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どんな願いも叶える猫

せっかく人生やり直したというのに、また成功してしまった俺

掲載日:2025/12/26

どんな願いも


何度でも


代償なしで叶えるにゃ!


ただしちょっと気まぐれだよ

「俺は成功したいんだ。成功して彼女にプロポーズする!」


猫の目が金色に光った。


「その願いは叶えられた。」


それからだ。

潰れかけていた俺の会社は、まるで何かに導かれるように奇跡のヒット商品を連発した。

資金は回り、人は集まり、俺の名前は業界に広がった。


憧れていた彼女と結婚し、子供が生まれ、やがて孫まで抱いた。

写真立ては増え、笑い声が家に残った。

振り返れば、何もかもが順調だった。


――けれど今、病室の天井を見つめながら思う。

この成功は、俺の力だったのか?


そんな疑問が浮かんだ瞬間、あの猫が現れた。


自称、「どんな願いも叶える猫」。


若い頃と変わらないしなやかな体で、ぐぃーんと背伸びをする。


「じゃ、もっかいやり直そっか?」


「……え?」


次の瞬間、俺は若い姿で、あの潰れかけた会社に戻っていた。

未来は、もう知っている。

何が売れ、何が失敗するか。

彼女が何を望み、どんな言葉で笑うか。


違う選択をすれば、子供たちにも孫にも会えない。

迷いはなかった。

結局、俺は一度目とまったく同じ人生を歩いた。


そして、再びこの病室に戻ってきた。


点滴の音が静かに刻まれる中、死に際にもう一度、猫が現れる。


「ロングスパンの願いは、叶ったところまで見届けるのが最高に楽しいにゃ!」


金色の瞳をきらきらさせて、猫は笑う。


「で、どうする? もっかいやる?

どうせアンタ、何回やっても成功するにゃ〜!」


返事をしようとして、声が出ないことに気づいた。

どうやら、お迎えが来てしまったらしい。


「あなた、二回も人生を繰り返してるから、散々待ったわよ!」


先に逝っていたあの人が腕を組んで立っている。

怒った顔なのに、どこか嬉しそうだ。


ナースがそっとカーテンを開け、脈拍計を確認する。

微かな異変に気づき、静かに家族を呼びに行った。


駆けつけた息子が、俺の手を握る。

娘は涙をこぼしながらも、どこか安心した顔で言った。


「お父さん、いい顔してるね。」


孫はよくわからないまま、俺の胸の上に手を置いた。


――ああ、そうか。

俺、幸せだったんだな。


俺は猫に向かって手を振った。


「猫、ありがとな。」


猫は肩をすくめ、軽く尻尾を揺らした。


「幸福を感じる力があるヤツは何したって成功するにゃ」


その声を最後に、世界はゆっくりと幕を下ろした。


気が向いたら評価して欲しいにゃん。


↓↓↓こっちも読んでみてね↓↓↓

「異世界とか来てる場合じゃないんだが」

〜猫にご飯あげたいから帰りたい〜

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