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88話 エナドリを封じられる

「随分余裕のようだな。お前は俺の一撃を弾き返せる程強いのか?」

「それは難しいだろうね。でも力だけが戦いの全てではないのだよ」

「そいつぁ負け惜しみだぜランドルフのおっさん。オレ達に魔法は効かねぇんだ。アニキに勝つどころか、オレにも勝てねぇぜ」

「そうよ。貴方たちは騎士道なんて気にしないからね。一斉に攻撃するわよ」

「構わぬよ。それではワシが相手をしよう。初見の相手もいるから名乗るとしよう。私は十賢人の最高位、賢者ランドルフだ。さぁ、かかってくるがいい」


 ランドルフが杖を構えた。

 ヴィクターは王座に座ったところをみると、戦うのはランドルフだけのようだな。

 ヴィクターは余程ランドルフを信頼しているらしい。

 ランドルフが最高位の魔法使いだからなのか?

 ミステリアスミルクを使えば魔法に対しての耐性が得られる。

 魔法戦主体に見えるランドルフ相手であれば飲んでおいた方がよいだろう。

 帝国城に侵入する前に飲んでから時間が経っているからな。


「ブタリウス! 水魔法だ!!」

「ブッ!」


 ブタリウスが水魔法を放ったが、俺の元に水が届かなかった。

 これは魔法障壁か?!

 いつの間に展開したのだ?


「なんだこいつは? 見えない壁がありやがる」


 フェードが自身の周囲をナイフで攻撃しているが、ナイフが透明な何かに弾かれている。


「私も動けないわよ。透明化された魔法障壁が張り巡らされているみたいね。攻撃魔法がない私では対応出来ないわよ。聖女の力でも解除出来ないみたいだから」


 アリスがお手上げという風に両手を上げた。

 これが賢者ランドルフの狙いだったのか。

 魔法剣士のアルベルトとの戦いでエナドリの在庫を使い果たさせ、エナドリを補充するタイミングを狙って妨害するとはね。

 万能のヘンドリックが通信魔法で俺たちの情報を仲間に伝えていた時点で、こういう状況を想定しておくべきだった。

 これは俺の失態だな。

 周囲を叩いてみたが、かなり頑丈な魔法障壁が張られているようだ。

 ライジングハーブの力で強化していれば破壊出来ると思うが、さっきアルベルトを倒す時に使ったエナドリキックで力を使い切っている。

 今出来る事はランドルフの出方をみる事だけのようだな。

 俺たちを攻撃するには魔法障壁を解除する必要がある。

 持久戦に持ち込まれるとキツイが、簡単には手出し出来ないはずだ。


「俺たちを拘束しても無駄だ? このまま持久戦になれば反乱軍が乗り込んでくるぞ」

「構わんよ。反乱軍にこの状況を打開出来るヤツはおらんのでね」


 ランドルフは俺のハッタリを見抜いていた。

 賢者相手に下手な交渉は効かない様だな。


「持久戦も面倒だ。少し話をしないか?」

「話か……お前達は話が通じる相手なのかな?」

「話が通じる相手だよ。何でフェードを狙った? お前らがフェードを狙わなければ、こんなところまで来る必要も無かったんだがな」

「しらじらしい嘘を。聖女がいるという事はバンダニギの神官戦士なのだろう? 内乱が起きたドルミニ帝国を侵略に来たことは分かっている」

「バンダニギ? なんだそれは?」

「誤魔化すな。聖女がいるのはバンダニギ聖王国だけだ。聖獣が生み出した聖水で強化したではないか」


 聖獣が生み出した聖水?!

 ブタリウスの水魔法を聖水と勘違いしているようだな。

 そういえばダルマシニウム神国の聖女反対グループは、他国を真似て聖女を任命する事に反対していたな。

 もしかしてランドルフが言っているバンダニギ聖王国の事だったのかな?


「私はダルマシニウム神国で新たに任命された聖女です。バンダニギ聖王国とは関係ありません」

「聞いたことがありませんな。ダルマシニウム神国が聖女などを認めるはずがないでしょ。大神官ウィリアムは教義に忠実ですよ」


 アリスがバンダニギ聖王国との関係を否定したが聞き入れてくれない。

 大神官ウィリアムは娘のアリスを助ける為に最終的に教義を曲げたんだけどな。


「油断するなランドルフ。バンダニギの聖徒であれば、バンダニギとの関りを否定する可能性は低い。ヤツと同じでマルバダス側の可能性も高いのだ」

「おっしゃる通りです閣下。ワシがついていながらマルバダスの暗躍を見過ごしたせいで閣下が父親殺しの汚名を背負う事になってしまったのですから。同じ失敗は繰り替えしませんぞ」


 マルバダスの暗躍のせいでヴィクターが皇帝ヴィンセントを殺害したのか。

 ドルミニ帝国では何が起きているのだろうか?


「そろそろ止めを刺せ。このまま居座られても鬱陶しい」

「承知致しました。止めを刺せアルベルト」

「ええっ。もうお役御免って言ってましたよね」

「十賢人の長であるワシの命令だ。攻撃魔法では倒せない可能が高いのだ。魔力切れで魔法剣は使えなくても、通常の剣技であれば使えるだろう」

「ハイハイやりますよ」


 アルベルトがフェードによって真っ二つにされた剣の残骸を拾った。

 俺とフェードは簡単にはやられないと思うが、アリスとブタリウスを狙われたら終わりだ。


「そんなにやりたくないのであれば譲って欲しいですね。アレは私の獲物です」


 鉄球がアルベルトを吹き飛ばして俺の方に向かってきた。

 新たな敵の登場か!?

 この状況で現れるという事は十賢人の第二位の可能性が高い。

 でもどこかで聞いたことがある声のような気がするんだよな。

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