盤外1譜「変な学院長」
番外編ならぬ盤外編です。超短いです。
僕の眼前に見える彼女は、とある学院の学院長です。あなたには、彼女の異常さが分かりますか?一見しただけでは、ごく普通のありふれた人間に見えるでしょう。しかし、注意深く隅々まで観察すると、彼女を構成する要素そこかしこに奇妙な違和感が存在することに気が付くはずです。その違和感が重なり、やがて一つの恐ろしく信じ難い事実に結びつくのです。もう一度———。
「全く......冷たいじゃないか天橋名人。この私が君に話しかけているのにSA!」
「......黒田学院長。僕は現実逃避をしていたのです。貴女とこうして対面しているという事実から」
「釣れないことを言うじゃないKA〜。清仁と上手くやれてる君が、私のノリに着いていけないなんて言わせないYO!」
黒田 聖。我が渋谷中央学院の学院長にして、あの黒田くんの実の母親だ。清仁というのは黒田くんの下の名前で、彼には清隆くんという1学年下の弟くんがいる。ちなみに余談であるが、平沢さんのフルネームは平沢 奏さん。時透さんのフルネームは時透 遥さんである。
「昨年のこともあるから分かっていると思うけど、今日は君の名人防衛を祝う日SA」
「......予想は出来ていました。今日は6月2日ですからね」
名人防衛を決めた5月31日。そして名人防衛の記者会見等の業務をこなしていたのが6月1日。そして今日が対局の無い登校日である。そのため、今日表彰するのだろう。昨年は酷かった。体育館でドローンを使った表彰をされたのだから。あまりにも盛大すぎて後で国(というか内閣総理大臣から)怒られたらしい。
「......今度は変なこと、しませんよね?」
「HAHAHA!何もする訳無いじゃないKA!」
......前科があるんだよ前科が!その後、体育館にて僕は表彰を待つ。
「......表彰、『名人』天橋 夜空。貴方は第78期将棋名人戦において、見事名人位を防衛されました。依って学院より表彰致します。令和2年6月2日、国立渋谷中央学院学院長『黒田 聖』」
中等部、高等部問わず全ての生徒が僕に拍手を贈る。いつメンの「おめでとう」の声が特に響く。良かった......これで普通に終わ———。
「さぁ、諸君!大空をご覧あれ!」
ガラス張りになっている体育館の天井から花火の煌めきが生み出される。朝だというのに、花火の閃光が激しく舞っていた。
『やっぱり学院長最高だー!』
「やりたがったな学院長ー!」
その後、学院長は内閣総理大臣から説教されていた。
夜空の友人3人の誕生日一覧
平沢 奏→2005年4月1日
時透 遥→2005年2月4日
黒田 清仁→2004年11月9日




