、初めて見る顔ですね」

 レンフィールドさんが満面の笑みで言った。

「紹介しよう、彼らは桃海亭の方々だ」

「どうも」

「はいしゅ」

 オレは会釈をして、ムーは片手をあげた。

「面白くない冗談ですね。冒険者パーティ桃海亭はオレ達だけですよ」

 笑顔を浮かべたまま、若い男がオレ達を見回した。

 若い男は大柄でオレより20センチは背が高い。横幅もある。

 その後ろにいる14、5歳の少年は、ピンクのローブを着ていて、脱色に失敗したような灰色の髪をしている。もう1人も少年とお揃いのピンクのローブを着ている。ほっそりとした体型で男に化けているつもりらしいがどうみても女性だ。

「君たちがどんなホラ話をしようと、魔法協会に関係なければ、こちらとしては関わりたくないのが本音だ。だが、ムー・ペトリを名乗られるのは困る。彼は魔法協会に所属する魔術師だ」

「何を言っているのかわかりませんね。ムー・ペトリはここにいますよ」

 灰色の髪の少年が前に進み出た。

「ボクがムー・ペトリです」

 切れ長の目、とがった顎。知的な風貌だった。

 レンフィールドさんが何かをいいかけたのを、オレは身を乗り出してさえぎった。

「いいと思います」

「いきなり、何を」

 当惑した表情を浮かべたレンフィールドさんにオレは言った。

「この際、桃海亭という名前は彼らにあげましょう。オレ達は名前を変えます。名前に桃が必要なら、桃山亭とか、桃川道具店とか、どうでしょう」

「バカなことを言わないでくれ」

「本気です。桃海亭というだけで、オレ達がどれだけの迫害にあってきたか…」

「賛成しゅ!!ボクしゃん、美味しい桃店がいいしゅ!」

「どうです?レンフィールドさんが『うん』と言ってくれれば、オレ達もガガさんと本部に言って」

「言えるはずがないだろう。君たちが本物の桃海亭なんだから」

「本物なんて、どうでもいいじゃないですか。ついでに、名前の方も変えていいですか?ロイとか、ポールとか」

「いい加減にしろよ」

 若い男が低い声で言った。

「桃海亭はオレ達だ。あんたが何者か知らないが、桃海亭の名前を使って遊ぶのはやめてもらおう」

 若い男と仲間だけでなく、物語の聴衆だった人々のほとんどがオレ達をにらんでいる。

 オレは何度もうなずいた。

「わかった。桃海亭はあなた方です。これから先、ずっと桃海亭を…」

「店長」

 氷のような声がした。

 浮かれ気分のオレとムーが停止した。

 シュデルが立ち上がった。

「申し訳ございません。店長が失礼なことをいいました」

 深々と頭を下げた。

「勘違いされていると思うので訂正させていただきます。ここにいる3人は桃海亭という古魔法道具店を開いております。冒険者などではありません」

「オレ達のパーティ名を店の名前に使ったのか!」

「桃海亭の名前の使用についてはわかりせんが、店長がウィル・バーカー、そちらのチビがムー・ペトリなのは間違いありません」

「ムー・ペトリしゅ!」

 ムーが両手をあげた。

「ボクの偽物ですか」

 少年が薄い笑いを浮かべた。

「やめてくれ!ムー・ペトリを怒らせないでくれ。彼は本物なんだ!」

 レンフィールドさんの声は悲鳴に近い。

「彼が本気になればカセズ自治区がなど地図から消えてしまう!」

 レンフィールドさんの様子を、怪訝そうに見ているのは店の客達。レンフィールドさんの必死の様子に、どちらが本物の桃海亭かわからなくなっているのだろう。

「先ほどそちらの方が話されたセトナ遺跡のことですが、とても感動的な話だと思って聞いていました」

「そうだろう。あれが桃海亭の冒険だ」

 若い男が自慢げに言った。

「実はボクもセトナ遺跡に入ったことがあります」

 オレとムーがシュデルの上着をつかんだ。

 言わないでくれ。

 オレとムーの懇願の目を、シュデルはあっさりと無視した。

「魔法協会に頼まれた仕事の帰り、疲れていたムーが街道の斜面を転がり落ちました」

「セトナ遺跡の話だよな?」

「少しだけお待ちください。そのムーを助けるために店長、わかりやすくウィルと呼ばせていただきます。ウィルが斜面を降りている途中、石につまずいて転がりました」

 こいつも、転がったのかという視線が痛い。

「転がった先の地面に穴があり、ウィルが落ちました。そのとき、そばにいたムーも巻き込まれて落ちました」

 痛い、みんなの視線が痛い。

「ボクは2人を助けるために荷物からロープを取り出して、木に縛り付けました。そして、ロープの先を穴に降ろしたとき、穴からでてきた巨大な黒い触手に捕まりました」

「セトナ遺跡の話だよな?」

「あと少しでセトナ遺跡の話になります。黒い触手に巻き取られて穴の中に引きずり込まれると、巨大なモンスターがいました」

 ここでシュデルがムーを冷たい目で見た。

「イガ栗のように全身から触手をつきだしたモンスターの高さは10メートルを楽にこえ、100本以上のある黒い触手が波打つようにうごめいていました。巻き取られたボクは頭頂にある口に運ばれました。ボクを食べるために口がぱっくりと開くと、中にはすでにウィルとムーがいました」

 視線が一斉にオレとムーを見た。

 痛い、痛すぎる。

「2人は歯にしがみついて、大声で悪口を言っていました。転がった方が悪い、落ちる方が悪い、デブが悪い、チビが悪いと罵詈雑言の応酬をしていました。ボクが口の中に放り込まれる瞬間、大きく開いた口から2人は飛び出していきました。ボクを残して」

 もちろん、オレもムーもすぐに助けるつもりだった。

「ボクの味はお気に召さなかったようで、モンスターはボクをすぐに吐き出しました。ボクは吐き出された頭の頂上辺りで、触手の根元にしがみつきました。すぐに降りるのは危険だと思ったからです。見回したボクは驚きました」

 助けるつもりだったから、逃げ回りながらもオレとムーはもう一度異次元召喚をしたのだ。

「同じ巨大モンスターが現れたのです」

 2回続けて失敗することはよくあるが、同じモンスターが来たのは初めてだった。

「セトナ遺跡の話はいつになった始まるんだ?」

 若い男がしびれを切らしたように言った。

「セトナ遺跡の話をしております」

「君たちがモンスターに殺されかけたという話をしているだけだろ」

「セトナ遺跡という名前を使われているからわからないのだと思います。ネジムラス連山の崩壊と言えばご存じではないでしょうか?」

「ネジムラス地方周辺にある山脈が大規模に破壊された事件か?」

「あの美しい山々を壊したのが、この2人です」

 オレとムーは、視線から逃げるためにテーブルの下にもぐりこもうとした。が、レンフィールドさんがオレ達の襟首をもって引きずり出し、席に座らせた。

「2匹のモンスターは互いの存在に気がつくと大喧嘩を始めました。触手を振り回すだけだけでなく、体当たりをしたり、手当たり次第にものを投げつけたり、地下にあったセトナ遺跡は粉々といっても過言でないまでに破壊されました」

「この2人が落ちたのがセトナ遺跡だと言いたいのか?」

「はい、セトナ遺跡というのはあとでわかったことですが」

「そして、次はその変なモンスターが山を破壊したとでもいいうのかな?」

 若い男が嘲笑する。

「半分は正しいです。残り半分は違います。モンスターが暴れたために遺跡が崩れ、危険を感じたムーが魔法を使いました。その魔法のせいで、連山が下から上に斜めに消えました」

 再び、オレ達に注目が集まった。

 オレとムーは、ひたすら小さく身体を丸めた。

 ムーがつぶやいた。

「ウィルしゃんが、魔法を使え、言ったしゅ」

「オレは山を吹っ飛ばせなんて言っていない」

「穴を開けろって、言ったしゅ」

「あんなでかい穴、ドラゴンでも広すぎるだろ」

 ムーが顔を上げた。

「ウィルしゃん、ボクしゃんが魔法の力の制御できないの知っているしゅ」

 オレも顔を上げた。

「極小レベルで穴を開ければよかっただけだろ!」

「ボクしゃん、極小レベルでやったしゅ!」

「あれ以下はないのかよ!」

「ないしゅ!」

「あれ以下がないなら、せめて、真上に撃てよ。魔力の制御が苦手なんだから!」

「店長」

 突き刺さる氷の声。

「ムーが魔法を撃ったとき、ボクがどこにいたかわかっていますよね」

 オレとムーはシュデルから顔をそむけた。

 落ちてくる大量の瓦礫に焦って、シュデルにまで手が回らなかった。

 拍手が聞こえた。若い男が、手を叩いている。

「面白い話だった。荒唐無稽だが、オレは嫌いじゃない」

 レンフィールドさんが額を指で押さえた。

「魔法協会としても嘘であって欲しかったが、彼の話は本当なのだ。信じられなければ魔法協会本部にあるセトナ遺跡についての調査書を読むといい。桃海亭がネジムラス連山を放った異次元召喚獣2匹は3日間暴れ回り周囲の自然を完全に破壊した。現在、魔法協会が復旧につとめている」

 若い男が何か言おうとしたが、その前にレンフィールドさんが顔を上げた。

「さっき、彼が桃海亭という名前をあげると言ったのを聞いたと思う。私としては彼の気持ちがわからなくない。桃海亭というのは、我々、魔法協会関係者には蛇蝎のごとく忌み嫌われる名前なのだよ」

 若い男の目が泳いでいる。

 レンフィールドさんの言っていることが、嘘なのか、本当なのか、判断がつかないのだろう。

「秘宝……秘宝の話がない」

 若い男がオレに言った。

「秘宝?あ、あれか。あれがどうかしたのか?」

「どこで見つかったのか君たちに言えるのか?」

 オレは答えをシュデルに任せた。

「護符のことでしたら、彼らの方から来てくれました」

「来てくれた?」

「ボクはモンスターの触手の根元につかまっていましたが、モンスターが暴れる度に振り回され、いつ落ちるかわからない危険な状態でした。そこにムーの魔法で大量の石材が落ちてきました。死を覚悟したボクのところに護符たちが助けに来てくれたのです」

 若い男が黙った。理解不能なのか、情報不足なのか、話を進める気はないようだ。

 レンフィールドさんが諭すように言った。

「桃海亭の名乗るのは今日限りでやめたほうがいい。桃海亭は君たちが思っているような冒険者パーティではない。国家レベル級の問題を次々起こす古魔法道具店のことなのだ。桃海亭を名乗っていれば、いつかは間違えられて命を狙われる可能性もある。ここにいる本物の彼らなど毎日命の危険にさらされている」

 若い男がオレとムーを品定めするようにジッと見た。

 毎日命を狙われても生き延びている強者、には、オレもムーも見えないかもしれない。

「レンフィールドさん、偽物をつれてくるなら、もう少し、それっぽいのを連れてきてくださいよ」

 若い男は桃海亭を続けることにしたようだ。

 店の客達も若い男の自信のある態度に、再び向こうが本物だと信じ始めている。

「桃海亭は本当に危ないところなのです」

 立っているシュデルが若い男に言った。

 そして、フードをはずして、顔の下半分を巻いている布をはずした。

 客達から驚きの声があがった。

「お話の中にでてきた、記憶と話すことができる仲間というのは、ボクのことだと思います」

 まっすぐな目で若い男を見た。

 若い男は言葉を失っている。

 噂で聞いたことはあっても、本当にいるとは思っていなかったのだろう。

「どうか、桃海亭を名乗るのはやめてください。今日もこちらに来る途中、ウィルとムーが刺客に殺されそうになりました。ボク達が殺されるのは自業自得かもしれませんが、あなた方が人違いで殺される必要はありません」

 シュデルが後ろにいる2人に近づいた。

 灰色の髪の少年に小声で言った。

「退学になっていません。そう言っています」

 少年が目を見開いた。

 女性の方に小声で言った。

「強く握ってくれる手が待っています」

 女性が瞬きをくりかえした。

 シュデルは一歩下がると、2人に優しく言った。

「行く場所があるのでありませんか?」

 ためらったのは一瞬だった。2人とも入り口に向かって駆けだした。もう、オレ達のことも、若い男のことも、頭にはないようだ。

 残された若い男は呆然としている。

 レンフィールドさんが立ち上がって、若い男の肩をたたいた。

「わかっただろう。この少年は本当に記憶と話せるのだ。彼は君の本名も経歴もすべて知った上で桃海亭を名乗るのをやめるように言っているのだよ」

 若い男はシュデルをにらんだあと「化け物」と言い捨てて酒場から出ていった。

「化け物しゅ」

 ムーがシュデルを指して、ケタケタと笑った。

「本物の化け物に言われたくありません」

 言われたムーと言ったシュデルが、にらみあった。

「やるなら店に帰ってからにしろ。いまはこっちを片づけるぞ」

 シュデルがうなずいて、席に座った。

「レンフィールドさん、オレ達は店に戻りますけれど、よろしいですか?」

「こちらとしては、彼らの正体を教えてもらえると助かるのだが」

「最初に説明しましたとおり、不要なトラブルを回避するため、記憶から得た情報は一切開示いたしません。本名や住所を知りたいのでしたら、レンフィールドさんの方でお調べください」

「調べるには手間も金もかかる。手がかりだけでも教えてもらえると助かる」

「調べる必要はないと思います」

 シュデルが言った。

「内容は言えませんが、彼らはここには二度と戻ってこないと思います」

「本当かね?」

「絶対とは言い切れませんが、おそらく、戻って来たくてもこられないと思います」

 そう言うと、シュデルが端正な顔をほころばた。

「もし、彼らがボクが記憶から聞いたことを知っていたなら、桃海亭の偽物を続けていたと思います。ボクの口車に乗って、元の自分に戻ったりしません」

 オレは恐る恐る聞いた。

「あの3人はこれから先、何か不幸な目にあうのか?」

「自業自得です。桃海亭を名乗ったのですから」

 うれしそうに微笑んだシュデルに、レンフィールドさんが驚いている。

 華奢で端正な容姿と誠実そうな物言いから、思いやりのある優しい性格をイメージしていたのだろう。

 真面目で優しいところもあるが、攻撃されたら容赦がなく反撃するのがシュデルだ。

「わかった。依頼はこれで終了にする」

 約束の礼金を受け取ったオレ達は、夜も遅かったことからカセズ自治区に一泊してから帰ることにした。

 翌朝、出発の挨拶に魔法協会に立ち寄ると、レンフィールドさんが3人がどうなったのかを教えてくれた。

 あのあと、酒場を出た3人はカセズ自治区の門を抜けようしたところで、待ちかまえていた人々に捕まったらしい。

 偽ウィルはドワーフの鉱山へ。

 偽ムーは全寮制の学校へ。

 偽シュデルは遠い国にお嫁に行くことになったらしい。

 3人とも逃げようと暴れて大騒ぎになり、レンフィールドさんのところに連絡がいったらしい。

「シュデルくんの言ったとおり、3人とも戻ってくるのは難しそうだ」と、レンフィールドさんは笑っていた。

 上機嫌なレンフィールドさんはカセズ自治区名産の特大クッキーを土産にくれた。

 帰り道、特大クッキーをかじっていたムーが、前方不注意で街道から転がり落ちた。

 オレは助けに行くべきか、真剣に考えた。



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