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70話 衝撃の事実

「どういう事だローレイン? 何故ドルミニ帝国がフェードを狙う?」

「私には分からないよ。姫とトルディエ殿は理由を知っていただろうが、ラウルたちが敵対するからまともな会話が出来なかったではないか」


 ローレインに非難されてしまった。

 いきなり攻撃しようとした事は仕方なかっただろ?

 事前にフェードがドルミニ帝国に狙われており、その理由をトルディエが知っていると分かっていれば一時的に敵対するのを止めていた。

 だが知らないのであれば、ヤツはただの迷惑な敵でしかない。


「すまなかったなローレイン。でもヤツは魔王事件の時に報告した大賢者と同一人物なんだぞ」

「魔王事件で出て来た大賢者と同一人物だったのか? トルディエなんて名前は普通にいるから気付かなかったよ。でも何で敵意を向けるんだい? トルディエ殿が裏切ったのは前勇者パーティーなのだろ?」

「ヤツは今でも信用出来ない。俺の仲間は全員ヤツを嫌っているし、今は別行動しているが前勇者パーティーの生き残りもいるのでね」

「そうか。それではトルディエ殿と直接交渉するのは難しそうだな。フェード殿自身は心当たりがないのか?」

「ねぇよ」

「どうした? ドルミニ帝国に狙われてるのだぞ? 理由を知りたいとは思わないのか?」

「思わねぇよ。アニキなら国家相手でもぶっ飛ばせるだろ? いちいち細かけぇ事を気にすんなよ」


 珍しくフェードが不貞腐れている。

 何か気まずい事でもあるのか?


「どうせなんかやらかしたんでしょ? 聖女の私が仲介してあげるわよ。ドルミニ帝国でもダルマシウス教が国教でしょ」

「必要ねぇよ。ムダだと思うからさ」

「何で無駄なのよ! やってもいないのに」

「ムダなもんはムダなんだよ」

「なんなのよ」


 アリスがフェードに理由を聞くのを止めた。

 フェードは何を隠しているのだろう?

 そういえばトルディエとの関係も不明なままだったな。

 フェードは教えてくれなさそうだから、面倒だがトルディエに聞くしかないな。


「フェード殿らしくないですね。ラウル殿達はトルディエ殿と話すのが難しいだろうから私が聞いてみるよ」

「ありがろうローレイン。でも俺もトルディエと直接話をしてみるよ。まぁ機会があったらの話だがな」

「そうか。今日の所は終わりにしようか?」

「そうだな。迷惑をかけて済まなかったなローレイン」

「私の身辺調査が甘かっただけだ。姫も許してくれるさ」

「じゃぁな」


 俺たちは宿に戻った。

 フェードはブタリウスの世話に行ったので、ベッドに寝ころびながら今後について考える事にした。

 結局、アリスの無事は伝えられたが、ユウマの動向について聞くことは出来なかった。

 さて、これからどうしよう?

 ユウマの後を追ってブリージラリアス大陸に渡るわけにはいかないよな。

 その間にギリス王国とドルミニ帝国が戦争になったら多くの人が亡くなる。

 ドルミニ帝国に接している東部のアルライラ地方には俺の故郷のネイラシアの村もあるのだ。

 凄腕の魔法使いのアゾが守ってくれているが、一人で軍と戦うのは無理がある。

 こうなったらドルミニ帝国をぶっ飛ばしに行くしかないな。


ーーなんだ?

 窓の外から気配を感じる。

 窓から身を乗り出して見下ろすと、そこにはトルディエがいた。

 俺は念のためにライジングハーブを持って窓から飛び降りた。


「何の用だトルディエ?」

「話しがある。来て欲しい」

「ここではダメなのか?」

「他の者たちに話しの邪魔されたくはないのでな」

「分かった」


 俺はトルディエの後をついて行った。

 そして王都近郊の丘の上に辿り着いた。


「初めて会った時はぺプリカ地方の森の中だったな。危険な目にあって欲しくなくて忠告をしたのだが、無視をされた時は悲しかったぞ」

「昔話はいい。用件を言え」


 トルディエが急に土下座をした。

 何俺に頭を下げる?


「頼む。ワシの力ではどうする事も出来ない。ラウル殿だけが頼りなのです」

「何を俺に頼むんだ? お前は一応賢者だろ。俺に頼まなくても自分で何とかしろよ」

「賢者と呼ばれるだけの魔法の知識はある。だがワシは賢くはない。ワシが人生の大事な判断を誤り続けた事を知っているだろう?」

「お前が賢くないって事は分かっているが、俺だってそんなに賢くはないぞ」

「それでもラウル殿しか頼める相手がいない」

「面倒だな。早く言えよ。一応聞いておいてやるからさ」

「お嬢を助けて欲しいのです」


 お嬢?

 前にもトルディエから聞いた事があったような気がするが、誰の事だっただろうか?

 何か思い出したような気がしたが、ただの護衛依頼であれば俺がやる必要はない。


「助けて欲しければローレインに保護してもらえ。今は王城で世話になってえるのだろう?」

「ローレイン殿では駄目なのです」

「何で駄目なんだ? お嬢とやらも王城で世話になってるのではないのか?」

「お嬢は王城におりません」

「なら、何処にいる?」

「ラウル殿のとなりです。ドルミニ帝国第一皇女フェリシア・ドルミニ。ラウル殿達がフェードと呼んでいるお方です」


 はっ?

 何言ってんのこの爺さん?!

 フェードがドルミニ帝国第一皇女?

 王都の大通りでナイフを舐めるような世紀末感満載のヤツなんだぞ!

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