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いつか夢見た百合の世界  作者: 朝乃 永遠
ついに異世界へ
32/104

用がないと連絡しちゃダメですか?

私はスマートフォンを取り出し……。

って、しまった! 今バスタオル姿だった。

置いてきちゃった~。


と思ったらバスローブ化した

バスタオルのポケットに入っていた。


そういえばお風呂でアニメ見ようと思って

持ってきたんだった。

よかった。

いろはちゃんのことですっかり忘れてたよ。


よし、モカさんに連絡しよっ。

アプリを立ち上げ、『モカお姉ちゃん』をタップする。

そしてワンコールでつながる。

怖い。


『か、かなでさん!? まさか連絡をくれるなんて! 私感動で!』


プツッ。


あ、切れた。

今のは……モカさん?

いつものモカお姉ちゃんじゃない~。


あ、モカさんから着信だ。


「はい」

「こんばんは、かなでさん」


あ、いつものモカさんだ~。


「何かあったの?」

「用がないと連絡しちゃダメですか?」

「ふぇっ? いえ、ダメじゃないけど……」


うわ、かわいい声だ。


「あの、かなでさん、さっきのもう一回言って? 録音するから」

「え?」

「あと、『おはよう♪』と『おやすみ♪』もお願い」

「あ、あの……」


「あとあと、『モカお姉ちゃん、だ~いすき♪』もお願いします!

キャー! 言っちゃった♪」


誰この人……。


「え~と、今度会った時でいいですか?」

「生ボ!?」


生ボて……。

生ボイスって言いたいのかな……。

私はアイドルか。


「あの、それより用件いいですか?」

「あらごめんなさい、どうぞ」

「私のお姉ちゃんの名前ってなんでしたっけ?」

「……」


モカさんが沈黙してしまった。

やっぱり知らないのかな。


「かなでさん、自分の大好きなお姉ちゃんの名前を覚えてないの?」

「はい、ずっとお姉ちゃんって呼んでたので」

「くっ、あの人、なんてうらやましいことを……」


あの人……ってことは知り合いなのかな、お姉ちゃんと。


「モカさん?」

「あ、えっと、お姉さんの名前はめがみよ」

「あの、それじゃなくて、本名が知りたくて」

「姫百合めがみ」


「……」

「……」


「ええ~!?」


めがみって本名だったの~!?


あと、電話のむこうから私の声が聞こえた気が……。


「じゃあ、今からそっちへいくからね」

「え? 今からですか?」


そのとき、今まで後ろで放置状態だったハノちゃんが声をかけてくる。


「あの、かなでさん、お風呂の中にこっちにむかってくる人が……」

「まさか……」


あの見覚えのあるローブは……。

モカさん……だよね~。


「こんばんは、かなでさん」

「モカさん、こんばんは」

「さっきはごめんなさい」

「え?」


「私、電話だと変なテンションになってしまうみたいで」

「そうでしたか」


まぁ、いるよね、そういう人。

それよりもですよ。


「あの、モカさん?」

「どうかしたの?」

「そのローブを着たままお風呂に入ってたんですか?」


なんか、すんごい濡れてますけど……。

あと中に何も着てないみたいで、色っぽいです。


「まさか、さっき着たのよ、魔法で」

「わざわざお風呂の中で着たんですか? 魔法で」


「全裸がよかったの? 大胆……」

「そんなこと言ってませんよね!?」


一度お風呂からでて着たらいいと思ったんですよ。

まぁ、ちらっと見える赤くなってる顔がかわいいのでいいです。


というか、直接会っても変じゃないですか、モカさん……。

あのクールで優しいモカさんはどこへ……。

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