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86話 帝王の間

 帝国城に侵入すると反乱軍と帝国軍が戦いを繰り広げていた。

 人数的には反乱軍の方が少ないが、実力が高い冒険者が主力の反乱軍の方が優勢だ。

 帝国兵の相手は反乱軍に任せて、俺たちは第二皇子ヴィクターの捜索をする事にした。

 ここから先はメガブタリウスで進む事は出来ないので歩いて最上階を目指した。

 そして帝王の間に辿り着いた。

 簡単に帝王の間に辿り着つけたのは、フェードが先行して案内してくれたからだ。

 事情を知っている俺は驚かなかったが、アリスはフェードが勘で帝王の間を探し出したと思っていたので感心していた。

 さて、ヴィクターは逃げずにいるだろうか?

 俺は帝王の間の扉を開けた。

 帝王の間では3人男性がいた。

 王座に座っている青年がヴィクターだろう。

 両脇にいる剣を携えた青年と杖を持った老人は十賢人の可能性が高いな。

 十賢人が一人足りないのが気になる。

 不意打ちする為に潜んでいるのだろうか?


「なんだウィルフレッドではないのか。まさか落ちこぼれのフェリシアがやってくるとはね。驚いたよ」


 王座に座る青年が話しかけて来た。

 フェリシアの名に心当たりがないアリスはきょとんとしている。

 フェードは無言を貫いている。

 正体を明かす気はないようだな。


「お前がヴィクターだな。何故皇帝ヴィンセントを殺した?」

「そういう貴様は何者だ? 無関係な貴様に話す事などない。ランドルフ、アルベルト。奴らを排除しろ」

「御意」

「良いのですか? フェリシア様を討っても?」


 ランドルフと呼ばれた老人の方がヴィクターに質問をした。


「構わん。ドルミニ帝国に侵攻してきたという事はマルバダスかバンダギニギの手の物だろう。どの様な手段を使ってでも帝国を守ると決めたのだ。覚悟を決めろランドルフ」

「承知致しました。アルベルト、奴らを討て」


 ランドルフが剣を携えた青年に指示を出した。


「承知致しました。私は十賢人第三位、魔法剣士のアルベルトです。私がお相手致しますのでよろしくお願い致します」


 アルベルトが剣を抜いた。


「お前一人で戦うのか?」

「そういうご指示なので。私ごときではランドルフ様の深いお考えが分からないですからね」

「コホン。余計な事を言わずに戦えアルベルト」

「ハイハイ、頑張りますよ。まずは一撃入れさせて頂きます」


 アルベルトが切りかかってきたが、フェードがナイフで攻撃を逸らした。


「アニキに手を出すんじゃねぇよ三下」

「腕を上げましたか? そんなナイフで攻撃を逸らされるとは思いませんでしたよ」

「オレにはこれがあるんだよ!」


 フェードがシャープネスファイバーを使ってアルベルトに切りかかった。

 フェードのナイフがアルベルトの剣を切断した。


「驚いた。ナイフでこんな芸当が出来るとはね。その液体に秘密があるのかな?」


 剣を真っ二つに切断されたのにアルベルトには余裕があるようだ。


「すかしてんじゃねぇよ! この野郎! 次で終わりだ!」

「それは困りますね。次はこれを試してみようかな」


 アルベルトが何もないところから剣を生み出した。

 剣を作る魔法の使い手か。

 竜王ハルトムートより地味に見えるが、アルベルトの方が上位なんだよな。

 ただ魔法で剣を作るだけの能力者ではないのだろう。

 さてどうしよう。

 アルベルトだけが戦うと言っているが信じ切るのは危険だ。

 ランドルフやヴィクター、今だ姿を見せない最後の十賢人が奇襲してくる可能性もある。

 しばらく様子を見てみるか。

 フェードが再びアルベルトに切りかかったが、今度は剣で受け止められてしまった。


「何で切れねぇ! ドラゴンだってぶった切ったんだぞ!」

「ドラゴンは再生出来ないですからね。でも私の剣は魔力が続く限り蘇るので」


 どうやらアルベルトは魔法剣を生み出し続ける事で、シャープネスファイバーで強化されたナイフを受け止めているようだ。

 フェードだけで勝てる相手ではないな。


「アリス! フェードの援護を頼む!」

「了解!」


 アリスが魔法障壁を飛ばしてアルベルトを攻撃した。


「へぇ、防御魔法をぶつけて攻撃するんだ。威力は低いけど、簡単に破壊出来ないから迎撃するのが面倒だね。面白い使い方をするなぁ」


 迎撃するのが面倒と言いながら、アルベルトは魔力弾を放ってアリスが飛ばした魔法障壁の全てを簡単に破壊した。

 アルベルトが更に魔力弾を打ち続けたので、アリスが防戦一方になっている。

 フェードの攻撃をいなしながら魔力弾でアリスを圧倒するのか。

 さすが上位の十賢人だ。


「ラウル! 押し負けているからライジングハーブをちょうだい!」

「ブタリウス、水魔法だ!」

「ブッ!」


 俺はブタリウスが生み出した水を使ってライジングハーブを作った。


「アリス! 受け取れ!」


 アリスがライジングハーブを受け取って飲み干した。


「よ~しっ! これで百人力よ!」


 アリスが放つ魔法障壁の数が大幅に増えた。


「なるほど。魔法の強化も出来るのか。これは手強いな」


 防戦一方だったアリスの防御魔法がアルベルトの魔力弾を押し返し始めた。

 これで互角だ!

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