表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつか夢見た百合の世界  作者: 朝乃 永遠
遊園地で遊ぼう
14/104

笑顔で人を氷漬けにするいろはちゃんは、 まるで雪女のようだった

お姉さんからそれぞれ杖や腕輪をもらい、

お城の中のスタート地点まで移動する。

そこから乗り物で進みながら、

出てくる敵にポインタを合わせてボタンを押すと、

魔法がでて敵を倒していくゲームらしい。


今まで遊んだことのないタイプのアトラクションなので、

少しドキドキしている。

どんなのが出てくるんだろうか。


「あ、何か出ましたよ!」


バニラが指さす方を見ると、

お城の兵士のCGが現実に投影されている。

すごい! 最近の技術はこんなことになっていたんだ。


というか、お姫様が兵士に魔法をむけるって、

どういう設定なんだろうか。


バニラがポインタを兵士に合わせボタンを押す。

するとバニラの手からものすごい勢いで炎が飛び出し、

兵士が燃えていく。


すごくリアルな炎に圧倒され、

驚きすぎて声も出なかった。

しばらく放心していたバニラがはっとなって、


「またつまらぬものを燃やしてしまったです」


と額に手をあてポーズを決める。

なんかユウキみたい……。


そして次の兵士が出てくる。


「あ、次は私やってみたいです!」


いろはちゃんが珍しくこどもっぽく興奮している。

ポインタを合わせ、ボタンを押すと今度は兵士が氷漬けに。


「きゃー、楽しいです~」

「ですよね!」


いろはちゃんが満面の笑顔でいうと、、

バニラもいろはちゃんに抱きついてはしゃいでいる。


笑顔で人を氷漬けにするいろはちゃんは、

まるで雪女のようだった。


しかしこうなってくると私もこの杖を使ってみたい衝動に駆られる。

次の兵士が出てきたところで杖をかざしボタンを押す。

すると杖の先端の玉から光線が敵にむかって飛んでいく。


「おお」


なんか一番ファンタジーっぽいかも。


その後はみんな夢中で魔法攻撃を加え続け、

順調に進んでいく。

そしてなにか大きな扉が見えてくる。


「あれがゴールかな」

「そうかもしれませんね」


近づいてくると大きな扉が開き、私たちは中へ。

これで終わりかと思っていたら、

なにやら大きな敵が出現。


「え、ラスボスですか?」


バニラが目を丸くして言う。


「あ、ライフポイントついてる」

「一撃じゃ倒せないんですね」


え、なんかオンラインゲームみたいになってるけど……。

とはいえ別に攻撃してくるわけでもなく、

こちらがひたすら魔法を連射してあっけなく終了。


そして乗り物が動き出す。


「今の何だったんでしょうね?」


いろはちゃんが不思議がっている。

ラスボス、なんか人じゃなかったもんね。


「きっと魔法を使いまくるためのボーナスタイムですよ」


うん、なんかそんな感じだったね。


しばらくして本物のゴールへ到着。

あ~、結構疲れちゃったなぁ。


それにしても私この前お風呂で

本物の魔法を使ったんだよね……。

なんか今のゲームで妙な感覚が残った。

本当にあれができそうな、確信に近いものが。


「楽しかったですね、お姉ちゃんっ」


バニラの声に我に返る。


「うん、楽しかったね」


まあ、あれこれ考えるのは今はよそう。

せっかくの楽しい時間なんだから。


出口でお姉さんに杖と腕輪を返し、外に出る。

スマートフォンで時間を見ると、お昼に近い時間になっていた。


「そろそろお昼ごはん食べるとこ行こうか?」


私はふたりに確認を取る。


「じゃあ私ユウキちゃんに連絡入れておきますね」

「うん、ありがとう」

「じゃ、いきましょう~」


私たちは手をつないでお店の多いエリアへむかった。

なんかふたりに挟まれるのが普通になってきたね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ