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無意味にするもの
海辺の素敵な場所へ
彼女をつれていく
絶対に告白すると
意気込んでみたものの
車が渋滞につかまり
空からは大粒の雨
用意したはずの言葉
今日も使わず繰り越される
お気に入りの音楽まで
彼女の趣味に合わなくて
会話はとぎれぎみ
思いだけがからまわり
夕立はすぎたのに
車内の冷房がきかなくなる
神様はなんて残酷
今日も嘆きが繰り返される
どうにでもなれと
車をよせて窓を開ければ
彼女が僕に振り向いて
無邪気に微笑みかける
はてしなく伸びる虹が
二人の未来に続く道のように
七色に光り輝いていた