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いつか夢見た百合の世界  作者: 朝乃 永遠
ついに異世界へ
38/104

お姉ちゃん、私、きたよ

「も~、なんで帰ろうとするかな~」


お姉ちゃんの放った冗談を無視して帰ろうとした私たち。

すぐに止められ、この状態。

怒ってるとは思えないかわいさだった。


「お姉ちゃん、私、きたよ」

「かなで……」


この前、夢みたいなところで会ったけど、

直接会うのは8年ぶりだ。


「お姉ちゃーん!」

「かなで~!」


お姉ちゃんにダイブする私。

ああ、生身のお姉ちゃんだ……。

やさしい香りがする。


そしてやわらか……。

んん?


「あ、モカさんの方がフカフカ~」

「かなでさんったら、もう♪」

「モカ~!!」


モカさん、とてもうれしそうだ。


「まぁいいわ……」


お姉ちゃんは一度、私から離れる。


「ハノも一緒に来たのね」

「はい」


私とモカさんのほかに、

ハノちゃんを見つけて話しかけてくる。

そういえば、知り合いだったね。


「お姉ちゃんとハノちゃんはどういう?」

「お友達よ? ね~♪」

「?」


「えぇ~!?」


お姉ちゃん、ハノちゃんが首をかしげてるよ……。

これ傷つくんだよね……。


「で、でも、仲良しよね~」

「はい、仲は良いです」

「ほっ」


お姉ちゃん、必死だね……。

『めがみさま』なんて呼ばれてるから、

お友達って感覚ではないんだろうね。


そんなお姉ちゃんを見て、モカさんが勝ち誇ったような顔をしている。


「めがみさん、私はもう二人のお姉ちゃんですよ」

「え?」


モカさんはそう言うと、私を抱き寄せる。


「あ、メロン……」

「モ、モカー!」


やわらかい……。

何もかもを忘れてしまいそうなやわらかさだよ~。


「うう、私の妹たちが……」


あ、お姉ちゃんのLPが0になりそう。

そんな気がした。


なので私は、お姉ちゃんに回復魔法を使ってみる。


「お姉ちゃん、モフモフして~」

「はうっ、いくらでもしてあげるわ~」


一瞬でLPが全快した。

……ような気がする。


「さ、こんなところで話をするのもなんだし、私の部屋に入りましょうか」


お姉ちゃんについて、部屋の中に移動する。

そういえば、大事な話があるんだった。

全く急いでなかったなぁ。


ハノちゃんとモカさんがソファに座り、

お姉ちゃんは自分のベッドに腰掛ける。


私はお姉ちゃんに手招きされたけど、

マカロンの形の大きなクッションを見つけたので、

これに座ることにした。


そういえばマカロンって食べたことないなぁ。

どこで売ってるんだろう?

探しても見つからないんだよね。


ん? お姉ちゃんがしょんぼりしてる……。

どうしたの?


「で、私を呼んだ理由って何?」

「え? 呼んだ理由? う~んと」


なぜ悩んでいる……。


「直接会いたくなって♪」

「いまさら!?」


8年経たないと会いたくならないのか……。

ひどいなぁ……。

私があの時どれほど悲しんだか……。


ユウキたちがいなかったら、

立ち直ってなかったかもしれないほどだったのに。


「ふふふ、冗談よ」


そう言って、にっこり笑うお姉ちゃん。

どの辺が冗談なんだろうか。


「つまりお姉ちゃんは私とは会いたくなかったってことだね」

「か、かなで、怒ってる……?」

「怒ってないです、ツ~ン」


そんな私を見て、モカさんたちが味方してくれる。


「やっぱり私の方がお姉ちゃんにふさわしいわね」

「かなでさん、かわいそう……」


みんながやさしいよ~。


お姉ちゃんが

「みんな私の扱いひどくない!?」

と、泣きそうになっている。


まぁ、別に怒ってないんだけどね。


「もう、とにかく! あなたを呼んだのはね」

「うん」

「あなたに天空の島をあげるためよ」


……。


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