体が糖分を拒絶してるんだ
観覧車に乗った後、園内のレストランに入っている。
もう日も暮れるし、アトラクションに乗るのは終わりにして、
最後にパレードを見て帰ることになった。
そのパレードの時間まで少しあるので、先に夕食をとることに。
なぜか全員がカレーライスを注文する。
素晴らしい友情。
……関係ないか。
みんな今日の思い出を話し、楽しい夕食の時間を過ごす。
たまにユウキと視線が合って、
赤くなりながら目をそらされることもあったけど。
元に戻るまでしばらくかかりそうだね。
お姉ちゃんがいなくなってひとりぼっちになった私。
ユウキといろはちゃんに救われ、3人で過ごした日々。
マロンちゃんが来て4人。
今はチョコとバニラを加えて6人になった。
私の周りもずいぶんにぎやかになったなぁ。
「ねぇねぇ、かなで」
「どうしたの、マロンちゃん」
「ちょっとお願いがあるんだけど」
「何?」
隣の席のマロンちゃんがメニューを開きながら寄ってくる。
「これ食べたいなぁって」
「いいよ。でも大丈夫? すごく大きく見えるんだけど」
マロンちゃんが指差していたのは、大きなチョコレートパフェだった。
「うん。だから食べるの手伝ってほしいんだ」
「そういうこと。まかせてよ♪」
「ありがと!」
守りたい、この笑顔。
それにしても、ここのパフェは何でこの大きいのしかないんだろう。
もっと小さいの用意してほしいな。
じゃないと1人で食べきれな……はっ!
それが狙いか!
これしかないから、頼んだらみんなでいちゃいちゃ食べるしかないっ!
考えた人天才だね。尊敬しちゃう。
「かなで、なんか頭悪いこと考えてないか?」
「しっつれいな!」
タッチパネルで注文をいれてしばらくするとパフェが運ばれてきた。
それを見て全員が固まった。
思っていたよりかなり大きなパフェだった。
2人分くらいだと思ってたのに……。
これじゃまるでバケツパフェ。
「かなで、どうしよう。思ってたよりおっきい……」
「巨大パフェ、みんなで食べれば、大丈夫」
「巻き込まれた!?」
ユウキ、みんな、ごめん。
2人じゃ無理!
というわけで、カレーライスを食べ終わった人からパフェへ挑んでいく。
小皿に一度取り分けて、少しずつ攻略しよう。
6人いればさすがに大丈夫だろう。
1人の取り分は何とかなる量だ。
しかし、そう簡単には進まない。
「無念……」
「私も限界です~」
チョコとバニラがリタイアする。
いや、よく頑張ってくれたよ、その小さな体で。
あとはまかせて!
「……かなで、おかしいよ」
「ど、どうしたのマロンちゃん」
「体が糖分を拒絶してるんだ」
なんですって~!?
「お前、今日甘いもの食べすぎなんだよ」
「だって~、食べたくなっちゃうんだもん~」
ユウキにつっこまれ、マロンちゃんが小さくなる。
さすがに残り3人はきついか。
いろはちゃんは意外と順調っぽいけど……。
そこに私のスマートフォンに着信が。
見ると、メッセージが届いている。
差出人は……、なんとモカさんだった。
『あなたとマロンの食べかけを持って7番テーブルまで来て』
わぁ、いつも見守ってくれてるぅ~。
怖い~。
「ちょっと行ってきます」
「え……、食べかけ持ってどこへ……」
「ちょっとね」
ユウキにすごいジト目で見られてる。
まぁ、おかしい行動ではあるし、仕方ない。
しかし、ユウキは何か分かってしまったような表情をすると、
赤くなっていった。
「かなで、そういうのはほどほどにしとけよな。
本当についていけなくなる……」
「え、何が!?」
今の本当にわかんないんだけど!
とにかくモカさんにメッセージを返し、
食べかけを持ってテーブルにむかった。




