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ごんぼう

 ちゃぽん、と音を立てて小川から水を汲みとる。

 キドニー型の飯盒にたっぷりと入った水に眼を凝らし、一度それを川に戻す。


「どうやら飲める水のようですね。水棲生物も見られますし」


 周辺の状況を調査して見つけた昆虫などを調べて、原始的な構造を持った遺存種の幼体などを発見している。


「夜菜さん、問題なく飲めるみたいです。ムカシトンボっぽい幼虫も居ましたし」


「指標昆虫か。よく知っていたな、そんなもの」


「昆虫は男の子のロマンですよ」


 子供の頃は図鑑を総ざらいしたものだ。外に出て捕まえに行かなかった辺りはちょっと違うかもだが。


「水は問題なく使えるようですし、炊爨を始めますね」


 周囲は渓流と言える地点に変わっており、辺りは鬱蒼とした森がある。

 足元に繁茂した背の短い草の影に隠れて木の枝は幾らでも落ちている。


「美味いものを作れよ」


「努力しますけど、食材がアレなので限度がありますよ」


 そう言いつつ、渓流から拾って来た石で竃を作る。

 学校での野外授業や、キャンプなどで培った経験がここで生きる。

 何事もやっておくものだなぁ、と思いつつ竃をくみ上げ、ちょうどいい木の枝を石の山に埋めて飯盒をぶら下げる。

 問題ないことを確認すると、米を研いでくる。

 家では殆ど一人暮らしのようなものだったので、米を研ぐくらいは容易い事だ。


 そうして米を研ぎ終えて、用意できた竃の上に飯盒をぶら下げて後は着火だ。


「あ、どうやって着火しよう……」


 ど、どうしよう。着火器具なんて持ってないし、作るか?

 もしくは原始時代のそれでゴシゴシやるとか……私の体力じゃ100年経っても火がつかないぞ。


「よ、夜えも~ん!」


「誰が夜えもんだ。夜菜様と言わんか、夜菜様と」


「すみません、夜菜様。それで夜菜様、この下賤の朝菜目にどうか火を熾す方法をご指導ご鞭撻お願い申し上げます」


「冗談だからへりくだるな。着火なんてのは魔法を使えばいい」


「……極力魔法は使わないのでは?」


「それよりも食事が大事だ」


 この人の基準が分からない……そう思いつつも、魔法で着火された火を調整しつつ飯盒に火を当てていく。

 ゆらゆらと揺れる炎を見ていると、なんとなく心が騒ぐような不思議な感覚がするのは人類共通の感覚なのだろうか?

 そんなことを考えているうちに、水と大麦を入れておいた飯盒が沸騰した。

 ちょっと場所を移動させて火から遠ざけ、削った岩塩と干し肉を放り込んでおく。


「あ、そうだ、夜菜さん」


「なんだ?」


 先ほどから後ろにいたのか、すぐ後ろから声が返ってくる。


「ご飯はおこげがある方がいいですか?」


「いや、普通でいい」


「わかりました」


 じゃあ炊き上がりは気を付けないとなぁ。

 それに、ご飯を水につける時間がなかったから、ちょっと芯が残るかもしれない。

 少し水を多めにしたが、べちゃべちゃになるかもしれない諸刃の刃である。


「そう言えば、あの子はお米食べられるんでしょうか?」


「どうだろうな? まぁ、麦粥を食わせればいいだろう」


「それもそうですか」


 あの時に助けた子は小川で釣りをしている。

 夜菜さんの髪の毛と木の枝で作った代物で、本当に釣れるかどうかも怪しいが、ダメでもともとだ。


「ぼちぼち煮えてきましたかねぇ」


 麦粥をかき回していた棒を飯盒の蓋に当てる。まだグラグラ来ているという事は、沸騰中か。

 出来るだけ弱火で初期加熱をしたが、うまく炊けてるだろうか?


「しかし……カレーが食べたい」


「いきなり何を言ってるんだ?」


「いえ、飯盒炊爨と来たらやっぱりカレーでしょう?」


「それはまぁ分からんでもない」


 まぁ、この場合、炊飯以外の奴は米とはあまり関係ないので、炊爨というよりは飯盒炊飯かもしれないが。まぁどうでもいい。


 そんなことを考えてるうちに飯盒が揺れなくなったので火から降ろし、逆さまにして置いておく。

 こうしておかないとうまく蒸らせないのである。


 さて、空いたスペースを使ってフライパンを加熱し、脂身の部分を放り込んで油を出す。

 肉はどうやら豚肉らしく、豚肉特有の香りが立ち込める。


「これで何か野菜があれば完璧だったんですが……」


 ブツブツ言いつつ、ナイフで豚肉を削ぎ切りしてフライパンに放り込んでいく。

 塩漬け肉は生でも食べられない事はないのだが……そもそもどれだけ日にちが経ってるのか分からないので加熱調理だ。

 さて、この塩漬け肉は部位的には恐らくバラ肉の辺りで、正確にはパンチェッタというのが分かりやすいかもしれない。


 パンチェッタは俗に生ベーコンとも呼ばれ、これを塩抜きして燻製にする事でベーコンとなる。

 つまり、塩漬け肉というから分かりにくいだけで、実際は慣れ親しんだ食材なのだ。


「夜菜さん、味見します?」


「する」


 わくわくとした表情で私のすぐ横に座り込んだ夜菜さん。

 フライパンから棒で一切れ肉を取り、それを差し出す。


「んむ……うまい。塩辛いが、ご飯があれば完璧だな」


「ならいい塩梅ですかね」


 フライパンを火から降ろし、飯盒の蓋に肉を移す。

 そしてご飯を炊くのに使った奴と、予備として使わなかった奴の蓋にも肉を三等分して盛る。


 炊いたご飯はと言えば、しっかりと蒸されて美味しく炊き上がっていた。

 火加減がちょっと悪かったのか芯が少し残ってしまったようだが、ちょっと硬めのごはんと考えれば十分食べられる。


 大麦のポリッジもちゃんと出来上がっており、干し肉から出たうまみがちゃんと出てる。

 塩加減はちょっと濃い目になったが、結構暑くて汗をかくのでちょうどいいだろう。


「やっぱ私が最強かー……」


「何が最強なんだ」


「いえ、なんとなく」


 元お料理研究会副部長と言えど、こんな野外炊飯は初めてだ。

 まぁ、そっちはミリタリー研究会で多少経験していたけれど。どちらかというと流出品のレーションを食べてみたり、というのが多かったし。

 あと、蛇を掻っ捌いて食べてみたりとか……。


「まぁ、味は私の筋肉にかけて美味しい事を保証しますよ」


「なぜ筋肉」


「私、筋肉には自信が無くてですね……」


「普通に美味しいかどうかわからないと言えよ……」


「いや、美味しいのは確かですよ。ただ、普通に美味しい、という範疇ですからね」


 本気で美味しい! というのだったら腕にかけて保障するのだが、適当に美味しい感じだから……。


「ちゃんとした設備と器具、そして食材があれば、お料理研究会副部長の威信にかけて美味しいものを提供して見せるんですがね」


「そうか。まぁ、期待している」


 ほどほどにな、と言わんばかりの態度。

 くっ、いつかすべてが揃ったら目にものを見せてやる。

 お弁当コンテスト1位に輝いて、コンビニ弁当として売り出されるようになった腕前を下に見ると後悔するぞ……!


「あ、そうだ。お前菓子は作れるか?」


 ん? いきなりなんだ?

 まぁ、食べ物と来たらご飯の次はお菓子に行くのは当然の帰結とも言えるが。


「作れますよ。洋菓子は試製38式が地元の洋菓子コンテスト1位に輝いた事もあります」


「変な名前だな……洋菓子で戦車でも作ったのか?」


「いえ、普通に38個目の試作品だから試製38式というだけですけど。実体はチーズケーキですよ。4層で別の味をつけて、表面をスポンジのクラムで覆います。下手に造るとレモンを使ってないので簡単に崩れるのでバランスが難しいんですよ。雪のように柔らかい口どけが自慢です」


「ほ、ほう……うまそうだな。今度作れ」


「材料と設備が揃ったら作ってあげますよ」


 試製38式の名前を出すと、その不思議な名前に必ず喰い付く。そして内実を説明すると、とても美味しそうなので食べてみたくなる……。

 これこそが私が女性を家にお呼びする最強コンボ!

 ふっ、2年かけてようやく創り上げた珠玉のお菓子なだけはある……。


「他には何かあるのか? 試製37式とかどうなんだ?」


「試製37式はティラミスですよ。こっちは特にこれと言った特徴は無いんですよね。特徴を出し切るのが難しくて断念しました」


「ほう、試製36式は?」


「ベイクドチーズケーキです。上にかけるソースの調合があまりにも困難で、今も研究中ですね」


「35式は?」


「スフレチーズケーキで……」


「お前チーズケーキしか造れないのか?」


「いえ、チーズケーキは普通に趣味です。好きなお菓子を作りたいのは人間の本能。勿論それ以外にも作ってますけどね」


 私が作るものであってもそれは誰かに食べさせてあげるものだ。

 自分の好きなものを一番おいしく作って食べてもらいたい気持ちはある。

 でもそれと一緒に、その人の好きなものを一番おいしく食べてもらいたい気持ちもある。

 だから私の好きな最高のものと、その人の好きな最高なものを作る。それが料理人としての私の気持ちだ。


「まぁ、お菓子の話はさておき、ご飯にしましょうか」


「そうだな。おーい! メシにするぞー!」


 夜菜さんが女の子を呼びに行ったのを見送り、私は飯盒を草で擦っておく。

 ついてしまった煤は早めに落としておかないといけないから、食べ終わったらすぐに洗わないとなぁ。


 さて、そうしてお昼ご飯を終えると、再び馬車を走らせる。

 するとまたヒマになる。まぁ、ヒマなのは夜菜さんだけであって、私は夜菜さんのスリーサイズを看破するのにとても忙しいのだが。


「兎追いし彼の山ー、小鮒釣りし彼の川ー」


「いきなり歌い出してどうした?」


「牧歌的な風景に思わず……」


「ふうん……お前の故郷、普通にコンクリートジャングルな都会だろ?」


「まぁ、そうなんですけどね」


 それでも、そう言った風景は人々の心の中に原風景として残っていると私は思う。

 私が心象風景として刻み込むそれは、見渡す限りの大草原で、山々や森が存在し、小川のせせらぎが聞こえるそれ。

 蒸し暑くて、セミたちの声が響き、額を伝う汗が不思議と心地よく、吹き渡る清涼な風に熱気が払われる……そんな光景だ。

 この風景はどこかそれに似ている。


「しかし、のどかですねぇ」


「そうだな……そう言えば、お前ってモヤシだけど戦闘は出来るのか?」


「出来る事は出来ますけど、見た目通りモヤシですよ」


 あれこれと部活に所属してたので、戦闘系の技術も多少齧っては居る。

 東洋武術研究会では正拳突きを習っただけ……とか程度で、殆ど練習もしてないけど。


「そうか……」


「格ゲーやって待ちガイルの体勢だけは覚えたんですが……」


「ソニックブームとサマソ使えないと意味ないだろそれ。しかもしゃがむだけのそれを覚えたとは言わん」


 全く持ってその通り。


「まぁ、私一人でどうにかなる程度に強かったら、パートナーなんて欲してませんしね……」


「それもそうだな」


 私は自分一人でどうにかなると思えるほど自惚れてない。


「しかし、女を矢面に立たせて情けないとか思わんのか?」


「私はフェミニストですので」


「フェミニストならなおさらではないのか?」


「ああ、フェミニストはフェミニストでも純粋に男女同権論者ですから。別に女性が家で家事をしなくてもいいですし、男が外で働くと決まってもいません」


「割とまともだな、おまえ」


「私ほど常識的な人間はいませんよ?」


 まぁ、男女平等を謳っても男女間の差は永遠になくならないだろうが。

 それが無くなる時は男女っていう性別がこの世に存在しなくなる時くらいだ。

 男女には肉体の組成や生態の時点で大きな差異があるんだからしょうがない。

 男が優れてるところもあれば、女性が優れているところもある。

 互いが得意分野をやるのもいいし、互いに得意じゃない分野を頑張ってやるっていうのも別にいいんじゃないか……私はそう思う。


「男女間の問題って難しいですよねぇ……私に言わせれば、男女では肉体が違うんだからしょうがない面もあると思うのに」


「いきなりなんだ? まぁいいが。まぁ、女は筋力が弱いのは当然なんだから肉体労働は男に任せた方がいいのは確かだ」


「しかし、肉体労働でない物をやってくれというと女性差別と文句を言いだす連中が居るのも確かで」


「そう言うアホには肉体労働をやれというと、女だからそんなものは持てない、と都合のいい時だけ女であることを持ち出すぞ。結局、そう言うのは免罪符を得て楽したいだけだからな」


「そうなんですよね……」


 いつの世の中もそういう人間は一定数居る者だ。

 私は女好きだが、そう言う女性とは全く関わりたくない。

 基本的に、やるべきことをやらない人間は嫌いなのだ、私は……。


「すべきことをただやる。それだけなのに。かくも男女間の問題とは難しい」


 男女平等は本当に難しい。人類に本当の意味で平等な時代が来るのはいつやら。

 まぁ、こういう平等云々って問題を出してると、いずれ共産主義に行き着いてしまうのでここらでやめるが……。


「……で、見事に話を逸らしていってるが、女を矢面に立たせて情けないとかは思わんのか?」


「チッ……」


 うまく話を逸らせたと思ったのに……。


「ええ、全く持って情けないとは思いますよ。でも出来ないもんは出来ないんだからしょうがないじゃないですか」


「ま、分を弁えているだけサポートもしやすいからいいがな。実際、私とお前が肉弾戦をやったら1000回中1000回私が勝つ」


 私めっちゃ弱いなぁ……いや、夜菜さんが強すぎるのだろうか?


「質問。夜菜さんって強いんですか? こう、素手でこうボコボコやる感じで」


「ああ、強いぞ。肉弾戦技術を好んで研究・習得しているアサナが居るからな。そいつらの記録・技術の共有で肉弾戦技術もある」


「へぇ~……私もその共有っていうのが出来ればよかったのに」


「出来たぞ。あの時に戦闘技術が欲しいといってればくれてやった」


「えー……今から頼んじゃダメですか?」


 戦うのが怖いのはまぁ確かなのだが、それでも一切頼るものがないというのはもっと恐ろしい。


「ダメだ。既に私はお前に技能を与える類の権限を剥奪されているからな」


「そうですか……」


 残念。


「ならしょうがないですね」


「ああ、しょうがない」


 その後は特に会話を交わすでもなく、私たち3人は草原をゆく。

 そうこうするうちに日は落ちて、夜がやってくる。


「うわあ……すごい空」


 輝く星々。都会では決して見る事の出来ない満天の星空。

 天文学部にも所属していた私の知る限り、見知った星座は一つもないようだ。

 それでも、空に輝く星たちは私に感動を齎すほど美しかった。


「夜菜さんは何をしてるんですか?」


 先ほどから六分儀らしきものを覗いては溜息を付いている夜菜さんに尋ねかける。


「測量だ。位置が分からんかとアレコレやってるが……そもそもの基点になる星が分からんのではな。昼間の太陽の沈み方も計測はしていたが、季節とこの星での私たちの位置が分からんでは意味がない。光量も一応計測したが、根本的に太陽の距離が一緒でなくては意味がないし……」


「そう言われてみれば、あの太陽が私の知っている太陽と同じもので、距離が同じという保証はありませんしね」


 この星の気候からしてちょうどいい距離と熱量を発しているのは間違いないが、地球の太陽と同じものだという保証はない。

 太陽系の太陽と違って小さいか大きいかでも距離はいくらでも変わってしまうし。


「この世界において私たちの常識は通じない。そんなところでしょう。というか、私は今日一日常識をブレイクされまくりましたよ」


 魔法があるという時点でもアレソレなのに、並行世界の自分が神様的なソレになってるというのもすごくビックリだ。

 もうなんというか驚きすぎて驚きを使いつくしたというレベルだ。

 もう驚きの表現は品切れなのでそのうち入荷しなくては驚けなくなる。


「お前、全然驚いてないように見えたけど驚いてたのか?」


「色んな部活で駆け引きが重要なゲームをするうちにポーカーフェイスが得意になりまして」


 あんまり馬鹿みたいに驚いてたら、夜菜さんに馬鹿にされると思ったので隠してたりする。

 まぁ、そんなことして何か意味があるのかと言われたら特にないと言わざるを得ないのだが。


「ふうん……まぁいいがな。私は測量を続ける。お前はもう寝ろ」


「もうちょっとだけ星空を見ています」


 それと、星明りに照らされる神秘的な美しさを放つ夜菜さんの姿も。


「そうか。まぁ明日に疲れを残さんようにな」


 星明りに照らされる彼女の姿。

 とても、とてもきれいだった。

 星明りに溶けて消えてしまいそうなくらいに儚いその姿が、例えようもなくきれいだった。


 それでいて、その顔には楽しくて楽しくてしょうがないという色が透けて見える表情が浮かんでいるんだ。

 なんでかは分からない、ただどこか儚い。そして、生き生きと輝いている。

 それが不可思議な魅力を醸し出して、彼女が今ここに生きているのだという事を世界に示し続けている。

 それが、とてもきれいだと思うんだ。


 風に揺れる金色の髪。腰元まで届く、細く長い髪。それは黄金を糸にしたかのように輝いて。

 夜闇を映してなお蒼く輝く瞳。透き通るトルコ石のように、そんな輝きを秘めた瞳。

 白磁のように白く滑らかな肌。星明りを帯びて柔らかく光を放っているかのようにすら見える。

 蕩けるように赤い唇。今すぐにでも甘い言葉をささやいて、そこに吸い付いてしまいたくなるくらい魅力的だった。


 ああ、きれいだなぁ。


 そう思いながら、私は静かに夜闇に隠れる草原の中で星空を見上げる。

 星がきれいだ。どこまでもどこまでも続く星の輝き。

 私の視力で見える星は、ほんの100にも満たない。それは地球での話。

 この暗い世界の中で、私の目で見える星はどれだけの数があるのだろう?

 空に浮かぶ星はとても数えきれないほどにたくさんある。異世界に来ているのだと、深く実感する。


 空の向こう側にある無限の可能性たち。輝きの中にある、目では見えないロマン。

 天体望遠鏡を覗く時と同じように、私は輝く星の巡りを想う。


「ああ、きれいだなぁ」


 そして、夜菜さんに向けた言葉を、星空に向けた言葉に隠して。

 私はただ静かに夜闇の中に輝く美しさに沈み続けた。

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