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06. 二人の相性

ステップ6。

彼との相性を測り、希望的観測を持たせましょう。




【1】


「夏川くんの好きなタイプって?」

「うーん……柔らかい子とか?」

「あの、それって人間?」

「ごめん待って、どういう意味」





【2】


「ほら、夏川くん動物好きだから、度が過ぎて、好きな女の子のタイプも動物っぽいのがいいのかなって」

「ナチュラルに失礼だよ。というか動物っぽい女の子って何。怖いよそれ。そんな子まずいないから」

「でも、たまにいるでしょ? 猫みたいに身軽な動きをしたり、猫みたいにしなやかだったり……」

「ああ、そういう意味?」

「あと猫みたいに爪で人を引っ掻いたり、猫みたいに暗闇で目が光ったり、猫みたいに頭に猫耳が生えていたり、猫に変身できたり……」

「それ水木しげるの世界じゃない?」





【3】


「お互いを動物に例えて、それで相性占いをするっていうのがあったんだけど」

「動物に? 俺って何だろう?」

「うーん。みんなの人気者だからパンダとか? あ、でも真面目なところから取って犬かな? スタイルいいからチーターとか……」

「あはは、決めないと占えないよ」

「じゃあ夏川くんは、私を動物に例えたら何だと思う?」

「バッファローだね」

「う、牛……! しかも即答……!?」





【4】


「あ、この本に血液で相性を占えるって書いてあるよ」

「ああ、血液型?」

「質問を読み上げるよ。『その1。彼の血は何色?』」

「え……もしかして俺、ろくでなしだと思われてる?」





【5】


「そうじゃなくて、正直に質問に答えればいいだけだよ。もう一回読むね。『彼の血は何色?』」

「……赤……」

「私も赤! わあ、私たち相性ぴったりだって!」

「……全世界の人間が仲良くなれそうな占いだね」





【6】


「血液型占いもあるよ」

「ようやく出てきたか……」

「夏川くんの血液型は?」

「A型」

「AA? それともAO?」

「えっ、遺伝子型まで掘り下げるの?」





【7】


「生まれた季節で占えるって」

「へえ」

「夏川くんは、夏だよね。私は秋だからえーと……」

「名前で決めないでくれる?」





【8】


「え? 夏川くん夏生まれじゃないの?」

「9月生まれだから、見方によっては夏かもしれないけど。暦の上では沢井さんと同じ秋生まれだよ」

「そっかー。秋生まれ同士の相性はね、『相性は普通。読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋生まれだから、それらしいことをしていればそれなりによくなる』だって」

「曖昧なアドバイスだね」

「……パンを銜えて読書しながらジョギングでもしてればいいんじゃない?」

「欲張りすぎだよ!」





【9】


「じゃあ次は、星座占いね。夏川くんは何座?」

「乙女座」

「えーと、『乙女座の男の子は例外なくオネエです。友達としての相性はぴったり!』だって」

「名誉毀損!」





【10】


「沢井さん。色々やってわかったことが、一つだけあるよ」

「何?」

「占いなんて当てにならないってこと」

「躊躇なく身も蓋もないこと言うねえ」



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