表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/159

85話 シャープネスファイバー

 再びレッドドラゴンが空中から火炎ブレスを放ってきた。

 俺とフェードは無事に避ける事が出来たが、帝国城前の広場は焼けてしまった。


「ハルトムート! このまま帝都を焼き払うつもりなのか?」

「帝都を焼くつもりはない。だが貴方たちが逃げ続けるなら結果的に焼き払う事になるだろう」

「ハッ、ヴィクターの手下らしいな。帝国を守るよりヴィクターのご機嫌取りの方が大事ってか?」

「なんとでも言え。ヴィクター様が倒れたら帝国は終わりだ。あらゆる犠牲を払ってでも守る意義があるのだ」

「情けないな。そんな情けない覚悟で俺達に勝てると思っているとはね。フェード、やるぞ!」

「任せてくれや! 召喚者をぶっ飛ばせばドラゴンも消えるだろう!」


 フェードがハルトムートに向かって走ると、レッドドラゴンが地上に降り立ち行く手を阻んだ。


「オレは囮なんだよ! アニキ!!」

「任せろ! エナドリパンチ!!」


 俺はレッドドラゴンの前足をエナドリパンチで攻撃した。

 レッドドラゴンがよろめいたので腹部をアッパーで打ち上げた。

 ブンッ!

 風圧を感じたので慌てて飛びのくと、鼻先を赤い物体が掠めた。

 尻尾で薙ぎ払われたようだな。

 避けるのが後少し遅かったら直撃をしていた。

 俺の攻撃では、よろめかせる事は出来ても決定的なダメージを与える事は出来ないようだ。


「これなら反撃出来ないだろう」


 ハルトムートがレッドドラゴンの頭部に乗ると、レッドドラゴンが飛び立った。

 今の俺たちには空中にいる敵を攻撃する手段がない。


「この野郎!!」


 フェードがハルトムート目掛けてナイフを投げようとした。


「待てフェード! コイツを受け取れ!」


 俺がエナドリを投げると、フェードがナイフを投げるの止めてエナドリを受け取った。


「何で止めるんすか?」

「外したら終わりだからだ。ナイフの投擲で奴を倒せるチャンスはない。次にレッドドラゴンが降りて来た時は、そのエナドリを使え!」

「コイツを?! でもアイツ降りてくんのか?」

「それは分からない。でもソイツならドラゴンの鱗を打ち破れる可能性がある」

「了解だアニキ! 取り合えずチャンスが来るまで逃げておけばいいっすか?」

「無駄だと思うが俺が攻撃してみるさ」


 俺は逃げながら瓦礫を拾って投げたが、全てレッドドラゴンによって防がれてしまった。

 レッドドラゴンに乗ったハルトムートを倒すのは不可能に近いな。

 ……戦っているのが俺とフェードだけだったらの話だがな。


「マジックシールドレイン!!」


 無数の魔法障壁がレッドドラゴンの更に上空から降り注いだ。

 バキバキバキッ!

 魔法障壁の直撃を受けたレッドドラゴンが地面に叩きつけられた。

 反乱軍を避難させたアリスが駆けつけてくれたのだ。


「今だ! 行け! フェ―ド!!」


 フェードがレッドドラゴンの頭部に向かって走ると、レッドドラゴンが火炎ブレスで反撃してきた。

 このままではフェードに直撃してしまう。


「いくわよブタリウス!」

「ブッブブブー!!」


 アリスの魔法障壁とブタリウスの水魔法がフェードを火炎ブレスから守った。


「ぶった切ってやるぜ! シャープネスファイバー!!」


 フェードがエナドリをナイフに塗った。

 サイサニアの町の名物であるブレードグラスの粉末で作ったシャープネスファイバー。

 切断能力を上げる新しいエナドリだ。

 フェードのナイフがレッドドラゴンの頭部を斬り裂いた。


「馬鹿な! レッドドラゴンがただのナイフで斬り裂かれただと?!」

「油断したな」

「ぐっ」


 俺はハルトムートを殴って気絶させた。

 召喚者であるハルトムートが気絶したからだろう、レッドドラゴンの死体が霧になって消えていった。


「助かったよアリス、ブタリウス。切り札を温存したせいで苦戦していたからね」

「ラウルが感謝するなんて珍しいわね」

「ブッブ!」

「そうか……そうだな。フェードもありがとうな。俺ではシャープネスファイバーの能力を活かせないからな」

「アニキのお陰っすよ。オレの実力じゃレッドドラゴンを切る事は出来ないですから」


 これで十賢人は残り3人となった。

 だが気になる事がある。

 十賢人以外のドルミニ帝国魔法師団と遭遇していないって事だ。

 第一皇子ウィルフレッドが潜伏している可能性がある、ドルミニ帝国東部のラルザニア方面に向かっているのだろうか?

 帝国城内で一斉に襲ってくる可能性もある。

 魔法攻撃を受けても大丈夫な様に準備をしておこう。

 俺はメガブタリウスの保管庫から材料を全て取り出し、ブタリウスと一緒に魔法耐性を上げるミステリアスミルクを大量に作った。

 そして反乱軍に配った。

 これで奇襲で魔法攻撃を受けても大丈夫だろう。


「メガブタリウス突撃!」


 メガブタリウスのメインドリルが帝国城の城門を破って城内に突撃した。

 そして次々に反乱軍が帝国城に侵入して行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ