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82話 暴徒の群れ?!

「フェード、サイサニアの名物は何がある?」

「ギンビルンさんの店があるっすよ」

「捜しているのはそういう名物ではない。エナドリの材料になりそうな名物だ」

「エナドリの材料っすか? どういうのがいいんだろう? サイサニアに特別な食いもんねぇんすよね」

「アレなんかどう? 変な草が売っているじゃない」


 アリスが指差した方を見ると、鋭くて長い葉が店においてあった。


「あんなもん食う奴いないっすよ」

「フェードはアレが何か知ってるのか?」

「あれはブレードグラスっすよ。よく切れる草で刃物の代わりに使ったりするんすよ。金属製の刃物より切れないけどね」

「試しに買ってみようよ。草で切れるなんて面白そうじゃない」

「そうだな。俺も興味があるから買ってみよう」

「まじっすか? そんなに面白い物ではないんすけどね」


 ドルミニ帝国出身のフェードにとっては珍しいものではないのかもしれないが、俺とアリスにとっては初めて見る植物だ。

 一度切れ味を試してみたい。

 俺とアリスはブレードグラスを購入した。

 その後もサイサニアの町を回ってみたが、特に興味を引かれるものは無かったので宿に戻りアリスと一緒にブレードグラスの切れ味を試してみる事にした。

 最初に紙を切ってみたらスパスパ切れるので楽しくなってきた。

 でも野菜までは切れたが金属までは切れなかった。

 植物でこれだけ切れるのは面白いが、武器としては使えないな。

 でもエナドリの材料にはなるかもしれない。

 フェードは絶対まずいって言っていたが大事なのは味ではない。

 エナドリとしての効能があるかどうかだ。

 俺はブレードグラスをすり潰して粉末を作り、ブタリウスの魔法で作った水とブレンドしてエナドリを作ってみた。

 試しに飲んでみると酸っぱい味がした。

 これは強烈だな。

 だけど今までに無かった効果があった。

 これは使える。

 コイツはシャープネス・ファイバーと名付けよう。

 ロイレスの村で入手した牛乳の粉末で作ったミステリアス・ミルクと合わせて十賢人との戦いで切り札になるだろう。

 もうサイサニアの町で出来る事はないな。

 あとはマルキスが帝都攻略の準備を終わらせるのを待つだけだ。

 二日後、マルキスから冒険者ギルドに呼び出された。


「よく来たな相棒! ついにヴィクターの野郎をぶっ飛ばす準備が出来たぜぇ」

「そうか。それは良かったな」


 冒険者ギルドにはギンビルンファッショのイカツイ男たちしかない。

 どう見ても暴徒の群れにしかみえないよな。

 本当にコイツ等の仲間で良いのだろうか?

 どうしても悩んでしまう。


「野郎ども! ラウル先生がいれば楽勝だ! 十賢人なんざ敵じゃねぇ!」

「フュ~。最高だぜ!」

「ひゃっはー。陰気な魔法師団如き叩き潰してやんぜ!」


 冒険者達が歓喜している。

 俺が先生か。

 悪党に雇われた用心棒みたいだな。


「出発だ! 帝都を悪の手から開放するぞ!」


 マルキスの号令で冒険者達が次々にサイサニアの町の郊外へ向かった。

 郊外では俺たちのメガブタリウスだけでなく、マルキス達がメガブタリウスを真似て作った戦車が5台あった。

 見た目の印象は似ているが、メガブタリウスと違って馬が引いており、上部には石を飛ばす投石器がついているところが違っている。

 二日間でよくこんなものを作ったよな。

 ドルミニ帝国の奴らは熱意が凄いよな。

 これで帝都侵攻の準備は完了だ。

 俺たちはマルキス率いる反乱軍と共に帝都に向かった。

 帝都の門は固く閉じられていた。


「野郎ども砲撃開始だ!」


 マルキスの号令で戦車部隊の投石器から巨大な石が放たれた。

 ドスン! ドスン!

 次々に石が門に直撃し、遂に門が吹き飛んだので全員で帝都に突撃した。


「オラオラ! 城への道を塞ぐんじゃねぇ! 吹き飛ばすぞ!」


 帝都の住民が恐怖にひきつった顔で逃げ惑う。

 怒鳴り散らして住民をどかすのは乱暴なやり方にもみえるが、戦いに巻き込ませないようにするには効率が良い方法かもしれないな。

 バリバリ、ドガン!

 先頭の戦車に雷が落ちた。

 雷の攻撃魔法……十賢人か?


「帝都での狼藉を許しはしない。十賢人第五位、万能のヘンドリックが相手だ!」


 ヘンドリックが現れると、住民から歓喜の声が上がる。

 まるで正義の味方の登場だな。

 ……たぶん正しいのだろうな。

 帝都の住民から見たら俺たちは略奪に来た暴徒にしか見えないだろうからな。


「くそっ! ジミーがやられた。ラウル先生! お願いしやす!」


 マルキスにお願いされて戦うのは気分が乗らないが、十賢人が出て来た以上俺たちが戦わない訳にはいかないな。


「俺達が相手だ!」

「だれが相手でも関係ない。帝都の治安を乱す悪党は私が倒す。ライトニング!」


 ヘンドリックが雷魔法を使った。


「オレ様達に雷魔法が効くと思ってんすか? 舐められたもんすね」


 ヘンドリックが放った雷はフェードのトンガリ頭に吸収された。

 でた! フェードの避雷針頭!


「雷は効かないようだが火はどうだ?」


 ヘンドリックが火炎魔法を使った。

 フェードが慌てて回避する。

 さすがにトンガリ頭で消火は出来ない様だな。

 ヘンドリックは冷静なヤツのようだな。

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