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87話 魔法剣士アルベルトとの激闘

「へっ、魔法を使いながらオレの攻撃をかわせんのか?」

「余裕ですよ。何ですかその情けない戦い方は。ドルミニ流剣技を使わないのですか?」

「要らねぇよ! そんなの!!」


 フェードがアルベルトを攻撃するが全て簡単にかわされてしまっている。

 実力差がありすぎるな。

 フェードの身体能力はライジングハーブで強化されているのに、アルベルトの身体能力を越える事が出来ない。

 魔法主体のドルミニ帝国魔法師団に所属しているのに剣を扱うだけある。

 魔法剣士アルベルトの剣技は見事なものだ。

 フェードの正体を知っているから手加減している様にも見える。

 後ろで見ているだけのランドルフが何を企んでいるのか気になるが、このまま放っておいたらフェードとアリスが負ける可能性がある。

 単純にアルベルトを信頼しているだけで、何も仕掛けて来ないと良いのだが……


「君は仲間を助けないのかな? 苦戦している様に見えるがね」

「アンタが余計な事をしないか気になっているのさ」

「私はアルベルトに加勢しないよ。彼の騎士道に反するからね」

「信用は出来ないね。口約束など簡単に破れるからな」

「ワシは嘘はつかんのだがね。賢者の名に懸けてワシが戦うのはアルベルトが敗北してからだ」

「賢者というだけで信頼されると思っているのか? 俺は信用できない賢者もいるって知っているんだよ」


 俺は賢者トルディエを思い浮かべた。

 賢者ってヤツはトルディエの様に、常に人類の繫栄を考えている。

 だから個人との約束なんて公益の為なら平気で破る。

 賢い奴は正しい判断って奴ですぐに諦めて、損切する様に大切なものを切り捨てるから嫌いなんだよ。


「それなら私が保証しよう。誇り高きドルミニ帝国に偽りはないのだと」


 第二皇子ヴィクターが賢者ランドルフの前に立った。

 これならランドルフが直接俺達を攻撃する事は出来ない。

 だがヴィクター自身が攻撃してくる可能性も捨てきれない。


「アンタが攻撃してくる可能性もあるけどな?」

「なら反撃すればいい。おれを倒しに来たのだろう?」

「だったら、このままお前を倒してこの戦いを終わらせるだけだ」

「それはない。おれの命と引き換えに味方を見捨てるのか?」


 しまった!

 ランドルフとヴィクターと話している間にフェードとアリスがアルベルトにやられかかっていた。

 二人共話す余裕がなくなっていたからピンチに気付かなかった。

 何となく俺がアルベルトと戦うように仕向けられている様に感じるが、このまま何もしなくても敗北が確定する。

 援軍は期待出来ない。

 マルキス率いる反乱軍が来てもコイツ等に勝てる見込みはないからな。

 せめてローレインくらいの実力者がいれば戦況は変わっただろうが、ドルミニ帝国の冒険者はギリス王国の冒険者より弱すぎる。

 ドルミニ帝国魔法師団と騎士団が強すぎて冒険者が育つ土壌が無かったのだろうけどな。

 仕方がない。

 フェードが隠している実力を発揮しないのであれば、俺がやるしかない。


「食らえ! エナドリパンチ!!」

「おっと! 不意打ちは卑怯じゃないかい?」


 アルベルトが魔法剣で俺のエナドリパンチを受け止めた。


「卑怯ではないだろ。お前を倒せって仲間が煽っていただろ?」

「酷い上司ですよね。こんな上司をどう思います?」

「安心しろ。お前を倒した後にぶっ飛ばしておいてやるからさ」

「それなら安心。私が負けても怒られないで済みそうですね」

「余計な事は言わずに戦えアルベルト。負けたら減給だ」

「それは困るね。お金は大事だからね」

「命の方が大事だろ。これでどうだ! エナドリアッパー!」


 俺のエナドリアッパーも魔法剣で防がれてしまった。

 ちまちま攻撃しても埒が明かない。

 アルベルトを倒すには魔法剣の復元力を越える攻撃力で一気に倒すしかない。

 俺は予備のライジングハーブを一気飲みした。

 通常の2倍の強化が得られるライジングハーブ・ダブルだ!


「フェード、アリス! アルベルトの動きを封じろ!」


 フェードがアルベルトに切りかかり、アリスが魔法障壁でアルベルトの退路を塞ぐ。


「左右の逃げ場を封じられた。なるほど。正面から攻撃するつもりだね。男らしくて好きだよ」

「余裕でいられるのは今だけだ。これが勝利の一撃! エナドリキィィィィック!!」

「くっ、なんだと?!」


 俺の最強の蹴りがアルベルトの魔法剣と激突した。

 バキバキバキ!

 物凄い轟音を立ててアルベルトの魔法剣が砕けた。

 俺のエナドリキックを受けたアルベルトが王座に激突した。

 これで俺の勝利だ。

 賢者ランドルフと第二皇子ヴィクターは約束通り手を出さなかった。

 アルベルトは嫌われているのか?

 本当に見捨てるとは思わなかったよ。


「まさか本当にアルベルトが敗北するとはね」


 賢者ランドルフがアルベルトに回復魔法をかけた。


「酷いですよランドルフ様。回復しても、もう戦えませんよ」


 アルベルトが泣き言を言った。


「もう役目は果たした。これ以上の活躍は期待しておらんよ」

「ランドルフ様は酷いなぁ」

「でもランドルフのお陰で勝利は確定しただろ? 黙って休んでいろ」

「承知致しました閣下」


 目的を果たした? 勝利が確定した?

 ランドルとヴィクターは何を言っているんだ?

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